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峯田和伸(銀杏BOYZ)のどうたらこうたら

【モテる女性の法則②】絆創膏の萌えポイントと、好みの乳首でない場合

毎週連載

第136回

今週も【モテる女性の法則】の続きです。

前回「ナチュラルが良い」って話を少ししたけど、一方で、女性がよくやっているネイルがあるでしょう。すごいこだわってさ、爪に虹とか星とかを描いてデコってる女の人がいるじゃん。僕自身はああいうことに特に思うところはないけど、「ごまかすな。どっちか選べ」と言われたら、僕はやっぱりナチュラル派。普通の爪の人のほうが好きなんだよね。

爪のお手入れをすること自体は悪いことでもなんでもないけど、あまりにもしっかりネイルの手入れをされてるとさ、完璧すぎてちょっと引く感じがあるんですよ。それに比べれば爪が割れちゃっていたり、あかぎれしちゃってる感じのほうが良くて、よっぽど萌えるんだよね。

あとは「絆創膏をしてる」とかもグッとくるよね。

……え、絆創膏ヘン? いやグッとくるでしょう、絆創膏は。

まっさらな手と違ってさ、「絆創膏をしてる」ってことは「怪我しちゃった」っていう後ろめたさ、自信のなさがある。その後ろめたさを感じ取った男はさ「俺がその指を治してみせる!」みたいな気持ちになり、やがて好意に繋がっていくんですよ。オーバーでもなんでもない、マジの話ですよ。

だってさ、「五体満足で、なんならオッパイも大きい」「顔も良くて、髪も綺麗で、足も長い」みたいな人って完璧で入り込む隙がなさそうじゃない? あるいは「私は完璧なのよ」っておごってそうに見えたりして、つい遠慮する男って多そうじゃない?

それに対して、絆創膏っていうのはさ「完璧ではない」「何か足りないところがある」っていうことを象徴する言わばアイコンみたいなもので、男はそこにグッとくるもんなんですよ。ですのでもしこれを読んでる女性で「モテたい」と思う女の人がいたら、わざとあかぎれさせたり、絆創膏を貼ってみるのもひとつの手段だと思います。

ところでさ、仮に人柄も優しくて顔も綺麗で、スタイルも良い女の人と付き合うことになったとするじゃん。なんだけど、いざ裸になってみたら、その超理想の女の人の乳首が自分好みのそれじゃなかったら男はどうするんだろうね。

例えば「乳首が真っ黒だ」「乳首が陥没していた」「左右の乳首が非対称すぎる」「もはや乳首がない」とかなんでも良いんだけどさ、すべてが通じ合う人だと思っていたのに、体のたった一部分、それも乳首だけが自分の好みとまるで違うの。

これ、逆に女の人の立場でたとえても良いよ。「私を一生守ってくれるのはこの人しかいない!」「この人の子どもを生みたい!」と思った男のチンポコが「すげー臭い」とか「鉛筆くらいの太さしかない」とか「フニャフニャだ」とかだったらどうするんだろうね。

僕自身、もしこんな場面に迫られたら、その苦手な乳首を愛せるように自分自身を変える努力は120%やる。それくらいの度量はあると思ってるし、そもそも僕は世の中のことを全部肯定したいからね。どんなに変わった乳首でも受け入れる努力は絶対にする。そもそも、僕自身だってダメなところはいっぱいあるしね。「おめえの乳首はおかしい」「そんなの人間じゃねぇ」なんて言える立場でもないからね。だから、どれだけ普通じゃない乳首だったとしても受け入れ、好きになるように努力する……これは僕自身の信条なんですよ。

たださ、ここからは信条とかとは違う正直な話になるけど、そういう変な乳首を愛せるようにがんばろうと思う一方で、「その変形乳首を、一生愛し続けられるか」と問われれば、正直自信はないんだよね。当初の「この乳首を愛し続けるぞ」っていうがんばりもさ、いつか薄れていって「やっぱダメだ。この乳首愛せない」みたいになるんだろうなとも思うの。

そう考えるとさ、モテる・モテないとか言っておきながら、生まれながらにして、その人の運命ってすでに決まってると言えなくもないんだよ。「乳首がデカすぎる」とかなら手術とかで解決できるかもしれないけど、もっと大変な欠陥があった場合、本当に酷な話だけど、どれだけ中身が綺麗な人でも、人と結ばれる幅は狭まってしまうと思う。

これは差別でもなんでもなくリアルな話だと思うけど、でもさ、ここで逆説的に僕が言いたいのは、だからこそ女の人は外見にコンプレックスを抱いたり、あるいは長所を「過度に良く見せよう」なんてしなくて良いんじゃないかってこと。

どっちにしたって今世では、その容姿、その性格で生まれ落ちたんだから、そのままで良いと思うんだ。これもまたナチュラルの良さですよ、まさしく。またさ、そうやって変に自分自身を盛ったり「良く見せよう」と背伸びするよりも、むしろ「素の自分」のままでいるほうが、自然と「自分に合う」人と出会う可能性が上がるかもしれないんじゃないかと思うんだよね。

だからと言って「ナチュラルで良いんだから、その変な乳首ずっと出しとけ」ってことではないよ。でも女の人は「素の自分」にもっと自信をもって良いんじゃないかと思います。

ということで来週も【モテる女性の法則】、まだまだ続きます。

7月11日から8月3日まで、シアターコクーンで開催される三浦大輔作・演出の舞台『物語なき、この世界。』に出演します!

構成・文:松田義人(deco)

プロフィール

峯田 和伸

1977年、山形県生まれ。銀杏BOYZ・ボーカル/ギター。2003年に銀杏BOYZを結成し、作品リリース、ライブなどを行っていたが、2014年、峯田以外の3名のメンバーがバンド脱退。以降、峯田1人で銀杏BOYZを名乗り、サポートメンバーを従えバンドを続行。俳優としての活動も行い、これまでに数多くの映画、テレビドラマなどに出演している。


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