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いま、最高の一本に出会える

超特急、新たな試みも見せたファン感謝祭の枠を超えた全力ステージ 8月8日パシフィコ横浜公演レポ

リアルサウンド

19/8/12(月) 18:00

 現在、念願の“全国開通”を目指し、約10万人を動員する全国ツアー『EUPHORIA 〜Breakthrough, The Six Brave Stars〜』を行っている超特急。ツアーも終盤にさしかかった8月8日は、彼らと彼らを支える8号車(超特急ファンの愛称)にとって特別な“8号車の日”だ。それを記念して、8日と翌9日開催のパシフィコ横浜公演は、同ツアーのどの会場とも違う特別編成で行われた。本稿では8日の模様をレポートする。

 メンバー5人が影ナレをリレーで担当し、開演前からお祭りムード満点だったこの日。オープニング曲「Burn!」では、しょっぱなからメンバーが客席に登場! 「年に一度の8号車の日、最高の記念日にしようぜ!」(ユーキ)などと煽りつつ、1~3階までをくまなく盛り上げるメンバーのテンションに、会場も瞬時にヒートアップ。リーダー・リョウガの誘導で落ちサビ部分をメンバーと8号車が合唱するくだりでは、早くも会場に一体感が生まれていた。

 ファン人気の高い「No.1」では、ボーカル・タカシの〈8号車、愛してるで!〉のセリフにも大きな歓声が上がった。そして鉄板の盛り上げ曲「超えてアバンチュール」では、間奏での「8号車、ヘドバンの時間だー! みんなそのペンライト、思い切り振ってみろよ!」(ユーキ)の煽りに、客席も一丸となってヘドバンタイムへ。センターのリョウガの変顔で笑わせたかと思いきや、クールなナンバー「Booster」へと移るジェットコースターばりに落差のある構成にも唸らされる。スモークが煙る中、唇をなぞるような仕草を見せるタクヤなど、セクシーなメンバーの表情にも黄色い悲鳴が上がった。

 ツアーのテーマ曲であるファンキーな「Hey Hey Hey」付近からは、歌・ダンスともにパフォーマンスのキレが加速していった印象だ。ダンスブリッジでは、各メンバーがタクヤの側転やユーキのアクロバットなどを含めたソロを披露。ボーカルのタカシも他のレパートリーにはない同曲ならではのグルーブを自然に表現しており、4月から始まった長いツアーの中での成長ぶりを感じさせた。

 各メンバーの自己紹介では、現在休養中の6号車・ユースケの‟口上”をメンバー全員で担当する一幕も。ライブをひと際盛り上げるパワフルな彼の不在はなんとも残念ではあったが、楽曲中のユースケのパフォーマンスを5人が兼任で担当したり、ソロ部分で彼のメンバーカラーである黄色のライトでステージを照らすなど、さまざまな形で溢れる‟ユースケ愛”を伝えていた。

 「外よりもこの会場の中をめちゃめちゃ暑くしたい。最高の夏の、最高の8号車の日にしましょう!」(カイ)の曲振りでスタートしたのは、キラキラ感のあるポップな「Summer love」だ。客席に投げ込まれた巨大なピンクのバルーンや、メンバー全員の投げキッスにも怒涛の盛り上がりを見せた会場。同じサマーソングでもギラギラとした魅力を醸し出すファンキーな「Make it hot!」から、さまざまなテイストのダンサブルなナンバーで構成されたメドレーがスタートした。同ツアーでは、たとえばこのメドレーの「Shake body」で、本来はタクヤ担当の“beauty”ポーズを他のメンバー(この日はリョウガ)が担当するなど、あえての‟番狂わせ”なパフォーマンスが多数組み込まれており、ついニヤリとさせられる。賑やかな楽曲が続く中で、タカシのファルセットが幻想的に響き、カイとユーキ、リョウガとタクヤがそれぞれシンメトリーなダンスで魅せる「Fashion」のスタイリッシュなパフォーマンスにもハッとさせられた。

 ここでペンライト消灯の合図が出され、同ツアーのハイライトの1つであるレーザー演出のコーナーがスタート。一人ひとりがマジシャンの如くレーザーを操り“光を統べる”ようなパフォーマンスや、ダンスユニット・AyaBambiの活動などで知られる仲万美の振付によるしなやかなダンスで魅了していく。お祭りめいた空気からぐっとパフォーマンス推しにシフトする、この緩急の付け方も今の超特急らしい。彼らのダンスナンバーの中でもハイレベルな密度を誇る「need you」では、超特急の歴史を辿るように各メンバーのセンター曲の振付がコラージュされ、その熱量に会場全体がぐっと引き込まれていく。デビュー曲のMVで小道具として使われたバラの花が、エンディングでユーキの足元に落ちてくる演出にも大きなどよめきが上がった。

