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コロナ禍中に躍進するアーティスト・SHIN、新時代の音楽活動で注目される理由 「すべては歌い続けるために」

ぴあ

SHIN 撮影/奥田耕平

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コロナ禍により大きな打撃を受けた音楽業界で、独自のやり方でファンを獲得、今、勢いを増しているアーティストがいる。シンガーのSHINだ。ヴィジュアル系バンド・ViViDのボーカルとして活躍後、バンドを解散、2年間の沈黙を経て、ソロのシンガーとして復活。音楽のみならず、動画配信などでも注目を浴びている。

2018年12月よりスタートしたYouTube channel『SHINロイドちゃんねる』は自らがリスペクトするアーティストの曲から、最新のヒット曲、懐かしのアニメソングまで様々な曲をカバーし、登録者数10万人を突破。その圧倒的な歌唱力でYouTubeユーザーやカバーしたアーティストのファンからも熱い支持を得ている。

ソロ活動も5年目となり、今年の4月にはNIGHTMAREのギタリスト・咲人とのプロジェクト・SEESAW(シーソー)を結成し、シングル『弾丸アラート』でメジャーデビュー。SHINとしては9月4日にはNintendo Switch Steam向けのロングライト・コアアクションゲーム『METALLIC CHILD』の楽曲を担当することも発表された。まさに“ジャンルレス”に活動し、コロナ禍をものともせず躍進を続けるSHINにその秘訣を聞いた。

歌一本で生きていきたい。すべての活動はそのためなんです。

――前回取材させていただいたのがちょうど2年前でした。(SHIN ゲームオタクな実力派ヴォーカリストの音楽と素顔)コロナ禍になる前だったので、あれから世の中も音楽業界も変化を余儀なくされました。

そうですね。この日常に結構慣れてしまっていて、ずっとこんな感じだった気がしますけど、コロナ禍になってからまだ2年経ってないんですもんね。

――最初は音楽活動もやりづらかったと思うのですが、いかがでしたか?

細心の注意を払っていますけど、やりづらい部分は多いですね…。

――そんなやりにくい中でも、SHINさんは精力的に活動されていて、新しいファンを獲得されている印象です。YouTube『SHINロイドちゃんねる』の登録者数も、Twitterのフォロワー数も2年前と比べるとすごく増えましたよね。

本当にありがたいです。最近はInstagramも始めたんですけど、インスタはTwitterよりも難しいですね。あまりオシャレとかにも興味がないので、何の写真をアップしたらいいのか…(笑)。

――Twitterならテキストで情報を発信すればいいですけど、インスタは写真が必要ですものね。

そうなんですよ。僕、もともとオタク気質なのでTwitterのほうが向いているんですよね。ネタっぽいこと言ったりやったりというのが好きですし。インスタはとりあえず自分の写真をあげているんですけど、服がなくて(笑) 夏は特に、色違いのノースリーブしか着ないんですよ笑。

――でもSNSをとても上手に活用されていると思います。SNSだけでなく、多岐にわたっていろいろな挑戦をされていますが、最近特に印象的だった出来事はありますか?

「人間観察バラエティ『モニタリング』」(TBS)に出演させていただいたことです。YouTubeで歌っていたSIAM SHADEさんの『1/3の純情な感情』の動画を観てくださって、番組の方からがオファーをいただいたんですけど、YouTubeチャンネルを観て、いろいろな方が声をかけてくださるので、やってよかったなって思います。

――テレビもさまざまな番組に出られていますが、テレビ出演は慣れました?

いや、慣れてないです。全然慣れなくて、慣れたいです(笑) テレビもジャンルや内容問わず、オファーしていただいたものは挑戦してみたいと思ってやっています。あとはゲームの曲を担当したいなって思っていたんですよ。そうしたら、ゲームのタイアップをさせていただけることになりました。(※Nintendo Switch Steam向けのロングライト・コアアクションゲーム『METALLIC CHILD』の楽曲を担当)

――YouTubeは戦略があって10万人を超える登録者数を獲得されたのかなと思ったのですが、今工夫されていることはありますか?

