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乃木坂46が聖地 神宮球場で願った“明るい未来” 画面の向こうへエール届けた『シブヤノオト』SPを観て

リアルサウンド

20/8/3(月) 12:30

 コロナ禍により大々的ではないものの、各局の音楽特番が順次放送されており、乃木坂46もその目玉アーティストの1組として出演している。

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 7月18日の『音楽の日2020』(TBS系)を皮切りに、4連休初日の7月23日には『シブヤノオトSPECIAL-みんなでエール-』(NHK総合)、その翌日の7月24日に『ミュージックステーション 3時間半スペシャル』(テレビ朝日系)、8月1日には『HEY!HEY!NEO! MUSIC CHAMP』(フジテレビ系)に出演。日本テレビの音楽特番『THE MUSIC DAY』は秋以降の放送を検討中だ。

 すでに放送済みの番組披露曲は以下の通り。

・『音楽の日2020』
「裸足でSummer」「世界中の隣人よ」

・『シブヤノオトSPECIAL-みんなでエール-』
「何度目の青空か?」「世界中の隣人よ」

・『ミュージックステーション 3時間半スペシャル』『HEY!HEY!NEO! MUSIC CHAMP』
「Route 246」

 『音楽の日』での「世界中の隣人よ」、『ミュージックステーション』の「Route 246」はそれぞれテレビ初披露。『シブヤノオト』は明治神宮野球場(以下、神宮)という乃木坂46にとっての聖地にてパフォーマンスが実現した。

 乃木坂46は2014年から6年連続で神宮での単独コンサートを開催してきた。かつてセンターという名の座長を務めあげた生駒里奈、そしてそのバトンを受け継いだ齋藤飛鳥それぞれの「神宮ー!」という叫び。公式お兄ちゃんであるバナナマン・日村勇紀扮するヒム子を迎えての「インフルエンサー」。神宮と秩父宮ラグビー場の2会場を行き来しながらの「シンクロニシティライブ」。昨年の桜井玲香の卒業コンサート、及び秋元真夏の新キャプテン就任。グループの歴史と成長の記憶が詰まっている神宮は、乃木坂46にとってホームグラウンドと呼ぶに相応しい場所。そのコンサート初年度に披露していたのが、「何度目の青空か?」であった。

 2014年、学業に専念するため活動を休止していた生田絵梨花が、ツアー千秋楽でもある神宮で活動を再開。ヘリコプターで神宮に降り立った生田がコンサート中盤で登場すると、絶叫にも似た歓声が会場に響き渡った。

 事前収録となった『シブヤノオト』でのパフォーマンスは、神宮のグラウンド中央に巨大なステージを設置。当時と比べると3期生が加わり、選抜メンバーも大きく様変わりしているが、一人ひとりが乃木坂46の歴史を背負い神宮というステージに力強く立っている。何よりも、センターの生田は乃木坂46だけでなく、ミュージカル界を代表する存在へと成長を遂げた。まだ少しあどけなさが残る6年前と比べると、凛と立つその姿からは貫禄すらも伺える。

 続けて披露されたのが、新型コロナウイルス感染対策拡大防止の呼びかけ、すべての人へのエールを送る曲として配信リリースされた「世界中の隣人よ」。MVにはメンバーが自宅から歌う様子が神宮のスクリーンにCGで映し出されている。コロナ禍でなければ、きっと今年も神宮にひと夏の思い出が刻み込まれているはずだっただろう。東京ドームで開催される予定であった白石麻衣の卒業コンサートが正式には発表されていないように、今年は毎年恒例の『真夏の全国ツアー』開催日程すら幻となってしまっている。そんな折に実現した今回の神宮でのパフォーマンス。再び白石が神宮に立つという奇跡。「客席は空だったけど、みなさんにもこれを観て、未来でまたこの席に座れるかもしれないなとか、ライブに参加できるかもしれないって想像して元気になってもらえたらいい」という生田のコメントが必ず訪れる明るい未来を想像させてくれる。

 歌い出しはスタンド席にメンバーが立つという無観客だからこそできる演出に。「世界中の隣人よ」は、『乃木坂46時間TV』(ABEMA)にてすでに披露されているが、白石が参加するのは『音楽の日2020』に続いてこれが2回目だ。2番Bメロからは4期生も参加。神がかっていたのが「何度目の青空か?」で止んでいた雨が「世界中の隣人よ」で本降りに変わるという自然がもたらした演出だ。後のMCで久保史緒里が触れていたように、乃木坂46の神宮にとって雨は毎年の付きもの。まるで神宮が「おかえりなさい」と恵みの雨で彼女たちを歓迎しているかのようである。

 また、この日は合唱曲「BELIEVE」が出演者陣で生披露された。伴奏を担当するのは生田。体調不良で姿を見せることのなかった『音楽の日』から、初めてのテレビ出演でもあった。自身のInstagramに「今はまだ、受け止めきれません。そんな強く前になんて進めないけど 渡してもらったものを一生懸命、繋いでいかなきゃ。言葉にできない 抱いているものは全て、自分の人生かけて魂に込めます。」と鍵盤の写真とともに思いを綴っていた生田。時折、涙を浮かべる場面もあったが、少しずつ前を向いているその姿は観るものにエールを送ってくれた。

 『シブヤノオト』を機に、パフォーマンスは「Route 246」へと移り変わっている。正式にメンバーが言及しているわけではないが「Route 246」とは、神宮のすぐ近くを通る青山通り、国道246号を示す。「世界中の隣人よ」「Route 246」に共通しているのは、神宮へと続く希望の未来に向けた思いだ。(渡辺彰浩)

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