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谷賢一がダンスと音楽、演劇で描き出す壮大な叙事詩! KAAT神奈川芸術劇場プロデュース『人類史』 開幕

ぴあ

『人類史』

昨年、福島と原発の歴史を問い直した『福島三部作』で社会問題に鋭く切り込み、岸田國士戯曲賞と鶴屋南北戯曲賞をダブル受賞した劇作家・演出家の谷賢一。演劇界の次代を担う存在として注目される彼の新作舞台『人類史』が10月23日(金)よりKAAT神奈川芸術劇場にて開幕する。その作品のキャッチコピーには“人類200万年の歴史を2時間で駆け抜ける!”とあるが、一体どんな作品なのか?

その内容を谷は「『人類史』とは大きく出たが、要は人類がどう成長し、繁栄して来たかを描く一つの成長物語。なぜ人類は他の生物を圧倒し得たか? どのように文化やコミュニケーションを発展させてきたか? その変遷をエラ・ホチルドの振付によるダンスと志磨遼平(ドレスコーズ)の作曲による音楽、そして演劇で描き出す」とコメントする。

舞台は今から約200万年前。まだサルの一種に過ぎなかった人間は、肉食動物に追い回され、両手両足を使って地べたを這い回り、木の実や虫を食べて暮らしていた。それがある時、二足歩行を始めたことで道具・言語・火などを手に入れ、またたく間に文明を開花させ動物界の頂点に。やがて高度な社会を形成し、ついには科学の力により宇宙の仕組みにまで到達することになるが、その驚異の発展を支えたのは“想像力”、見えないものを見る力だった……。

物語は、数万年単位で時間を跳躍しながら進んでいき、どの時代・どの場所にも、同じ顔・姿をした若い男、若い女、老人が登場する。この3人を演じるのは、東出昌大、昆夏美、山路和弘だ。200万年の時間経過の中で様々に移り変わっていくキャラクターを演じわけ、その存在感を活かし物語を牽引する東出、数々のミュージカルで活躍し、今作で演劇作品に本格的に挑戦する昆、そして高い演技力と舞台での安定感に定評のある山路。ほか、演劇と身体表現を融合させる試みを体現する重要な役割は、谷と振付のエラがオーディションで選んだ16名の俳優・ダンサー達が担う。言葉・身体・音楽を駆使して描き出す、人類の歴史を紐解く壮大な叙事詩。ダイナミックな新しい演劇の誕生に期待したい。

KAAT神奈川芸術劇場プロデュース
『人類史』
作・演出:谷賢一
音楽:志磨遼平(ドレスコーズ)
振付:エラ・ホチルド
10月23日(金)~11月3日(火) 会場:KAAT 神奈川芸術劇場 ホール

文:伊藤由紀子

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