いや、こればっかりは…何だったら再生回数が伸びるのか、登録者数が増えるのか、よくわからないんです。本数を出すことはたぶん大事なんですけど、YouTubeだけをやっているわけにもいかなくて、作曲とか自分の音楽活動があるので、バランスが難しいところですね。

――オリジナルの曲も本当に素晴らしいです。この2年くらいで、音楽活動でのご自身の感覚の変化はありましたか?

ありますね。2年前くらいの、ソロで3枚目のアルバムを出したときくらいは、自分の活動に自分の心がついていなかった時期だったんです。今はいい意味で自分の考え方が柔軟になりました。それでも自分が思い描いていたことが100%できているかというと、全くそうではないんですけど、こういう世の中で音楽一本で生活させていただけているというのが、まずは誇りに思うし、ファンの方々に感謝しています。
結果的にSNSに力を入れたことで、ライブができない時期でも僕のことを知ってもらえる、観ていただける機会があることが本当にありがたいことだから、YouTubeもSNSも続けていこうと思っています。

――SNSの使い方は何か、研究されたんですか?

SNSハウツー本はめちゃくちゃ読みました。全部の本が参考になったわけではないんですけど、文章の書き方なんかを勉強しました。あとは、とりあえず僕が面白いと思っている人のTwitterは片っ端からフォローして、文章の内容や、投稿頻度を研究しました。友人にもTwitterの使い方がすごく上手な人がいるので、その人にアドバイスをもらったりも。

――SNSって力をいれると、ずっとスマホを見てることになりそうですね、

そう、だからめっちゃプレッシャーでもあるんですけど、誰かと共有できるストレスでもないんですよね。良い反応ばかりもらえるわけではなくて、悪いことももちろん言われるので。こういう投稿をしたらこういう反応なんだな、とか、トライ&エラーってこういうことなんだなと思います。失敗しながら、成功する方向を模索しています。でも、ライブを演ることに比べたら、SNSの投稿は気楽にできるものなので、そういう意味ではトライ&エラーをライトにできるツールだなと。

――経費もかかりませんしね。

そうですね(笑) でももう少し服は買おうかな! 服に興味を持てるようにします。いつも同じ服ばかり着ているので(笑)

ヴィジュアル系は自分のルーツで置き所。何に挑戦してもそこは残しておきたい。

――音楽活動においては、コロナ禍となり、やはり生配信には力を入れられていましたよね。これも新しい挑戦だったと思いますが、いかがですか?

オンラインライブはこの1年半くらいですごくなじみのあるものになりましたけど、僕はYouTubeという媒体を通して、その前から歌っていたので、オンラインで歌うことは当たり前になっていました。だからとまどいみたいなものはありませんでしたけど、ファンの方々にとっては、有観客でのライブのあの現場の空気は、他では得られない、代えがたいものですよね。本当に有観客でのライブがやりたいですね。

――有観客ライブというところでいうと、NIGHTMAREのギタリスト・咲人さんとのプロジェクト・SEESAWを結成され、4月にLINE CUBE SHIBUYAで有観客ライブをされましたね。SEESAWは始めてみていかがですか?

やっぱり僕の中の音楽のルーツがヴィジュアル系なので、ソロで自分の作りたいものを作ってみて、バンドもやりたいなって思っていたところで、咲人さんと偶然お会いする機会があって。そのときに対バンをしてもらうことになって。その対バンで聴いた咲人さんのソロの曲がすごく素敵だったので、「一度、曲を作っていただくことはできないでしょうか?」って聞いてみたんです。そうしたら快くOKしてくださって、それがきっかけでSEESAWをやることになりました。だから、この活動は僕の中で、ヴィジュアル系というものの置き所みたいな立ち位置になっています。

――置き所とは?

