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TEAM NACSの新作は“?”とアドリブだらけ! 「このメンバーの“25年”があるからこその企画です」

ぴあ

TEAM NACS 撮影:源賀津己

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今や日本で最もチケット入手困難と言われる大人気演劇ユニット、TEAM NACS。地元・北海道の大学で出会い、今年、結成25周年を迎える彼らと開局30周年のWOWOWが贈る、新感覚エンタテインメント『がんばれ!TEAM NACS』が6月20日から放送・配信される(毎週日曜夜11時、第1話無料放送)。メンバー主演のヒーロー映画を製作? 大物歌手とコラボ? まさかの新メンバー加入⁉ 果たしてこれはドキュメンタリーなのかドラマなのか――。確かなことはTEAM NACS5人の魅力がギュッと凝縮されていて、最後は笑って泣けること。本作の製作について5人にさまざまな想いを聞いた。

――この企画をWOWOWさんから聞いたときの気持ちはいかがでしたか?

音尾 話を聞いたときは、何をどのようにやるのか全く分からなかったのもあって、こちらもアイデアを出して採用されたりされなかったりしながらではありましたので、雲をつかむような感じではありました。実際、撮影中も本当に撮れているんだろうか、果たして使える映像になっているんだろうかと不安ばかりでしたね。いつもセリフがあるお仕事をしていますが、今回はセリフを覚えなくて良かったのは楽でいいなと思いました(笑)。

大泉 最初聞いたときは、方向性と設定はあるけど、セリフ自体はアドリブになることが心配でした。僕らはエチュードをやらない劇団なので、さすがにメンバーともそういう芝居をやった経験がなかったんです。でもやってみたら案外、できるもんで楽しかったですね。後は音尾くんと一緒で、セリフを覚えなくていいのは楽でいいなと(笑)。今回、僕たちがしゃべった量をセリフに起こしたらとんでもない量なので、もしも台本で来ていたとしたら非常に苦労したと思います。今後の仕事、全部これでいいなあ(笑)。

戸次 企画の段階で『山田孝之の東京都北区赤羽』とか『山田孝之のカンヌ映画祭』のテイストだと聞いて、だとしたら絶対にセリフに起こさないでくださいとお願いしたんです。できないから(笑)。で、WOWOWさんが我々のやりたいことを聞いてくださったので、そこで忌憚のない意見を言わせてもらいました。ちなみに新メンバーのオーディションは僕がやりたかったことです。実際、撮影が始まったら一発撮りだったのですごく速かったですし、1回だからこそすごく集中できました。テイクを2回やらなくていいのは本当に嬉しかったですね。普段の芝居と全く違うのが新鮮で、とにかく楽しかったです。

安田 構成・脚本に(『山田孝之の東京都北区赤羽』『山田孝之のカンヌ映画祭』の構成・脚本を担当した)竹村武司さんが入られていて、カメラマンさんなどスタッフも錚々たる方々の下でフェイクドキュメンタリー的な作品を撮るという企画を聞いて、どういう形になるのか全く想像がつかないながらも面白くなればいいなと思っていました。撮影中は想像とは違う形で出来上がりつつある感覚だったんですが、切り取り方や編集でちょっと風変わりで興味深い作品になったと思います。

森崎 まず企画を聞いたときはずっと「?」でした。最初にマネージャーから聞いたときに「何だそれは?」、台本を読んだときも「何だこれは?」、完成作を観ても「何だこれは?」。本当にこれ全9話もやるんですか?って今でも「?」です。誰が観るんだこれって思っていますので、ぜひ宣伝お願いします(笑)。

――皆さんのお人柄が表れている内容だったと思いますが、ご自身に関する見どころを教えてください。

音尾 第1話での私の真剣な監督ぶりをまず観ていただきたい。それとTEAM NACSのメンバーとおしゃべりするときにだけ出てしまう顔ですかね。

安田 私はいろいろなコスプレをしております。馬糞になったり、パンティーを被ったりしているんですけど、それらは全て設定であることを忘れないでほしいです。

森崎 僕が観てもらいたいのはやはり北海道への愛ですね。北海道という広大な土地とおじさんのロマンスを感じ取っていただけたらと思います。

大泉 ネタバレになるので言えないのですが、超ビッグアーティストと私のコラボレーションでの歌唱。それと吉田羊さんとの大人の男女なお芝居。そこをぜひ観てもらいたいです!

