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SASUKEが明かす、新しい地図への提供曲制作や作曲手法「誰も気づかない細かいことをやってる」

リアルサウンド

19/10/30(水) 18:00

 次世代クリエイターを育成する『ミュージック・プロデューサーズ・アカデミー』が10月に開講。ゲスト講師にSASUKEを迎えた10月度第3回の講義が、10月18日に神奈川・洗足学園音楽大学で行われた。この日は音楽プロデューサーの浅田祐介氏をモデレーターに、ゲスト講師としてSASUKEが登壇。同講義だからこその、非常に貴重で濃密な時間になった。

Ableton LIVEの実践的使用法をレクチャー

 この『ミュージック・プロデューサーズ・アカデミー』は、タワーレコードが主催する“タワーアカデミー”と一般社団法人日本シンセサイザープロフェッショナルアーツ(JSPA)が共同で開催。CharaやCHEMISTRYなどを手がける音楽プロデューサーの浅田祐介氏をモデレーターに、10月から12月にかけての3カ月連続で毎週開催。月ごとにテーマが変わり、そのテーマに沿ったゲスト講師を迎えて行われる。10月のテーマは“アーティスト”で、実績のあるアーティストの作曲方法や考え方などを公開し、コンペに通るデモ作りのノウハウを学ぶというものだ。

 10月度第2回のゲスト講師DÉ DÉ MOUSEに続いて、第3回のこの日は、昨年中学生にして新しい地図 Join ミュージックへ楽曲「#SINGING」を提供して話題を集めた、現在16歳のクリエイター・SASUKEが登壇した。注目クリエイターだけに浅田も興味津々で、まずは気になっていたことを矢継ぎ早に質問していく。そんな中で明らかになったのは、「新しい地図への楽曲提供まで、SMAPは名前しか知らなかった」ということ。休みの日はひたすら打ち込みをしていて、テレビはほとんど見ないそうだ。「楽曲提供のお話をいただいて、“ヤバイ”と思って慌てて調べました(笑)」(SASUKE)。天才とは、どこか浮世離れしたところがあるものだ、ということを実感させるエピソードだ。また作曲は、ピアノでコード探しから始めるとのこと。「リズムからじゃないんだ!」と驚く浅田に、「リズムからだと、それしかなくなってしまうから」とSASUKE。常識にとらわれない作曲の考え方に、浅田や受講生が驚く場面がたびたびあった。

 講義はSASUKEの私物パソコンを持ち込み、彼が作曲で実際に使用している音楽制作ソフトAbleton LIVEの画面をプロジェクターに映して、それを見ながら進行した。SASUKEが8月に配信リリースした最新曲「夏ぼっち」の画面が映し出されると、受講生はそれを食い入るように見つめた。プロのアーティストが、リリースした楽曲のデータを公開するのはレアなことで、この講座だからこその大きなポイントだと言える。浅田が「これは何を貼ってるの?」「リズムの分離が良いね」など細かく質問し、SASUKEは画面に表示しながら次々と答えていく。Ableton LIVEを使っている者にしか分からないようなマニアックな話だったが、だからこそすぐにでもマネが出来るような実践的なものだった。

情熱を感じるトラックメイク 16歳の才能に感服

 「夏ぼっち」を制作するのに使用したプラグインは何か、どのトラックに何をかけて何を貼っているのか、楽曲がどんどん丸裸にされていった。時にはリズムだけを取り出して解説した。SASUKEはフィンガードラムの路上パフォーマンスで注目を集めたことからも、誰もが生でパッドを打ち込んでリズムを作っていると思うが、実はそうではないことも判明。「フィンガードラムのイメージだった。だけど貼っているんだね」と驚く浅田に、「それとこれとは別の楽しみがあるんです」とSASUKE。

 また同曲は、イントロのウクレレや蝉の鳴き声などが印象的。夏というざっくりとしたテーマを決めて、さわやかでカラッとした音作りを意識したとのこと。実は打ち込みの前にSASUKEみずからウクレレを1日中弾いて構想を練ることから制作が始まり、蝉の声を録りに山へ行ったり、風鈴を買いに行ったり、iPhoneで足音を録音するなど、サンプリング素材を自分で集めることを行ったという。またトイピアノ風の音は、鍵盤を叩いた時のタッチノイズを出すために、様々な音を加工して重ねていた。「聴いても誰も気づかないような細かいことを、すごくたくさんやっています」とSASUKE。音を選ぶ決め手は「違和感がないこと」で、「こういうのはセンスなんだよね」と浅田。さらにSASUKEはみずからミックスやマスタリングまで行うことがあるそうで、ストイックなまでのこだわりに一同唖然。浅田はトラックが並んだ画面を見つめながら、「すごい情熱を感じる」と、16歳の天才に感服していた。