自分の中のルーツですね。僕の中のヴィジュアル系をやりたい気持ちの置き所はSEESAWにしようと、そう思っています。

――「ヴィジュアル系」ってSHINさんの中ではどういうイメージなんですか?

うーん…なんだろうなあ。世間的に見たヴィジュアル系と、僕の中で見たヴィジュアル系とではもしかしたら相違があるのかもしれないんですけど…様式美だなと思います。伝統、みたいな。ずっと文化が変わらないもの。ヴィジュアル系を応援している人も、ヴィジュアル系をやっている人たちも、それが美しいと思ってやっている、そういう場所だから。僕もその美しさや伝統みたいなものに共感して始めたので、僕もヴィジュアル系と名乗り続けられるようにしたいなと思っています。

全てはライブのために。一番大切で最終の目標です。

――SHINさんにとってのアイデンティティーは今、何ですか?

それはもちろん、ライブです。すべてはライブのためにやっていることですから。ライブにお客さんが来てほしい。それが一番で、最終の目標です。

――そのためには曲を好きになってもらわないとだと思います。最近、SHINさんのことを知った方は、まずどの曲を聴いたらいいでしょう?

ソロになってからのファーストアルバム『Good Morning Dreamer』です。人生において、本当にたくさんの時間とたくさんの思いをかけて作った曲なので、これだけは良かったら聴いてみてほしいです。あれを今でも超えられないと思っていて。でも、最近はずっと曲を作っているんですけど、自分の中の新しい扉が開いた感じがしています。『METALLIC CHILD』に提供した曲もすごくいい曲になったと思っていますし。アー写の衣装もゲームっぽくして、衣装もソロでは今まではラフな感じでしたけど、すごく作りこんで撮りました。

――ソロで表現したいことは変わってきているんでしょうか?

めちゃくちゃ変わってきていますね。音楽においてのファーストインプレッションは変わらないですし、自分が好きな音楽はずっと同じなんですけど、これからのソロは、もっと自分の好きなことや好きな音楽を融合して、違った方向にも振っていきたいなって思っています。

――ソロを始めた当初は「自分のやりたい音楽をやっていた」とおっしゃっていましたけど、今は世の中のニーズについても考えるようになったのでしょうか?

そうですね。それはあります。YouTubeでカバーをやっていることがすごく大きいと思います。カバーって今流行っている曲をやるじゃないですか。だから、必然的に今、流行っている曲を聴いてみることになります。僕、カバーを始めるまでは洋楽しか聴いていなかったんですよ。それも昔の。やっぱり自分の好きな音楽が一番カッコいいに決まっている、って思っていたんです。だけど最近、オリコン1位とか、全米チャート1位の曲をたくさん聴いてみるようになって。あ、今ってこういう曲をみんな好きなんだ、自分の好きな音楽とは違うものが流行っているんだなって、そういう曲をたくさん聴いたことが、今のオリジナル曲の作曲にも影響している気がします。

――それは、今流行っているこういう曲もいいな、という?

そう思いました。こういう曲もいいなって。

――ViViDの時代からSHINさんを知っている方々からしたら、こういう曲歌うんだ!ってびっくりもするし、何でも歌えちゃうんだな、とその歌唱力に改めて驚いたりもすると思います。

そうですね、コメントを読んでいると「どの曲を歌っても僕の色になる」って言ってくださる方が多くて、それは嬉しいです。それって、どの曲でも自分はいい感じに歌えるんだってことだと思うので、いろんな意味で、自分の視野が開けました。もちろん歌ってみて難しかった曲もいっぱいあるんですけどね…ボーカロイドの曲は難しいです。キーも高いしメロも細かいし、でもいい曲が多いですよね。

トライ&エラーを繰り返している日々、でもブレないのは「歌うこと以外はやらない」

――いろいろなことに挑戦してみて、今、改めて目指しているアーティスト像はありますか?

