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『ARASHI’s Diary -Voyage-』に詰まった私たちの愛する嵐の姿 「おうち時間」に楽しみたいエンタメ配信番組:Netflix編

リアルサウンド

20/5/28(木) 11:00

 「おうち時間」に注目が集まる今こそ見たい、動画配信サービスのオリジナル番組をピックアップするシリーズ最終回。ラストに紹介するのは、Netflixで独占配信中のオリジナルドキュメンタリーシリーズ『ARASHI’s Diary -Voyage-』だ。

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 2020年いっぱいで活動休止を宣言した嵐。国民的アイドルグループと呼ぶにふさわしい人気を誇り、誰もが「仲の良さ」を認める5人だっただけに、「なぜ今?」「なぜ嵐が?」と大きな衝撃が走った。彼らが何を考え、どんな想いでその決断を発表したのかを、感じ取ることができる作品だ。

 5人の中で2017年6月から話し合いが続いていたという「活動休止」を発表するまでの葛藤。並行して行われた20周年アニバーサリーツアーの舞台裏。そして、5人で歌詞をつづった「5×20」への想い……。決して簡単なことではないひと区切り。彼らが必死に悩み抜いた時間が、そのまま映像のボリュームに比例しているようだ。

 第7話(5月28日現在)まで配信されているが、1話あたり20~44分とまばらだ。決められた時間枠にキレイに編集することもできたはず。だが、そうしなかったのは1話の尺に制約がないNetflixという場だからこそ実現した、リアルな姿を惜しげなく見せてくれた嵐メンバーへの感謝と敬意表明なのかもしれない。

 カメラは、“ここまで入り込むか?“というほど、彼らに密着する。ライブ演出を手がける松本潤にいたっては、多忙なスケジュールの中リハーサル室に泊まり込む姿も。彼も人間だ。当然、ヒゲも生えてくる。スタッフに厳しい要望を伝えることもある。この先の人生、このツアーを何度も何度も思い出すことになるのがわかるから、決して妥協はできない。その鬼気迫る姿に、改めて彼らのステージが、命を削って出来上がっているものだと知る。

 活動休止のきっかけとなった大野智は、その重責に必死に耐えていた。ファンクラブ向けのメッセージ動画を撮影する際には、何度も何度も言葉を詰まらせてしまう。「何回でもいいよ、ゆっくりいこう」、「珍しいなー」、「気にすんなよ」と声をかけていくメンバーたち。そして会見時には二宮和也が「リーダーが矢面に立ってリーダーが悪者に見えているのであれば我々の力不足」と断言する。あくまでも5人の決断であるということを強調するところに、私たちの愛する嵐の姿が見える。

 「5×20」の歌詞を綴るときにも、メンバーでメールのやりとりをしたと明かすのは、櫻井翔だ。自分の想いを、いい言葉で表現することができればできるほど、心が締め付けられる思いだったと振り返る。涙ながらに書いたあと、グループメールで「天才かも」と送ったというのがなんとも櫻井らしい。「あの人たち優しいから」と笑いながら、メンバーから「天才だね」と返ってきた中で、松本だけが個別に「泣けちゃうね」と送ってきたと明かす。そんな背景を知ると、この曲の歌詞がより心に温度を持って広がっていく。

 「嵐が歌うとすべてがポジティブに聞こえるみたいな力強ささえ俺は感じてたから」と語るのは二宮。このメンバーで誰1人欠けることなく、そして増えることもなく、5人で歩んできた日々が、間違いではなかったと振り返る。5人のこれまでが、5人のこれからの力になる、そう確信できる20年。

 1人ひとりが全力で駆け抜けてきたからこそ、また5人で歌える日を全員が諦めていないからこそ、彼らは嵐を一度「休止」させるのだ。完全な「別れ」を避けるための「離れる」という選択。大事だからこそ、距離を取る大切さは、「ソーシャルディスタンス」が叫ばれる今、私たちもよく知っている。

 では、嵐が惚れ込んだ、嵐のメンバーとはどんな5人なのか。それを深掘りしていくシリーズが、第7話「AIBA’s Diary」からスタート。相葉の回は、多感な時期を優しく包み込んだ中学校の担任教師、母親のように厳しくも愛を持って指導した演出家、『NHK紅白歌合戦』の司会を務めた朝にも足を運んだというボクシングジムのトレーナー、そして兄のように慕うディレクター……と、彼の人生のターニングポイントを知る多くの人が出演。これほど深く相葉がどう“嵐の相葉雅紀“となっていったのかを知る機会もなかなかない。

 5月29日には第8話「SHO’s Diary」を更新予定。今後、1人ずつピックアップした回が続くと思うと、実に楽しみだ。一旦のゴールが見えているからこそ、語れることもある。立ち止まろうというときだからこそ、見えるものがある。活動休止は本当に残念で、とても寂しいことではあるが、これは嵐をまた好きになるチャンスでもある。そして、きっとまた5人で揃うことを信じられるだけの心意気が、このドキュメンタリーには詰まっている。(佐藤結衣)

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