戸次 メンバーオーディションの担当者は僕なので、オーディションに懸ける僕のやる気ですね。

TEAM NACSに新たに欲しいのはどんな人材?

――確かにオーディションの場面は爆笑してしまいました。あっと驚く豪華なゲストの方々が続々といらっしゃったのでその感想をお聞かせください。

戸次 テイとしてはTEAM NACSの新メンバー募集のためのオーディションなんですが、もちろんドラマですから、どこまで皆さんが本気なのかはあまり詳しく言えませんけれど(笑)、やっぱり大物ゲストの方々がこの企画に参加してくれたこと自体がとてもありがたいです。この方々がTEAM NACSに参加したいと言ってくれるくらい、僕たちの名前がちょっとは売れたのかなと感じられて嬉しかったですね。

音尾 多くの方がゲストに出ていただきお腹いっぱいでした(笑)。ただ私、ちょっと理由があって包帯を巻いていたので、イマイチ参加しきれていない感じがあって寂しかったです。ちょっと取り残された気持ちでした。

大泉 本当に北海道に縁のある豪華な皆さんにたくさん来ていただいて。いや、中には関係ない方もいらっしゃいましたけど(笑)。僕らが25年やってきたから、これだけ豪華な皆さんが出てくださったんだと思います。お互い北海道にいたけど、昔は中々共演できなかった超ビッグな方々も出てくださって、25年やってきたご褒美だなと思いました。

安田 子供の頃からよく見て親しんでいた大物タレントさんや、こういう仕事をする前から大活躍している北海道出身のアーティストの方たちとお会いできたのが嬉しかったです。

森崎 人生で最も豪華な1日でしたね。これが食べ物だとしたら次から次へととてつもない豪華料理が運ばれてきて、食べ過ぎてあっという間にお腹壊しているなというくらいです(笑)。

大泉 あはははは(笑)。最後は若干、胸やけしていましたね。

森崎 しましたしました。数日間は胸焼けしていて、後を引きましたね(笑)。

――もし本当にオーディションをするとしたらどういう人材がほしいですか?

森崎 そりゃあもう、私たちがちょっとでも楽ができればどういう人材でも欲しいですよ。

大泉 女優さんでしょうね。

戸次 間違いなく女優さんですね。今回、女優さんがいればあんな大変な思いをせずに済んだので(笑)。

大泉 それは(TEAM NACS本公演で今年の最新作)『マスターピース~傑作を君に~』の話ね(笑)。何人がいいだろうねえ。

戸次 15人くらい。それくらいいれば毎日ハッピーかなと思いますよね。

大泉 僕は年上の人に怒られながらやるのも案外好きなので、50~60歳くらいの皆さんに入っていただいて、ボロクソに怒られながら芝居するのも楽しいかなって気がしますね。

戸次 そうね(笑)。

森崎 いいですね!

音尾 僕はBTSのジミンとJ-HOPEが欲しい。ダンスの才能が素晴らしいですよね。

安田 何だろう……、シルク・ドゥ・ソレイユの人かな。サーカスみたいなのができたらいいなあと思って。

大泉 そっち系なのね(笑)。

面白い50歳のおじさんの生態を捉えた“自然ドキュメンタリー”

――『がんばれ!TEAM NACS』を通して5人でいて楽しかったことや、25年続いた理由の一端を発見できたことなどがあれば教えてください。

音尾 25年、TEAM NACSで、この5人でやってきた仕事も非常に多いので、雑談から思い出話までいろいろ話せること話せないことがありまして(笑)。だからひと言、会話を交わすだけでもその裏にいろんなことがあると申しましょうか。映像には全て映りきらないでしょうけれども、映像から感じられる雰囲気に、きっと視聴者の方も25年間をなぜか感じてしまうのではないかなと思いますね。

大泉 アドリブで芝居をしてみて、あらためて強いチームだなと思いました。アドリブではありますが、何となく僕たちの中で25年培った若干の方程式というか暗黙の了解があったりするんです。あ、そのネタ行くのね、だったらこっちはこうしようみたいな、壱ノ型、弐ノ型みたいなことがキレイにハマって面白くできるのは我々しかいないと思うので、そこは自慢できることですかね。そういうことが25年間続いた理由のひとつでもあると思います。例えば舞台のカーテンコールで何の打ち合わせもせずに、長ければ20分間くらい勝手にしゃべって、何となく笑わせられるのはこの5人だからかなと思うんです。そういう人たちとやるのはやっぱり楽しいので、長くやっていきたいと思ったんじゃないですかね。この人たち面白いですから。

