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「ビリー・エリオット」本公演に安蘭けい「見どころは全部!でもあえて絞るなら…」

ナタリー

20/9/14(月) 20:03

ミュージカル「ビリー・エリオット ~リトル・ダンサー~」フォトコールより。

ミュージカル「ビリー・エリオット ~リトル・ダンサー~」のフォトコールが、本日9月14日に東京・TBS赤坂ACTシアターで行われた。

本作は、2000年に公開された映画「BILLY ELLIOT」(邦題「リトル・ダンサー」)をもとにしたミュージカル。ストライキに揺れるイギリスの炭鉱町を舞台に、バレエダンサーを夢見る少年の物語が描かれ、日本では2017年に初演された。今回の再演版は7月に初日を迎える予定だったが、新型コロナウイルスの影響で7・8月公演が中止に。9月11日から本日までオープニング公演が行われており、16日には本公演がスタートする。

フォトコールでは劇中より5曲が披露された。まず「The Stars Look Down」では、中村海琉扮するビリー・エリオットが澄んだ歌声を聴かせ、橋本さとし扮するお父さん、中井智彦扮するトニー、アンサンブルたちが力強いハーモニーを響かせる。続く「Shine」では、安蘭けい扮するウィルキンソン先生が、白い羽を手にした“バレエガールズ”を従えてパワフルに歌い踊った。「Expressing Yourself」では利田太一扮するビリー、佐野航太郎扮するマイケルが軽やかなタップダンスで魅せ、「Angry Dance」では川口調演じるビリーが、バレエを禁じられた怒りを全身で表現。さらに「Solidarity」では、柚希礼音演じるウィルキンソン先生やバレエ教室の生徒たち、警官、炭鉱夫たちが一糸乱れぬダンスを見せたほか、ビリー役の渡部出日寿が華麗なターンを決めて報道陣から拍手を浴びた。

フォトコールのあとにはビリー役の4人と、2017年から続投となる益岡と柚希、初参加の橋本と安蘭が取材に応じた。オーディションに残った子供たちの中で唯一、関西からの参加となった川口は「月に1回、関東の子たちと一緒にレッスンを受けに集まるとき、『自分は大丈夫かな』と不安を感じることもありました。でも関西でレッスンしていたときは、ほかのみんなと距離が離れているぶん、自分の課題に集中できた」と言い、「客席は半分ですが、お客様の前で舞台ができてうれしい」と客席に視線を送る。初演時にオーディションを受けたものの、出演が叶わなかったという利田は「楽しくやっていることがお客様に伝わればいいなと思います」と喜びをにじませた。

中村はオーディションの結果発表の日を回想して、「とても緊張して、電車の中で心臓がドクドクしていたのを覚えています」とコメント。リモート稽古では小道具を家にあるもので代用したことに言及し、「似た家具を探すのにひと苦労でした。でも、いざ稽古場に来たら本物はまったく違っていて、慣れるのが大変でした」と語る。渡部も「家でのリモート稽古に慣れていたので、広い稽古場に来たとき、全体に声を届けられるようになるまで大変だった」と述べつつ、「ビリーの心の移り変わりを表現したい」と目標を掲げた。

益岡は初演を振り返りながら、「今回、新たに自慢の“息子”たちが加わりました」とビリー役の4人に笑顔を向ける。また、7・8月公演が中止になったことについて、「(舞台が)不要不急と言われてしまい、悔しい思いをした時期もある」と率直な胸の内を明かして、「今こうして1歩踏み出せたことは、『ビリー・エリオット』のテーマである“希望”と重なるような気がします」と感慨深げに語った。

橋本は「初演を観て号泣しました。まさか自分が出られるとは」と喜びをのぞかせ、海外スタッフとのリモート稽古について、「海外の皆さんも、画面ならすぐに“来日”できる(笑)。遠くにいるのにすごく近くに感じた」と述懐。コロナ禍での上演には「僕らの仕事は人のお腹を満たすことはできませんが、心を満たすことはできます。大変な時期ですが、協力し合ってエンタテインメントを続けていこうと思いました」と決意を口にした。

2度目のウィルキンソン先生役に、柚希は「より深く丁寧に役を追求していきたい」と意欲を見せる。「リモート稽古では、海外スタッフの方々が勇気を与えてくれた。大人数のダンスナンバーでも一言アドバイスをもらうだけで、全然違ってくるんです」と手応えを語り、「1公演1公演の大切さを感じながら演じています。この舞台が明日への活力になれば」と言葉に力を込めた。

初演を観て出演したいと思うようになったという安蘭は「夢が叶いました」と微笑む。見どころを尋ねられた安蘭は「全部見どころなのでとても選べませんが……あえて! 絞らせてもらいましょうか」と茶目っ気たっぷりに前置きし、ビリーが炭鉱夫たちに見送られてロンドンに旅立つラストシーンを挙げて、「そこにたどり着くまでの過程はもちろん、ぜひラストに注目して」とアピールした。

上演時間は休憩25分を含む3時間を予定。東京公演は10月17日までTBS赤坂ACTシアターで行われ、10月30日から11月14日にかけて、大阪・梅田芸術劇場 メインホールでも上演される。

ミュージカル「ビリー・エリオット ~リトル・ダンサー~」

2020年9月11日(金)~10月17日(土)
東京都 TBS赤坂ACTシアター
※9月11日(金)~14日(月)までオープニング公演。

2020年10月30日(金)~11月14日(土)
大阪府 梅田芸術劇場 メインホール

脚本・歌詞:リー・ホール
演出:スティーヴン・ダルドリー
音楽:エルトン・ジョン

キャスト

ビリー・エリオット:川口調、利田太一、中村海琉、渡部出日寿
お父さん:益岡徹、橋本さとし
ウィルキンソン先生:柚希礼音、安蘭けい
おばあちゃん:根岸季衣、阿知波悟美
トニー:中河内雅貴、中井智彦
ジョージ:星智也
オールダー・ビリー:大貫勇輔、永野亮比己
ほか

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