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マスク姿の高校生10名が“未来”問いかける、松原俊太郎×スペノ「ミライハ」

ナタリー

高校生と創る演劇「ミライハ」公開稽古より。

高校生と創る演劇「ミライハ」の公開稽古が、10月31日に愛知・穂の国とよはし芸術劇場PLAT アートスペースで実施された。

“高校生と創る演劇”は、穂の国とよはし芸術劇場PLATによる、東三河地域を中心とした高校生とプロの演出家・スタッフによる舞台プロジェクト。その第8弾となる今回は、松原俊太郎の書き下ろし戯曲「ミライハ」を、小野彩加、中澤陽によるスペースノットブランクが高校生と共に立ち上げる。

高校生スタッフによる開場アナウンスが行われたあと、舞台上には10人の高校生キャストがマスク姿で現れる。彼らは、蛍光ピンクのラインと役名がプリントされた白い衣装に身を包んでいた。衣装は1人ひとりデザインが異なっており、それぞれの個性の違いをルックスからも感じさせた。

「ミライハ」のタイトルは、20世紀初頭にイタリアで起こった芸術運動である未来派と、高校生たちの未来を問いかける「未来は……」の両方を絡めて付けられた。劇中では、合計10個のエピソードを、キャスト全員が1人1エピソードずつ“主人公”となり、語っていく。各主人公は大学生や社会人など、演じる彼らより少し“大人”であることが多く、またエピソードの中では、DVやジェンダー問題、外国籍の人が抱える問題など、現代日本の社会問題が描かれていた。

松原のテキストはリズミカルでポップで、高校生たちは「ミーラーイー、ハッ!」「ぜってー死なねえ!」といったキャッチーなセリフを楽しそうに発する。スペースノットブランクは、そんなテキストの“音あそび”的な性質を生かし、時に歌うように、時に踊りを交えながらセリフを発語させ、言葉の持つイメージを豊かにふくらませていく。

印象的だったのは、ラスト間近の、キャスト全員がひたすら踊り続けるシーンだ。時計の動く針を表したようなもの、クラウンチングスタートのポーズを模したものなど、“進む”ことを彷彿とさせる動きが多く、流れる時の中で今を生きる高校生たちがマスクを付けて必死に踊る姿に、“役”ではなく“コロナ禍を生きる高校生”としての、等身大の彼らの姿を見た。

本公演は11月6・7日に同会場にて。なおすべての回で、スペースノットブランクと高校生のキャスト・スタッフによるアフタートークが実施される。

高校生と創る演劇「ミライハ」

2021年11月6日(土)・7日(日)
愛知県 穂の国とよはし芸術劇場PLAT アートスペース

作:松原俊太郎
演出:スペースノットブランク(小野彩加、中澤陽)
高校生キャスト:井上楓花、犬塚陽菜、今村絆那、遠藤伶佳、川喜田涼真、佐々木虹、鈴木莉央、成瀬結、古田英、横井和華
高校生スタッフ:片山史博、白井里音、塚本乃樹、彦坂奈生、松木千夏、山本千裕

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