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乃木坂46 秋元真夏に聞く、“自分らしさ”を活かしたキャプテンシップ「積み重ねてきたことに自信がついた」

リアルサウンド

20/4/8(水) 6:00

 乃木坂46 秋元真夏が、ソロ写真集『しあわせにしたい』を4月8日に発売した。同作は、2017年に発売された1st写真集『真夏の気圧配置』から3年ぶりのソロ写真集となる。

参考:乃木坂46 秋元真夏 1万字インタビュー「後輩グループも背負っているという責任感が芽生えてきた」

 同写真集の撮影はイタリアと沖縄で行われ、沖縄では「今までの真夏」、イタリアでは「大人に向かう今の真夏」を表現。大人な一面と無邪気さを兼ね揃えた彼女の魅力を堪能できる一冊に。2019年、桜井玲香の卒業に伴い、新キャプテンに就任した秋元真夏。インタビューでは、キャプテン就任から約半年間を振り返りつつ、『しあわせにしたい』で見せた成長した姿について話を聞いた。(編集部)【最終ページに読者プレゼントあり】

■乃木坂46の枠に当てはまらなくても、それがウケる可能性もある

ーー3年ぶりの写真集『しあわせにしたい』が発売されます。1st写真集『真夏の気圧配置』を出したのが23歳の頃だと思いますが、2019年にキャプテンに就任したことをはじめ、環境は大きく変わっていますよね。

秋元真夏(以下、秋元):2017年の時も「インフルエンサー」で初めて1列目に選ばれて、『日本レコード大賞』も取らせていただいたりと、グループにとっても、私にとっても節目の年でした。そこからこの3年間で一番変化を感じたのは、やっぱり2019年ですね。キャプテンに就任したこともそうですし、舞台『サザエさん』のようなお芝居の仕事ができたこと、色々なジャンルのお仕事に挑戦できた一年だったと思います。

ーーキャプテン就任から半年以上経ちます。もともと、秋元さんの中で理想のキャプテン像のようなものは持っていましたか?

秋元:私の中の理想は、やっぱり桜井玲香ですね。玲香と同じことはできないとは思うんですけど、彼女のグループの見守り方は乃木坂46にすごくぴったりだったんだなって、キャプテンになってから感じることが多くて。こと細かく指示を出すようなわけではないんですけど、大事なところではしっかり締めてくれる。メンバーにかける言葉も、心に刺さるものが必ずあるんですよね。多分、玲香もすごく考えて悩んでいたと思うんですけど、結果的には要所要所でキャプテンとしての役割を果せる人だったので。メンバーからよくいじられるタイプでもあったんですけど(笑)、それでもキャプテンとして頼られて、メンバーが付いていきたくなるところが、かっこよかったなと今でも思います。

ーー「引っ張っていくようなタイプではない」と過去のインタビューでも発言されていますが、先陣を切って後輩メンバーに道を示そうとしているような印象もあります。例えば『乃木坂工事中』の企画「VTR QUEEN決定戦」では、ここまでやって大丈夫なのか、と思ってしまうくらい大胆な企画にも挑戦していて。既存のグループのイメージも大切だけど、そこからはみ出すことの大事さみたいなものを感じました。

秋元:私のやり方が絶対に正しいとは思わないし、個性の出し方はいろいろあると思います。逆に、私はやりすぎてしまって、メンバーに申し訳ないくらいなんですけど……(笑)。後輩メンバーの話を聞いていると、みんな乃木坂46を本当に好きでいてくれて、「私が好きだった乃木坂46に近づかなきゃ」と思ってくれている子がすごく多いんです。それは嬉しいことなんですけど、逆に自分の個性を出せないことに繋がったりしないか心配でもあって。乃木坂46の枠に当てはまらなくても、それが意外とウケる可能性もあると思うんです。その機会を失うのはもったいないので、あまり枠にとらわれなくてもいいよって、後輩メンバーに伝えることは多いですね。

ーーそういう言葉だけでなく、自分から率先してやるところがかっこいいですね。

秋元:ありがとうございます。もともと他の人とはちょっと違うことに挑戦したくなるところはあって。だから、玲香にもキャプテンになる時に心配されたんですよ。「キャプテンになって、真夏が今まで出してきた良さはなくならない?」って。彼女も私がそういう子だって分かってくれていたから。でも、「キャプテンになっても真夏の良さは残してもいいと思う」と玲香が言ってくれて、それがキャプテンになる時にすごく後押しになりました。(就任前は)もう少しキャラを抑えないといけないかなって思いかけていたけど、そう言ってもらえたおかげで、自分の積み重ねてきたことに自信がついたというか。

■キャプテン就任から一番大変だったのはナゴヤドームでの4日間

ーーキャプテンとしてグループ全体を見ることも意識的になったと思いますか?