うーん…誰か、この人みたいになりたいっていう人はいないんですよね。わからないけど、探り探りでやっているんですよ。さっきも言った「トライ&エラー」です。こういうふうになりたいというビジョンを描くよりは、自分で道を切り開いて、たどり着いた先が自分なのかなって。ただ、そういう手探りの中でもブレないものはあって。「歌を曲げない」ことです。歌うこと以外はやらない。

――歌は毎日歌っていらっしゃるんですか?

相当歌っています。いろんな曲を。今日はこの曲、明日はこの曲、今度は自分の曲、みたいな。

――歌うことが嫌になることはないんでしょうか?

それはないんですけど、曲や歌詞を覚えるのは難しいですね!(笑) あと最近はカフェで作曲や作詞の作業をしています。家で作業できなくて。カフェに入り浸っているから、コーヒーが好きになりました。今までは何がおいしいのかわからなかったんですけど、ブラックコーヒーのおいしさがわかるようになりました。同じカフェにばかり通っていて、家から仕事場に行く感覚なんですけどね。遠出はしないんです。

――あまり出かけないイメージはあります。先日、Yahoo!のインタビューでもご自身が「ニートだった」と表現されていましたね。SHINさんは見た目のビジュアルも含めて、キラキラしたイメージなので、ニートという表現を世間に向けてされるのは勇気がいったことだったのではと思いました。夢が見つからなかったり、仕事が辛くなってしまって、今ニートでいる人たちにも勇気を与えていると思います。

僕は自分が苦しい時期を経験して、人の痛みがわかるようになったなって思うんです。そのあと仕事を再開しても、仕事って基本的には辛いじゃないですか。楽しい、好きなことを仕事にしていても辛いことはある。だから、人の痛みがわかることって大事かなって思います。だから、ニートでいた経験も無駄にはならないと思うし、仕事を始めてみたら、よりそれを感じるんじゃないでしょうか。仕事をしていると自分の信念も芽生えてくるから、人とぶつかることも増えますよね。でもやっぱり働くっていいなって思います。

――好きなことを仕事にするのは覚悟がいりますよね。以前もお友達の結婚式に行かれたときに「お前は自由でいいよな」って言われたというお話をされてましたね。

自由こそ、しんどいんですよね。好きなことをやり続けるってしんどいですよ。楽しいこともあって最高ですけど、その中でもうまくいかないこともあるし、辛いことって絶対あるから。自由でいることがいいこととは限らないですね。

もっと素を知りたい! SHINさんにQ&A!

――ここからはもっとSHINさんの魅力を探るべく、Q&A質問をさせていただきます。朝起きたらまずやることは何ですか?

『遊戯王』のゲームです。頭が冴えるんですよ、カードゲームをやると。めちゃくちゃ考えるので、それで頭を起こすんです。

――お仕事がない、オフの日の一日のルーティンは?

特別仕事がない日でも、曲を覚えたりするので、カフェに行きます。オフの日でも出かけない日はないです。あとはオフの日は本を読むようにしています。自己啓発系が多いかな。今まで自己啓発系って大嫌いだったんですよ(笑) 自分の人生の押し売りはやめてくれって思っていて。でも読んでみたら、やっぱりそれなりに著名な方で、成功されている方の人生を千円くらいで読めるって、いいことだなって思って。自分に合う合わないがあるので、共感できる部分で共感したらいいし、これは何言ってるんだろう?って思うことは受け入れなければいいので。最近は『プロセスエコノミー あなたの物語が価値になる』(尾原和啓/幻冬舎)を読みました。今までは何かを世に出すのってアウトプットだけを見せることが美学で、例えばCDだったら完成された曲を聴かせることが当然だった。でも今は曲を完成させるまでのプロセスを見せて、共感してもらったほうがその曲をみんな、思いを持って聴いてくれて、買ってくれる、という、そんな感じの内容です。

自分がやっていることもそれに近いなって思って。ライブというものに向けて、YouTubeとかいろんな動きをしているので、すごく共感しました。今の時代、そういうやりかた、考え方は大事なんだなと思いました。完成形だけではない、美学というか。

――では、次。自分の長所と短所は何だと思いますか?

