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「あなたの子どもが人を殺したら、どうしますか?」 内藤瑛亮『許された子どもたち』予告公開

リアルサウンド

20/2/20(木) 12:00

 5月9日公開の内藤瑛亮監督8年ぶりの自主制作映画『許された子どもたち』の予告編が公開された。

参考:山田杏奈が語る、『ミスミソウ』で感じた10代の切実さ 「根底には深い悲しみがある」

 本作は、1993年「山形マット死事件」や、2015年「川崎市中1男子生徒殺害事件」など実際に起きた複数の少年事件に着想を得たオリジナル作品。『先生を流産させる会』『ライチ☆光クラブ』『ミスミソウ』など、その衝撃的な内容により作品が発表されるたび物議を醸す内藤監督が8年の歳月をかけて構想し、自主映画として完成させた。

 とある地方都市。中学1年生で不良少年グループのリーダー市川絆星は、同級生の倉持樹を日常的にいじめていた。いじめはエスカレートしていき、絆星は樹を殺してしまう。警察に犯行を自供する絆星だったが、息子の無罪を信じる母親の真理の説得によって否認に転じる。そして少年審判は無罪に相当する“不処分”を決定する。絆星は自由を得るが、決定に対し世間から激しいバッシングが巻き起こる。そんな中、樹の家族は民事訴訟により、絆星ら不良少年グループの罪を問うことを決意する。

 本作を制作するにあたり、10代の出演者を対象にワークショップを開催し、少年犯罪や贖罪の在り様について共に思索。撮影は2017年の夏から冬、そして2018年春と長期間に渡り行われ、季節による風景の変化や役者の成長を取り込み、作品に広がりが加えられた。

  公開された予告編では、いじめにより同級生を殺してしまう主人公の姿が。一時は犯行を認めるものの、親の盲目的な援助により、加害者である少年は否認に転じ、そして少年審判は無罪に相当する“不処分”を決定する。しかし、「人の幸せを奪っておいて、自分だけ幸せになるつもりか」と刑事に問い詰められるように、ネット社会の現代において加害者へのバッシングは止まらず、加害者家族は徐々に崩壊していく。

■内藤瑛亮監督 コメント
「あなたの子どもが人を殺したら、どうしますか?」
キャッチコピーとなるこの言葉は、オーディションに参加して下さった方に、投げかけた質問です。参加者の多くは困惑した反応を示しました。自分の子どもが「被害者」になることを想像していても、「加害者」になることは想像していなかったのだと思います。いじめに関する事件を目にしたときに、自分の子どもがいじめられる不安を覚えたり、かつて自分がいじめられた経験を想起したり、多くの方は被害者の視点で受け止めると思います。
しかし、いじめは一人に対して大人数が起こす事象なので、自分の子どもは「加害者」になる可能性の方が高いです。あるいは、自分自身はいじめと認識していなくても、かつて誰かをいじめていた可能性もあります。誰しもが加害者性を備えています。
「被害者」になってしまうのではないかと不安を抱えながら、一方で「加害者」になる可能性について避けてしまう。本作はそうした矛盾を描いた作品です。

(リアルサウンド編集部)

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