秋元:いつもスタッフさんとメンバーの間にいる気分です。仲介役のような。メンバーから意見を聞いて、活動に活かせるものであればスタッフさんに共有して、もちろんその逆もあります。これまでは自分のことだけでいっぱいいっぱいで、いつも自分のことを優先的に考えていたんですけど、今は乃木坂46全体のことを自然と考えられるようになりました。

ーー現状、グループには年齢もバラバラな40名以上のメンバーがいて、彼女たちの意見を聞いたり、まとめたりするのは大変な仕事だと思います。特に『BIRTHDAY LIVE』のような大規模な公演では、全員の意思統一をとることにも一苦労では?

秋元:キャプテンになってから一番大変だったことが、ナゴヤドームでの4日間(『8th YEAR BIRTHDAY LIVE』)だったんです。全曲披露ということもあってリハーサルもいつも以上に長い期間で行ったんですけど、後輩メンバーに伝えなければいけないことはなにか、という話し合いを先輩メンバー同士でよくするようになって。1期生がたまたま集まった時も、「ここはこうしたほうが良くなるよね」みたいな話が自然と出てくるんです。そこで乃木坂46全体の方針が出てきた時、誰がみんなに伝えるのか。それってやっぱり私の役目なのかなって。

ーーキャプテンとして、グループ全体を整えていかなければならない。

秋元:後輩メンバーにもその都度伝えるようにはしています。けど、何かを訂正するというか、もともとその人がやっていたことを変えてもらうことが、私はすごく苦手で。自分が言われる分にはいいんですけど、その逆は申し訳ない気持ちになってしまうんです。でも、きちんと伝えられた時は、後輩メンバーもすぐに分かってくれるし、ちゃんと対応してくれる。どう伝えるべきか悩んでいる時も、1期のメンバーがいつも相談に乗ってくれて。やっぱり長年一緒にいるので信頼もできるので、周りのメンバーを頼りながら今頑張れていると思います。

ーー素直に頼れることも強みなのかなと思います。先輩でキャプテンだから頼っちゃいけない、完璧を目指そうみたいに思う方もいると思うんです。

秋元:だいぶ、周りの方々には助けられてますね。1期2期生だけでなく、3期4期生にも。それに、だんだん後輩の方からも、悩んでることや要望みたいなことを相談してくれるようになりました。そこから私も考えて、スタッフの方に交渉できるようになってきたので。キャプテンには恐れ多いから言えない、みたいなことも無くなっていると思うし、みんなが相談しあえる空気感は今後も作っていきたいなと思っています。

■1st写真集の時に出し切れなかった部分が入っている

ーーそんな2019年を経験した秋元さんですが、今回の写真集には前作からの成長や変化が詰まっていると思います。実際、写真集を撮影してみていかがでしたか?

秋元:写真にすごい自信があるタイプではないんですけど、写真集はいつも以上に撮影の量も増えるので、普段は見ない角度から自分を見ることができて楽しかったです。1st写真集の時に出し切れなかった部分が、この2ndには入っている気はしています。

ーー1stで出し切れなかった部分とは?

秋元:わかりやすい部分なら、おでこ(笑)。1stでは前髪を死守しているというか、寝起きのカットですら全然見せていないんですよ。そういう前髪のセットも含めて1stの時はメイクを自分でやっていたんですけど、今回はメイクの方にすべてお任せしました。だから、前髪なしで顔を出していたり、やったことない髪型にも挑戦しています。自分のこれまでのこだわりをすべて捨ててみて、いろんな一面を出せたかなって。

ーーおでこを出せるようになったのは、自分に自信がついた裏返しかもしれません。

秋元:そうかもしれないですね。去年一年で内面の変化も多かったのと、キャプテンに就任して環境も変わったし、いろんなことに挑戦し続けていたら、何事にも恐れがなくなったような気がします。

ーータイトルの『しあわせにしたい』にはどんな意味が?

