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DEVILOOF、L.A bate、ZON……ラウド/メタルシーンにも通ずる関西V系バンド

リアルサウンド

19/1/27(日) 10:00

 今、関西のV系シーンは、個性的なバンドがひしめきあい、とてもエネルギッシュだ。以前、本サイトでも紹介した、ザアザアと甘い暴力はツーマンライブを開催、OSAKA MUSEをソールドアウトさせるほどに盛況だ。キラキラ系パーティロックのビバラッシュや、90年代のV系黄金期からの影響と憧れをストレートに表現するRides In ReVellionなど、V系シーン全体を見渡しても、関西バンドの存在感は大きい。そんな、層の厚い関西V系の中でも、特に粒ぞろいなのが、ラウド、メタルなどのへヴィなサウンドを打ち出すバンドたちだ。そこで本稿では、関西のV系シーンから登場したDEVILOOF、L.A bash all the emotions、ZONの3バンドを紹介したい。

(関連:ヴィジュアル系が「ブーム」から「文化」へ “1999年”がシーンにもたらしたもの

■凶暴なデスコアバンド・DEVILOOF

 DEVILOOFは2015年に結成し、数度のメンバー交代を経て、この3月のワンマンライブから、正式に新体制として始動する5人組。活動初期から“V系とデスコアの融合”をテーマに掲げており、見た目はV系だが、楽曲は本格的なエクストリームメタルだ。ボーカルも、「ESCAPE」など一部の曲には、メロディアスなフレーズもあるが、ほとんどの曲がグロウルとスクリームで構成されている。この過激で重厚なサウンドは、DIR EN GREYやNOCTURNAL BLOODLUST、さらにCrossfaithなどとも通ずるところがあるだろう。また、V系シーンでの活動はもちろんのこと、デスコア、メタルコアバンドが主催するイベントにも出演し、ごく自然にV系シーンとメタルシーンを横断している姿はとても頼もしい。今年はEUツアーも予定されており、さらなる飛躍が期待されるバンドだ。

■ヘヴィロックとトランスのハイブリッド、L.A bash all the emotions

 L.A. bash all the emotions(L.A bate)は2015年に結成、自らの音楽を“クラブコア”とし、ラウドロック、ハードコアにデジタルサウンドを掛け合わせた独自のスタイルを貫いている。その音楽性は、同じく関西出身の、Fear, and Loathing in Las Vegasを彷彿とさせるところもある。

 2010年代、多くのV系バンドが、YouTubeの公式チャンネルに自分たちの楽曲の振り付け動画を投稿しはじめたが、中でも彼らは「ツーステップ講座」を投稿するなど、V系にはまだ定着していないノリをファンに啓蒙する様子が見られる。V系には特有のノリ方があるが、L.A bateのライブに行けば、ジャンルやシーンに関係なく、とにかくラウドな音楽が好きで、暴れたいオーディエンスが、それぞれの文化を持ちよって楽しめる。そんな理想郷を彼らが作り上げる日も、そう遠くないかもしれない。

ミクスチャーやストリートの感性を併せ持つZON

 2015年結成の4人組バンド・ZONの楽曲は、先に挙げた2バンドと比べると、覚えやすくキャッチーな歌が耳に残る。しかし、バックで演奏されているサウンドは、迫力のあるドラムとドロップチューニングの極悪なリフ。特に昨年リリースされた「GAS」は、重厚なラウドロックだ。そのサウンドは、SiMやROTTENGRAFFTY、KNOCK OUT MONKEYのリスナーにも届くであろう力強さがある。

 さらに惹きつけられるのは、それらのラウド系バンドと同様に、ヒップホップなど、ストリートカルチャーをうまくミックスさせるセンスも併せ持つところだ。「check it out」や「We’re」ではラップを取り入れているし、最新のアーティスト写真をよく見ると、ハーフパンツにレギンス、コンバースという装いで、衣装もまるでライブキッズのよう。ラウドシーンとV系シーンの橋渡しとなりそうなバンドだ。

 DEVILOOFもL.A bateもZONも、おそらくV系シーンでなくとも、活躍できる場があるだろう。しかし彼らは、それをV系バンドとしてやることに、意味と価値を見出しているのかもしれない。 そもそもV系のサウンドは、メタルやラウドと近いところにある。メタルフェス『LOUD PARK』にDIR EN GREYやthe GazettEが出演していたり、『LUNATIC FEST.』にROTTENGRAFFTYやcoldrainが出演したことも、記憶に新しい。もともと近い感性を持っているのだから、より共鳴し合えれば、ジャンルやシーンの境目が曖昧になって、リスナー側もどんどん流動的になるだろう。そうなれば、V系だけでなく、メタルやラウドシーンも、より活気付くのかもしれない。そして、彼らがその呼び水となるのではないか。そんな期待を持たせてくれる3バンドだ。(小川あかね)

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