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川本三郎の『映画のメリーゴーラウンド』

森田芳光監督『僕達急行 A列車で行こう』の話から、鉄道模型、フィルム・ノワールの逸品…、最後は小津安二郎監督の『麦秋』につながりました。

隔週連載

第39回

19/12/10(火)

 森田芳光監督の遺作となった『僕たち急行 A列車で行こう』(2012年)は、鉄道好きの二人の若者の物語。
 松山ケンイチ演じる不動産会社の社員が、東京から福岡に転勤になる。瑛太演じる東京の町工場の息子が、福岡に松山ケンイチを訪ねる。
 鉄道好きの二人は、一日、九州鉄道の旅に出かけて行く。行き先は、久大(きゅうだい)本線の(久留米~大分)の豊後森(ぶんごもり)駅(大分県)。
 この駅は鉄道ファンに人気がある。蒸気機関車の時代、ここには大規模な機関庫があり、いまは使われなくなった扇形機関車が廃墟のままに残っているため。転車台もある。
 鉄道ファンには絶好の撮影場所になっている。二人はここで、もう一人の鉄道ファンに会う。ピエール瀧演じる製菓会社の社長。二人は、同じ鉄道好きということでこの社長に気に入られ、自宅に招待される。
 行ってみて驚く。大きな部屋いっぱいに鉄道ジオラマが作られていて、模型の列車がそのなかを縦横に走る。二人はそのスケールの大きさに圧倒される。
 この鉄道好きの社長は、本業より趣味の鉄道のほうが好きなのかもしれない。

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