 そして同ツアーのもう1つのハイライトといえるのが、メンバーによるペアパフォーマンスのコーナーだ。「Beautiful Chaser」ではリョウガが奏でるピアノをバックに、同曲から派生した衝撃作品『Beautiful Chaser Music Story Film』の世界を彷彿とさせる鬼気迫るパフォーマンスをユーキが展開。静謐なバラード「霖雨」では、ウェットで情感溢れるタカシの歌声と、時折声を上げながら表情も含めて深い悲しみの中に舞うタクヤの組み合わせで鮮烈なパフォーマンスを見せた。その空気を一変させるかのように、往年のアイドルのようなテンションでカイとリョウガのコンビが舞い踊る「LIBIDO」にも、この日一番の歓声が上がった。

 全員がピンクにユースケのイメージカラーの黄色のモチーフをあしらった衣装に着替え、再び客席に下りた「HOPE STEP JUMP」では、〈ガッタンゴットンONLY YOU〉など、8号車のコール部分をメンバーも合唱。この段階ですでに会場の空気感はクライマックスに近いレベルに達していたのだが、ライブはさらにここから怒涛の終盤ブロックへ。間奏の小芝居パートでユースケが大活躍する「SAY NO」では、「俺の出番だぁ!」とタクヤがメンバーを蹴散らし、腕立て伏せをさせるドSな教官(?)としてステージを盛り上げた。初期ナンバー「Believe×Believe」では、もはやリョウガのお家芸といえる完璧な白目に爆笑が起こっていたが、エンディング部分に各メンバーのクールなダンスソロが挿入されるなど、その畳みかけ具合にも圧倒された。同曲エンディングのリョウガのセリフ「お楽しみは、これからだ!」を途中からユーキが奪う形で、ユーキのセンター曲「Kiss Me Baby」へと突入。メンバーの投げキッスなどでも大いに盛り上がる同曲に続けて、ソカのリズムが心地いい「浮つきWAVES」へ。8号車がタオルを掲げて作るウェーブでさらに一体感が生まれたところで、超特急のトレードマークといえるナンバー「バッタマン」が投入され、会場の熱気はピークに。先日行われたメンバーのインタビューでは、同曲が「かなりの難関」ということだったが、ユースケの十八番である“奇声”をメンバーがかわるがわる担当するのも、レアな試みといえる。

 怒涛の展開が続いたが、ここでユーキから「6人体制になってから、いろんなことを乗り越えてきました。ユースケが休養に入って、スタッフや8号車の皆さんにたくさん心配をかけたと思います。それでも、夢は叶えなければいけないものだと僕は思っています。その夢は、今まで通りみなさんを東京ドームまで連れていくこと。そのためには誰一人欠けてはいけないと思います。ユースケ、メンバー、もちろん8号車のみんなも」という、真摯なメッセージが伝えられた。そしてステージは現体制の始まりの曲でもある「a kind of love」へと移っていく。スクリーンにはこれまでのライブなどでのショットが多数映し出され、さまざまな思い出がフラッシュバックした8号車も多かったことだろう。タカシが歌詞を〈この先の未来 ユースケと歩いていきたい〉と歌い替え、温かなムードの中、本編が終了した。

 アンコールは、昨年末のツアー『GOLDEN EPOCH』大阪公演でも披露された「8号車との歌」でスタート。ユースケが作詞・作曲・振付に参加した同曲は、キッズダンスのような愛嬌あふれるパフォーマンスがポイントで、各メンバーカラーのペンライトに、リョウガが差し出した8号車のカラーであるピンクのペンライトを組み合わせて8の字を作るエンディングが、まさにこの日にふさわしい一曲となった。

 「今日は6人で迎えたかったというのがメンバー、スタッフ、8号車の気持ちだと思います。8号車とユースケと一緒に、これからも長い旅を続けていけるように……」というカイの曲振りで、「gr8est journey」へ。これまでに何度もパフォーマンスしてきたであろう同曲を丁寧に歌い踊る6人の姿も、この日のステージの中で強い印象を残した。隣の席の人と“連結”する振付などでおなじみの「走れ!!!!超特急」でアンコールを終えた5人は「6人で戻ってくる日を、キリンのごとく首を長くして待っていてください」(カイ)、「来年の今日はフルメンバーで迎えて、もっともっと最高の日を過ごしたいと思っていますので!」(リョウガ)などと、8号車へのメッセージを伝えていた。そこからのWアンコールで、5人がユースケの顔がプリントされたTシャツ姿で登場し「超特急です!!!!!!!!」を熱唱、暴れに暴れまくるというのも、お祭りらしい締めくくり方だったように思う。

 これまでのライブで育んできた賑やかな楽曲たちはもちろん、レーザー演出やペアパフォーマンスといった新たな試みを組み合わせ、エンディング付近には本日の主役でもある8号車はもちろん、これまで人一倍8号車を気遣ってきたユースケへの愛を込めた楽曲をも盛り込み、現在の彼らが体現できるMAXボリュームのパフォーマンスを展開したこの日。単なるファン感謝祭の枠を超えた全力感にも、現在の彼らのモチベーションの高さが感じられた。次なる年またぎのアリーナツアー『Revolución viva』についてもアナウンスされ、ますますこれからの彼らの活動に期待が膨らむエンディングとなった。

(取材・文=古知屋ジュン/写真=米山三郎、深野輝美、笹森健一、小坂茂雄)

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