8日で死んだ怪獣の12日の物語―劇場版―
20/7/29(水)
『8日で死んだ怪獣の12日の物語―劇場版―』 (C)日本映画専門チャンネル/ロックウェルアイズ
樋口真嗣監督原案で岩井俊二監督が映像化した、いわゆるリモート映画である。コロナ禍を逆手にとったリモート・ドラマはいくつも作られてきたが、これはただ漫然とリモートのシチュエーションを用いているのではなく、その“限定性”“小規模性”に岩井監督が積極的な(自主映画的な)ハンドメイド感を見出した、実にたのしげで軽やかなメルヘンなのだった。岩井は撮影から劇中の怪獣の造型まで嬉々とこなしているが、どうしてもちょっとオオゴトになってしまう長尺の商業映画とは違う、あたかも岩井初期の掌篇のような閃きときらめきがあった。あのウルトラセブンのバトルの“時間稼ぎ”“前座”で登場させられた珍妙なる「カプセル怪獣」たちが、あんな仮面舞踏にアダプテーションされるなんて岩井以外の誰が思いつくだろうか!
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