秋元:候補のタイトルはいくつかいただいていて、その中から自分が一番大事にしてきたことに近い言葉が『しあわせにしたい』だったんです。こういう活動を始めた時から、ファンの方や周りの方に何かしてあげたい、身近な存在でありたいという気持ちが強かったので。たぶん、幸せにしてもらうよりも幸せにしたい、という思いがそのままタイトルになったのかなって。ひらがなの“しあわせ”も温かい雰囲気が伝わってきていいですよね。

■自分を削っても、絶対にまた幸せを得られるという自信がある

ーー人に何かを与えるには自分が満たされている必要があるのかな、と思います。そういう意味で、今秋元さんは幸せで満たされているんですか?

秋元:どちらかというと、キャプテンに就任してからは「大丈夫かな?」って思いながら一歩ずつ進んでいるので、すごい幸せ、安定しているというよりも、気持ち的には不安定なことの方が多いかもしれません。でも、たとえ自分を削ったとしても、絶対にまた幸せを得られるという自信があるんです。昔から私はファンの方々からいろんなものをもらってきたから、その分をお返ししたいという気持ちも強いんですけど、そもそも“幸せにしたい”という気持ちは自分の心情とは別のところにあるような気もします。

ーー潜在的なものなんですかね。子どものころからそういうタイプですか?

秋元:そうですね。私のしたことで両親や周りの人が喜んでいるのを見て、私自身も幸せになるようなタイプでしたね。でも、きっといつかは与えてももらえるんだろうなって信じているところもあって。何か返ってきたらいいなって期待している自分もいます(笑)。

ーー撮影はイタリアと沖縄で行われました。個人的にお気に入りのカットはありますか?

秋元:うーん、どれだろう。たぶん、ファンの方々に喜んでいただけそうなのが、大きめのシャツを着てパスタを作っている写真かな。

ーー一緒に生活しているような雰囲気ですね。

秋元:私も身近な感じが出ていて好きなんです。たぶん、私のファンの方々は高嶺の花というよりも、親近感のある私を好きになってくれたのかなって思っていて。自分のシャツじゃなくて、彼氏のシャツを着ちゃったような雰囲気とか、作ったご飯を目の前で食べてるとか、そういう距離感な写真はいいなって思います。個人的にも、シャツ一枚だけの格好は憧れがあったので、ファンの方にも早く見てもらいたいです。

ーーあごにクリームをつけていたり。

秋元:ついちゃってますね(笑)。いつもの私っぽいですね。

ーーこういう日常的なカットがありつつ、ラグジュアリーな写真も多いですね。

秋元:3年経ったので、大人らしい姿は見せたかったんです。前回は水着がメインだったんですけど、今回はランジェリーをメインにして、大人な表情を見せたいという話は制作前に伝えていました。そういう衣装で好みに寄せてもらったものもいくつかありますね。ただ、沖縄でのカットは、ポロシャツにスカートで、初々しい姿を撮っていただきました。髪の毛も沖縄は少し暗くしたりしているので、パッと見の印象にもギャップを感じてもらえると思います。

■いつものあざとい秋元真夏もたくさん詰められた

ーーたしかに、これまでの乃木坂46の写真集の中でも、ランジェリーカットは多いかもしれないですね。秋元さんは、以前からグループの中でも色っぽさ、みたいな部分も担ってきた方だと思います。

秋元:普段から肩出しの服を着たりとか、たぶんそういうのが好きなんだと思います。乃木坂46にはそういうメンバーもいないので、ファンの方がそれにリアクションしてくれるのも楽しいなって。あとは、こういう口の周りにクリームをつけるみたいな、あざといかなって思うこともファンの方々は大きい器で受け止めてくれるんです。そうすると、私もまた調子に乗っちゃうんですけど(笑)。沖縄の方には、清楚で幼そうに見えるけど、大きめのパーカーだけしか着ていないように見える、みたいなカットもあって。いつものあざとい秋元真夏もたくさん詰められたかな、と。

ーーそういったキャラクターに関しては、どういう経緯で生まれたんですか?