戸次 大泉と同じで、中年の役者5人をポンと集めて同じことをやってくれと言われても無理だというのはみんな一様に感じていたと思います。要するに僕たちNACS歴25年のキャリアを積んでいるからできることで、他の役者さんではできない、このメンバーの25年の土台があるからこそのこの企画だったと思いますね。最初は不安でしたけど、やってみたら面白かったですし。

安田 僕の中では結成して最初の10年とその後の15年には何かしらの違いがあると思っています。最初の10年は振り返りやすいけれど、その後の15年は振り返りにくいというか、そこまで密ではない気がして。そういう共通認識がお互いありながら、フィードバックして話すことで阿吽の呼吸ができて面白くなるのかなと思います。

森崎 (宣材の)チラシの写真を見るとこれが25年続けているってことだなと思うんです。他の仲間との集まりでも笑いますけど、この写真を見ると、ああ、こんなに笑ってるんだってしみじみ思うんです。ただ、この企画はけっこうパンドラの箱。私たち25年、酸いも甘いもありまして、中々盤石ではない。3年に1回の本公演がTEAM NACSの本質だとしてもグラグラしているわけです。そこにWOWOWさんが加わってさらに揺れ動いたのかなと。この企画がどう決着するのかは本当に最後まで観てもらわないと分からない。NACSを知る知らない関係なく、ぜひ面白い50歳のおじさんの生態を知っていただく意味でもご覧になっていただきたい。たぶんこういったおじさんの生態を撮るのはWOWOWかEテレだけだと思います(笑)。私としては自然ドキュメンタリーだと思っています。

戸次 あと僕は25年続いた理由は、ひとえに一緒に年を取ろうと決意をしてくれたファンの方々のおかげだと思っています。

安田 確かに。お客様が求めてくださっているからこそ。求めてくださってこの場所にいることの心地良さもありますし、そういう中で出来上がった関係性と環境なのかなと思います。

この人たちとくだらない話をして……イマイチ大人になれない(笑)

――25年の中で1番変化したのはどなただと思いますか?

安田 変わった人は……いない気がしますけどね。どうですかね。

森崎 やっぱり分かりやすいのは音尾くんの髪型じゃないですかね。と言っても全員、大学生のときとは変わっていて、一番はみんなお父さんになったこと。家庭があって守るべきものがあるのは全然違う。ただ、それでも何かをきっかけにあの大学生の頃の演劇研究会の部室の雰囲気にギュンッと戻れるのが僕らの強み。そのときに戻ってこないヤツがいたら、お前変わったなっていう感じだと思います。

音尾 距離感の測り方は変わったかもしれません。それぞれはそんなに変化はないんですけど、やっぱり大人になってから何でもかんでも遠慮なくやっていいわけじゃないんだと理解して(笑)。今なら良さそうだとか、今はダメそうだとか、それぞれが距離をちゃんと見極めるようになりました。

大泉 あはははは(笑)。昔は何しても怒られなかったからね。今はすーぐ怒られるから、絶妙な距離感でやっていますよ。みんなそれぞれ思うことは違うと思いますけど、変わったようで変わっていないようで……。でも下ネタを言ってゲラゲラ笑っているところは変わらないですね。もうおっさんなのにイマイチ大人になれない(笑)。僕も50に近いわけですけど自分がイメージした50歳じゃ全然ないんですよね。それはこの人たちと一緒にいてくだらない話をしているからかなと思うと、あまり変わっていないのかなとも思いますし。よくここまで大学のくだらないノリでやってきたなと感心しますよ(笑)。

戸次 まあ、大泉さんは変わんねえな~って思います。こうしてすごく和を大事にするところが一貫して変わっていない。

大泉 僕は常に世界平和を求めていますからね。これ書いといてくださいね(笑)。

取材・文:熊谷真由子 撮影:源賀津己

スタイリング:九(Yolken)
ヘアメイク:横山雷志郎、諸橋みゆき(Yolken)、白石義人(ima.)、西岡達也、岩下倫之(Leinwand)

【衣装協力】
Suzuki takayuki、EPOCA UOMO、MONSIEUR NICOLE、wjk 、NOLLEYS
その他スタイリスト私物

WOWOWオリジナルドラマ『がんばれ!TEAM NACS』
6月20日(日)から放送・配信
毎週日曜夜11時、第1話無料放送
https://www.wowow.co.jp/drama/original/teamnacs/

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