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歌舞伎座 二月大歌舞伎

20/1/31(金)

夜の部の『人情噺文七元結』。 三遊亭圓朝が口演した人情噺を歌舞伎に移した『人情噺文七元結』は、明治35年に五世尾上菊五郎によって初演された。 職人気質で義侠心に富む本所割下水に棲む左官の長兵衛は、大の博奕好き。娘のお久は自分が身を売れば父が借金を返せると吉原の角海老に身を売る。お久の心根を知った角海老の女房は長兵衛を諭し五十両の金を渡すが、その帰り道、長兵衛は身投げしようとした男(文七)を助け、その男に金もやってしまう。女房のお兼とは大ゲンカ。だがその助けられた男、和泉屋手代の文七と主人の清兵衛が礼にやってくる。金も戻り、無事にお久も戻り、お久と文七はめでたく縁結び。 『髪結新三』や『魚屋宗五郎』とはまた一味違う、江戸の市井の人々のドラマが楽しめる。角海老の女房が長兵衛を諭す台詞、そして大川端での長兵衛と文七のやりとりもみどころだ。左官の長兵衛はもちろん尾上菊五郎。 初演時に五世菊五郎は、一人で全ての登場人物を造形する落語から歌舞伎へと作り替えるため、工夫に余念がなかったという。もともとの長兵衛住家の設定だったのは達磨横町だったが、実際に人力車で吾妻橋を通り、芝居の辻褄や見栄えを考えて本所割下水に替えたとか。また本物の左官をつかまえて職業柄のクセや、こてなど道具についてもとことん取材したという。

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