長所は頑固なこと。短所も頑固なことです。一つのことに集中すると、本当に他のことが何も見えなくなって、どうでもよくなっちゃうんですよ。人からそういうときに人から。、そうじゃなくてこうしたらいいよ、ってアドバイスをもらっても、100%聞かないです(笑) いや、ちょっと黙っていてもらっていいですか、ってなる。でもそれも、以前に比べたらだいぶ柔軟になった気がしますけどね。ソロの初期のころはもっと尖ってました、ジャックナイフみたいに。周りは全員敵だと思ってました。僕の思想はこれだから!という。
僕はここの信念に向かって生きてきたから、そんなポッと出てきた人にいろいろ口を挟まれたくない、と思っていて。今はそれもいろんな角度から見たらそういう意見もあるな、と聞き入れられる感じになってきました。

――その変化は何がきっかけで?

自分がいろいろなことをやっているからかもしれません。それぞれの分野でのスペシャリストの意見ってあるから。だって、100回『遊戯王』を戦っている人と、2、3回しか戦っていない人とでは、明らかに100回やっている人のほうが戦略が優れているわけで。100回やった人からこういう戦法もあるし、こういう戦法もあるよって教えてもらえるなら、そういう意見を柔軟に聞いたほうがいいのかなって思うようになりました。それを実践するかどうかは、かみ砕いて捉えていますけど。

――では、次の質問です。自分を動物に例えると何ですか?

えー!一番難しい質問かもしれない。親友からは「蛇」って言われます。しつこいから。ひとつのことに対して、蛇のようにしつこいんです。

――最近聴いて、良かったなと思った音楽は?

『ドライフラワー』です。メロも歌詞もグッときますね。ありふれているシチュエーションを歌っているんだけど、ああいうことって誰にでも絶対あったと思うんです。1番が女性目線の歌詞がなのもいいですよね。僕、どっちかっていうと女性脳なので「わかるわ~」って思いながら聴いています。

――女性目線の歌詞の良さがわかるのはアーティストとして強いですね。

でもね、ソロになってから僕、恋愛の曲は1曲も書いてないんです。僕の中で感動したり。自分の心が動く瞬間ってライブだったり、目標に向かって進んでいるときだから、恋愛視点の歌詞にグッときたのはひさびさでした。恋愛とかにあんまり興味がわかなくなってしまって困ったもんです。映画とかドラマも恋愛ものは観なくて、最近観たのは「古畑任三郎」ですし。田村正和さんがかっこよくて、田村さんのオフショット動画なんかも観ています。

――では次。恩師や尊敬する人から言われたことで印象的な言葉は?

言葉…ないかも。でも先生との思い出で言うと、中学生のときバスケ部だったんですけど、その顧問の先生のことはよく覚えています。すごく厳しい人だったけど、すごく好きでした。その人が辞めちゃうとき、女子全員が泣いていて、そのとき男子では僕だけが泣いていました(笑) すごく愛情をかけてもらっていたから。僕、愛情をもらうと愛情で返すんです。その先生には、部活に真剣に取り組んでいなかったときに一発頭をぶん殴られたことがあって、それがすごく印象に残っていて。何も言わずにスタスタスタって来て、突然、スパン!って殴られて。今でもその痛みとか感触を鮮明に思い出せます。そのときは「いってー!」って感じだったけど、今考えたらめちゃくちゃ愛情だったんだなって思うんです。

――では、次の質問。コロナ禍が終わったら行ってみたい国は?

