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池袋シネマ・ロサで京都造形大卒業生の作品「赤い惑星」「ムチノセカイ」を上映

ナタリー

20/4/3(金) 18:00

「灰色の街特集 俺たちに明日はナイト」ポスタービジュアル

特集上映「灰色の街特集 俺たちに明日はナイト」が、5月30日から6月5日にかけて東京・池袋シネマロサで開催される。

同特集では京都造形芸術大学映画学科を卒業した村瀬大智の監督作「赤い惑星」、唯野浩平の監督作「ムチノセカイ」がスクリーンにかけられる。どちらの作品も在学時に制作されたものだ。

「赤い惑星」はチャッピーという流行病のために人口が少なくなっているとある惑星を舞台とした物語。人里離れた場所で墓守をしていたヒトシのもとに、“赤いシャツの男”と“絵を描く女アカリ”が現れ、3人の時間が始まる。中山慎悟、宮本伊織、杉原亜実が出演した。「赤い惑星」について藤原季節は「俺は村瀬大智が、閉塞した日本映画界に風穴を開けて大気循環を起こすと信じている。だから声を大にして伝えたい。これが新時代の空気だ! 映画館で吸い込め!」とコメントを寄せた。

「ムチノセカイ」では若者3人の同居生活が描かれる。劇中では同居生活を送るシンゴとアキラのもとにグンという男が居座るようになり、シンゴの日常が変化していく。「ムチノセカイ」にも中山がキャストとして名を連ね、松井亮頼、そして村瀬が出演した。映画批評家の北小路隆志は同作について「いかなる根拠も支えもなく、3人の男が共に在る。ただそれだけのことが、どうしてこんなにも僕らの心を揺さぶるのか?」とつづっている。なお同特集の予告編が現在YouTubeで公開中だ。

灰色の街特集 俺たちに明日はナイト

2020年5月30日(土)~6月5日(金)東京都 池袋シネマ・ロサ
料金:前売り券 1300円 / 当日券 1500円 / 大学生 1300円 / シニア 1100円 / 高校生以下 1000円
<上映作品>
「赤い惑星」
「ムチノセカイ」

「赤い惑星」に寄せられたコメント

藤原季節 コメント

かつて文壇に村上龍が現れたとき「限りなく透明に近いブルー」という日本語は存在しないと物議を醸したらしい。村瀬大智の登場はそれと同じような物議を日本映画界にもたらすかもしれない。
俺は村瀬大智が、閉塞した日本映画界に風穴を開けて大気循環を起こすと信じている。だから声を大にして伝えたい。これが新時代の空気だ! 映画館で吸い込め!

工藤梨穂 コメント

死者が墓地という場所を介してこの星の侵略を始めるとき、死神もまたするりと人間たちに溶け込むようだ。
土地が赤い旗に覆われていけばいくほど、宮本伊織の不気味な魅力にどうしようもなく惹きつけられていった。
「赤い惑星」は、生と死の“バディ映画”として私たちを魅了する。

鈴木卓爾 コメント

大学時代、自主制作ではなく授業カリキュラムとして三本の映画を監督する縁が巡った村瀬大智は、人たちを作品づくりに夢中にさせる何かの術を持っていた。彼の中心にはいつも、ぽっかり口を開けたかたちで機会を待つ、時間と人がこちらを眺めていて、話しかけるのだ。「赤い惑星、一緒に観ませんか?」赤い惑星の中心で風に吹かれる虚無をやり過ごし、凶暴を研ぎ澄まし、誰かの肌に一筋、解放の刻印を刻む機会を夢見ている。

「ムチノセカイ」に寄せられたコメント

北小路隆志 コメント

いかなる根拠も支えもなく、3人の男が共に在る。ただそれだけのことが、どうしてこんなにも僕らの心を揺さぶるのか? 彼らのそれ以前の人生や同居に至った経緯等々の情報提供をいっさい拒絶することで、唯野浩平は有無をいわさず僕らをムチノセカイに押し込む。3人の中の1人がなぜか就職できる滑稽なプロセスは、現代社会の中枢を成す会社組織さえもが無根拠でしかないのでは……とかすかな革命への予感に僕らを導き、湖面に釣り糸を垂れる3人の背中を映す遠景ショットも、その退路を断った無防備(=無根拠)さゆえにただただ美しい。

山本起也 コメント

殴っても、撃っても
全てが遠景のようなこの世界で何も壊せやしない。
それでも男は歩く。
行くあてなどどこにもない人生への予感を孕みながら。

仙頭武則(映画プロデューサー)コメント

唯野は2年間、私とは少し距離をおきながら、着かず離れずいつも側にいたゼミ生だ。
撮影を編集を黙々と進める温和で実直な学生。
時折電話をかけてくる、メールをしてくる、「映画をつくる」悩み、考え、気づき、について。
自主制作「ムチノセカイ」は在学中、唯一の演出作品。
背筋が凍った。
虚無、暴力、行き場のない怒り、冷めた映像。
どこに隠し持っていたのだろう。
唯野、あの思いの丈を綴った長い長いメールで
書くといっていた約束の長編脚本はどうなった。
待ってるぞ、君が納得するまで。

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