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Clean Banditの形式に捉われない自由なライブスタイル 大所帯バンドで見せたZepp Tokyo公演

リアルサウンド

19/6/10(月) 18:00

 Clean Banditの来日公演が、5月22日にZepp Tokyoで開催された。

 Clean Banditは、グレース・チャトー(Vc)、ジャック・パターソン(Ba、Sax、Key)、ルーク・パターソン(Dr)からなるイギリス出身の3人組エレクトロユニット。昨年11月には、2ndアルバム『What Is Love?』リリースを記念して、京都の東福寺でローンチイベント『LIVE FROM KYOTO ~古都から世界へ』を開催し、今回およそ半年で再びの来日。日本のファンの期待に応える形で行われた、東京、大阪を巡る2都市3カ所の公演だ。

 Zepp Tokyoでのライブはアンコールを含め19曲、約70分。時間的には短いものであるが、『What Is Love?』の楽曲を中心としたヒット曲のオンパレードに終演後のフロアは充足感で満ち溢れていた。今回のライブは、昨年の来日の際と同様、「24 Hours」でボーカルとして参加しているヤスミン・グリーン、「We Were Just Kids」に参加しているカーステン・ジョイがゲストボーカルとして帯同。加えて、ステファニー・ベネデッティ(Vn)、サム・スキロー(Ba)からなる7人組の大所帯バンドでパフォーマンスが繰り広げられた。

 Clean Banditはこれまでデビューアルバム『New Eyes』、2ndアルバム『What Is Love?』と様々なゲストを迎えてきた。クラシックとEDMを軸にした基盤となるサウンドはあれど、その形態は1曲毎にガラッと姿を変えていく。この日、ライブの口火を切ったのは「Solo」。オリジナルバージョンでフィーチャリングしたデミ・ロバートのパートをカーステンが担当したわけだが、この楽曲を1曲目に持ってくるところに彼らの日本愛を強く感じた。「Solo」の日本版MVは、京都を舞台に祇園や八坂、京都タワー、東福寺、東寺にて撮影されている。先述したローンチイベントの開催も、MV撮影の経緯があってのものだ。舞妓がダンスを踊るシーンは、海外から見た日本の伝統文化のイメージそのもの。Kanye West「Stronger」、Ariana Grande「7 rings」など、親日家が伝わってくるMVは数多くあれど、Clean Banditは2014年にリリースし大ヒットを記録した「Rather Be」でも日本で撮影をしている。その人一倍強い日本愛は、割れんばかりの歓声と拍手、「Solo」のキャッチーなサビであっという間に一体化し応えて見せるオーディエンスが十二分に理解しているはずだ。余談だが、「Solo」は『菅田将暉のオールナイトニッポン』(ニッポン放送)のジングルの一部としても使用されている。

 その後は、メロウなサウンドが印象的な「I Miss You」、富士フイルムアスタリフトホワイトのCMでも馴染み深い「Symphony」、ショーン・ポールとアン・マリーを迎えたレゲエのエッセンスが加わった「Rockabye」と配信リリースされたシングル曲を惜しみなく披露していく。中でも「Symphony」はライブ序盤に大きな盛り上がりを見せた1曲。YouTubeで21億回再生されている「Rockabye」を筆頭に、「Symphony」が8.3億回、「Solo」が6億回、「Rather Be」が5.3億回……と数字でClean Banditの偉大さを示すこともできるが、「Symphony」においては今年3月にイギリス王室一族の前で生披露している。センチなストリングスとハウストラック、カーステンの伸びやかな歌声にライブでは、ファンの大合唱が乗っていく。Clean Banditにとって「Symphony」が「Rather Be」に続く確かなアンセムに成長していることを体感した瞬間だった。

 また、Clean Banditのライブを観ていて印象的だったのは、決まった形式に捉われない自由なライブスタイル。男性陣が後方に、女性陣が前方で会場を盛り上げていくのだが、曲毎にメンバーそれぞれのパートは変わっていく。公式にジャックのパートがベース、サックス、キーボードと複数記載されているのがいい例だ。オリジナルメンバーのグレースが、ボーカル2人から少し引いた場所で演奏しているというのも、ある種このユニットの特殊なポイントであるが、本編ラストの「Tears」では女性陣4人が横並びになり愛らしいダンスステップを踏んだりと、ライブを一番楽しんでいるのはメンバー本人なのではと思わせんばかりのはしゃぎようだ。アンコールでは、日本での買い物で見つけたといううさぎの帽子(TikTokで流行している)を女性陣が、カニの帽子を男性陣が被り、「Rather Be」を披露。最後まで日本愛を感じさせるパフォーマンスと共に、彼らはステージを去っていった。

 「和洋折衷」の言葉が似合うアーティストは、Clean Bandit以上にきっといないだろう。クラシックにEDMを織り交ぜたそのサウンドや、異国の文化を取り込んだMVにも明らかだ。「Baby」にはSEKAI NO OWARIのNakajinがギターに参加しており、今回の来日中、Clean BanditのInstagramにはSEKAI NO OWARIのメンバーとスタジオに入っている様子がストーリーで投稿され、すでにファンの間で話題となっている。その詳細が伝えられるのはまだまだ先のことになりそうだが、また彼らが愛する日本に楽曲を届けてくれるのは確かだろう。

(文=渡辺彰浩/写真=笹森健一)

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