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山崎賢人の“ぬくもり”が観る者の心をほぐす? 『グッド・ドクター』の注目ポイントを紹介

リアルサウンド

18/7/12(木) 6:00

 7月12日22時から、山崎賢人主演の木曜劇場『グッド・ドクター』(フジテレビ系)がスタートする。本作は2013年に韓国、2017年に『グッド・ドクター 名医の条件』としてアメリカでも放送されたドラマを原作に、日本の現状に合わせてリメイクしたメディカル・ヒューマンドラマ。先日行われた完成披露試写で一足早く第1話を鑑賞した筆者が、その見どころを紹介したい。

【写真】子どもたちと接する山崎賢人『グッド・ドクター』第1話

 山崎演じる主人公・新堂湊は、自閉症スペクトラムでコミュニケーション能力に障害がある一方で、驚異的な暗記力を持つサヴァン症候群の青年。幼い頃から医師になることが夢だった湊は、研修医として小児外科の世界に飛び込むことになる。湊は大学を首席で卒業するほどの実力の持ち主だが、子供のように純粋な心を持つため“大人の事情”というものがわからない。人の心を慮ることができずに思ったことをストレートに口にしてしまうため、周囲との衝突やさまざまなトラブルを起こしてしまうのだ。

 大きな見どころとしては、やはり山崎の演技だろう。山崎の直近の連ドラ出演といえば、今年1月~3月に放送された『トドメの接吻』(日本テレビ系)だが、ここで演じたのはナンバーワンホスト・堂島旺太郎。金にしか興味のない旺太郎の見事なクズっぷりが大きな話題となる一方で、壮絶な過去からの解放や、本当の愛を知ったことで大きく変化していく感情を細やかに演じきり、役者として評価されることとなった。

 最近では、『陸王』(TBS系)で自分が本当にやりたいことを探りながら悶々とする就活生、映画『羊と鋼の森』ではひたむきで繊細なピアノ調律師役なども好演してきた山崎だが、それでも旺太郎のように派手な若者や、少女マンガの実写化で描かれる王子様といったキラキラとした印象が強いのではないだろうか。だが、『グッド・ドクター』が始まってすぐに映し出される山崎は、そのイメージと相反する。湊は落ち着きのない手の動きが特徴的であるが、瞳の動きや表情だけでも自閉症の医師という難しい役どころを自分自身に落とし込んでいることがよくわかる。障害がある主人公のドラマであれば間違いなくその演技に注目が集まることとなり、大きなプレッシャーがかかる。それを乗り越えて本役柄に挑む、山崎の決意が伺えるオープニングである。

 日本でサヴァン症候群の主人公が描かれた作品には、中居正広主演ドラマ『ATARU』(TBS系)がある。同作は、中居演じる“チョコザイ”の特殊能力を生かして事件を解決へと導くミステリードラマであったが、今作の主人公は医師。医師は病気を治すことだけでなく、同時に患者に寄り添う力が必要とされるから難しい。第1話でも障害があるというだけで偏見にさらされる場面が登場するが、「すべての子供を大人にしたい」という湊のまっすぐな姿勢は果たして否定すべきことなのだろうか。本当によい医師=グッド・ドクターとは何なのか。湊の透き通った瞳が尋ねるこの問いが、物語の最大のテーマとなっていく。

 湊の指導医である瀬戸夏美を演じる上野樹里は、2年半ぶりの連ドラ出演。湊を弟のようにかわいがる夏美は、湊にとって良き理解者であることはもちろん、湊に対する厳しい風当たりを柔らげる存在でもあり、視聴者の心の拠り所にもなりそう。一方、藤木直人演じる高山誠司は、湊を受け入れることを真っ向から拒否している小児外科のエース。第1話では湊を邪魔者扱いする高山だが、今後、湊と接することで変わっていく心模様に注目したい。ほかに、浜野謙太演じる看護師の橋口太郎も良い味を出している。浜野は『花のち晴れ~花男 Next Season~』(TBS系)で演じたバンドマンのミータン役も記憶に新しいが、今作でも独特の存在感を放ち、また多くの人々の心を掴むことになりそうだ。

 『グッド・ドクター』は医療モノとはいえ、天才外科医の華麗な執刀や院内の派閥争いなどが物語の本質ではなく、ピュアな青年に周囲の人々が感化されていく様子を描く物語。山崎が渾身の演技で表現する湊の“ぬくもり”が観る者の心をほぐす、温かな木曜夜がいよいよ幕を開ける。

※山崎賢人の「崎」は「たつさき」が正式表記

(nakamura omame)

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