僕、海外にあまり興味がなくて…あ、でもJapan Expoに行きたい! 自分の仕事をサブカルとかゲームのほうにも振りたいから、もう一度フランスとかのJapan Expoに出たいです。

――過去に行った思い出の旅行を教えてください。

うーーーーん‥‥(黙ってしまう)

――修学旅行とかでもいいです(笑)

修学旅行はな~、お腹が痛くなって。遊園地に行ったのに遊べなかったんです。みんな遊んでいて、悲しかった…。あ、あとは、YouTubeを始めようと決めたとき、地元のほうに帰ったんです。そのときのことはよく覚えてます。やってみようかなって思っていたけど、今まで自分がやってきた、すごく作りこんだ世界観と真逆のことをやるわけだから、それを壊す勇気がでなかったんです。悩んでいたら、バンドを始めたてのときに出た諏訪湖での野外フェスのことを思い出して…地元の近くなので、自分の今後を考えるために行ってみたんです。フェスのときのステージのあたりに座って、「俺、本当にこれで良かったのか」みたいなことを湖を眺めながら考えたんです。じーっと座って湖を見つめて「自分のやりたかったこととか、なりたかった俺になれているのか」みたいなことを考えて。結果、「やっぱりやれることはやろう、やらないで後悔するよりはやって後悔しよう」って思って。それでYouTubeを始めたんです。

――ヴィジュアル系のバンドマンがYouTubeを始めるって、ひとつの殻をやぶるようなものですよね。

そうですね。今でこそYouTubeをやる方は増えてますけど、そのときはいなくて。ヴィジュアル系ってさっきも言ったように様式美だから。ずーっと和菓子を作り続けてきたのにいきなりショートケーキを作ることにしました、くらいの方向転換なので。「え?今まで和菓子を作ってきたのに何で急に?」となるだろうなと。「今まで最高の和菓子を作ろうとしてやってきたんじゃないのか」って。それくらい真逆のことでした。

――周りの受け止め方は怖かったと思います。ViViDの曲やそのときのSHINさんが好きな人たちは今でもたくさんいらっしゃいますし。

もちろんいます。批判的な意見は今もありますし。それは当然のことだと思うんですよ。

ただひとつ、僕の中でブレてないのは「最高のお菓子を作る」ということ。それが和菓子だろうがショートケーキだろうが最高のものを。それが僕にとっては「歌」なんです。これだけは一生ブレない。これがブレたら自分は終わりだと思っています。

――では次。来世があるとしたら何になりたいですか?

来世か~。できれば人間がいいので、今、徳を積みたいです。あと一瞬だけ女性になってみたいかな。モテる女性になりたいです。モテてみたい。男性を振り回す悪女になりたいです。

――逆に女性から振り回されたい願望はあります?

ないです! 嫌だ(笑) できれば振り回されたくないです。

――では最後の質問です。今世、絶対に成し遂げたいことは?

音楽でここまでこれたなって思うところにたどり着いて、「ここまで来たな」って思いながら一人で缶チューハイを飲む夜が来てほしいです。大きなことを言うと、もう一回武道館に立ちたいです。

――武道館に立つってどういう気持ちなんだろう?って観ている側からすると思います。

うーん、ViViDで立ったときは若すぎたし、夢みたいだったんですよ。なんか景色がモヤがかっていて、今思いだしても「本当にこれ僕の記憶かな?」って感じなんです。だからそのモヤを取るためにももう一度立てたらいいなって思います。
ただ、バンドで見る景色とソロで見る景色って違うんですよ。ソロで渋谷のO-EASTに立ったときの景色は純粋に感動しました。ソロでしか感じられない感動とか、責任ってあって。だから大きなステージじゃなくても、やっぱりライブがやりたいです。

――ロングインタビューをありがとうございました。最後にファンと読者の方々にメッセージをお願いします。

今日繰り返し言っていますが、僕の中で一番大切にしているのはライブなので、そこに来ていただけるのが一番の幸せです。ライブで皆さんと一緒の空間を作ること、そのためにまだまだ高みを目指していきたいので、頑張っていきます!

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撮影/奥田耕平、取材・文/藤坂美樹

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