秋元:最初は絶対に乃木坂46っぽくないから、よくないんだろうと思っていたんです。でも、乃木坂46に入る前から、肩出しの服装やミニスカートも好きで着ていたので、特に隠さずに出して言ったら徐々に受け入れていただけて。秋元はそういうキャラだ、みたいに。だんだん衣装でも、肩出しのものを用意してもらえることも増えたし、定着してきた嬉しさはありますね。

ーーキャラではなく素の部分も大きいんですね。外側から見ていると、壁をひとつ壊したかっこよさを感じます。

秋元:そうですかね……でも、何事も続けた方がいいとは思います。「ズッキュン」(秋元の定番フレーズ)も最初は意味がわからなかったと思うんです、誰も。必殺技ってなんだろうって。でも、20歳くらいから永遠にやり続けていたら、今ではファンの方も一番わかりやすいレスになっていて。「ズッキュンして!」っていうボードを持ってくれる方もいるです。今では他のメンバーもやってくれますし、やり続けることの大切さ、諦めちゃいけないんだっていうことを定着した今だからこそ思います。

ーー継続は力なり的な。

秋元:続ければ、勝てるかもしれない、みたいな。

ーーそういう気持ちは、アイドル活動や他の芸能活動、プライベートでも思うことですか?

秋元:思います。認めてもらえない時代もあったんですけど、私があまり心が折れないタイプなので、がんがん続けられちゃうんですよ。そのまま続けて、最後に実りました。

■私が土台を固めていかなければいけない

ーーあと、気になったのは涙を見せるカットです。これはどんな心情から出た涙なんですか?

秋元:これは、2日目の最初の撮影だったんです。撮り始めて、数分後には突然私が泣き出してしまって。その時は、林の中でカメラマンさんとほぼ二人きりの状況だったんですけど、カメラマンさんからも気持ちを開放してほしいというリクエストがあって、別に何かを話したわけではないんですけど、自然と涙が。知り合いがいない海外という環境でもあったし、撮影がキャプテン就任直後だったので、日本で抱えていた悩みや葛藤から一気に開放されたんだと思います。

ーー込み上げてくるものがあったんでしょうね。

秋元:自分でも涙を流すまで気づいていなかったんです。キャプテンという役割に向き合わないといけないという思いが、自分の中ですごく大きかったんだなって。

ーーそんな秋元さんの今が詰まった写真集ですが、改めてどんな一冊になったと思いますか?

秋元:すごくバランスよく、私の8年間が詰めこめたと思います。やっぱり、沖縄とイタリアで撮れたことが大きかったのかなって。実は身近な部分を見せたらって提案してくれたのが秋元(康)先生で。日本で撮影するとなった時に、子どもの頃から家族と何度も訪れている沖縄だと思ったんです。馴染み深い場所は自然な表情も出てきますし。沖縄は乃木坂46加入前、イタリアは後期から現在みたいな一冊になりました。

ーーこういう8年間が詰め込まれた作品ができたことによって、今後の目標や活動も整理されたと思います。

秋元:キャプテン就任直後に撮影がスタートして、そこからこっちに帰ってきて吹っ切れた部分もあるんです。考え過ぎていた部分がなくなって、乃木坂46をキャプテンとして歩む決意が固まりました。私にとって乃木坂46は居心地のいい場所だったんですけど、今はふわふわしている状態というか。私が土台を固めていかなければいけない状況に差し掛かっているとは思います。でも私自身、ずっと挑戦を続けていきたい性格の人間なんで。白石麻衣ちゃんが卒業する今、きっと大きな挑戦がすでに始まっていると思いますが、そんな節目のタイミングにこの写真集を出せて本当によかったです。

ーー白石さんの卒業もありますが、新しい4期生も加入します。

秋元:4期生がようやくグループに馴染んできたところで、新しく5人が入ってくるんです。その子たちにも乃木坂46に馴染んでもらえるように頑張りたいです。キャプテンとして全力でサポートしたいし、メンバーとしても寄り添っていけたらと思います。(泉夏音)

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