 講義終盤は、受講生から質問が飛んだ。影響された人は? という質問に、「この人というのはいない。いろんなジャンル、いろんな国の曲から影響を受けています」と答えたSASUKE。よく使うプラグインは? という質問にも「u-heのDivaは好みの音が多い。特にブラスの音をよく使う」と、自分の手の内も出し惜しみなく答える。終始とても楽しそうに様々なことを話したSASUKE。DTMの楽しさや、それをどれほど好きかが溢れんばかりで、その熱量に圧倒されっぱなしだった講義。最後は特別に「夏ぼっち」を生で歌うサービスも。教室には手拍子が広がり、一瞬でライブ会場へと早変わりし、濃密な90分を爽やかなサウンドとラップで締めくくった。

■榑林史章
「THE BEST☆HIT」の編集を経て音楽ライターに。オールジャンルに対応し、これまでにインタビューした本数は、延べ4,000本以上。日本工学院専門学校ミュージックカレッジで講師も務めている。

「ミュージック・プロデューサーズ・アカデミー」申込みページ 
タワーアカデミー オフィシャルHP
一般社団法人 日本シンセサイザープロフェッショナルアーツ(JSPA)HP
協力:洗足学園音楽大学

■講座詳細
講座名:ミュージック・プロデューサーズ・アカデミー
主催:タワーアカデミー、一般社団法人日本シンセサイザープロフェッショナルアーツ(JSPA)
受講料:1講座¥24,000(+税)/2講座¥43,000(+税)/3講座¥62,000(+税)
会場:洗足学園音楽大学(川崎市高津区)
定員:各テーマ20名
モデレーター(敬称略):浅田祐介
申込みはこちら

10月度
※申込み終了
テーマ:アーティスト
日時:10月4日(金)、10月11日(金)、10月18日(金)、10月25日(金)
各19:00~20:30(90min)
ゲスト(敬称略):DÉ DÉ MOUSE(第2回のみ)、SASUKE(第3回のみ)

<11月度>
テーマ:アイドルソング
日時:11月1日(金)、11月8日(金)、11月15日(金)、11月22日(金)
各19:00~20:30(90min)予定
ゲスト(敬称略):水島康貴(第1回のみ)、白戸佑輔(第2回のみ)、守尾崇(第3回のみ)、BATTLE BOYS ※弓木大和、咲太朗(第3回のみ)

<12月度>
テーマ:劇伴
日時:11月29日(金)、12月6日(金)、12月13日(金)、12月20日(金)
各19:00~20:30(90min)予定
ゲスト:未定

<スタッフプロフィール>
モデレーター:浅田祐介
CharaやCHEMISTRY、Crystal Kay、キマグレンなど、トップ・アーティストの作品を数多く手がける作曲家/音楽プロデューサー。JSPA(一般社団法人日本シンセサイザープロフェッショナルアーツ)理事。

11月度ゲスト講師:水島康貴(第1回のみ)
Sound Producer/Composer/Arranger
1965年生まれ。玉川大学作曲科卒業。1986年 EastWest86 本戦にてベストキーボード賞を受賞。バンド活動を経て1990年アレンジャーとしてデビュー!アレンジを佐藤準氏に師事。Ribbon、Wink、光GENJI、などアイドルグループからZoo、稲垣順一、ゴスペラーズ、SPEED、EXILE、などアーティスト、またGUNDAM、トランスフォーマー、テニスの王子様などのアニメやキャラクターソング、映画など様々な楽曲の作曲・アレンジ・プロデュースを担当。数々のミリオン楽曲に関わっている。SPEEDに関してはデビューから解散まで全楽曲のアレンジを担当しシングル曲総売上1000万枚を記録。全アルバムミリオンを記録!年末の格闘技のイベントPRIDE、DYNAMITEは始め、格闘家魔裟斗、格闘家吉田秀彦引退試合のオープニング曲、美空ひばり追悼コンサートアレンジ、早乙女太一舞台音楽など大きなイベントでの迫力、スケール感のある音楽を担当。活動の幅を広げている。平成最もCDを売ったアレンジャー10位(オリコン調べ)

11月度ゲスト講師:白戸佑輔(第2回のみ)
1981年に茨城県で生まれ、子どもの頃よりクラシックを聴きピアノを習う。高校でドラムと作曲に目覚め、その後、東京音楽大学作曲科へ入学。室内楽、オーケストラ、などの作曲をしつつも、大学3年時にベースをはじめ卒業後はベーシストとして活動。2007年に作家活動をはじめ、現在は様々なアーティストへの楽曲提供やサポート演奏を手がける。ピアノ、ストリングスを活かしたアニソン、アイドルソング、またそれとは対照的に心に染み入るバラードが定評を持つ。アニメOP、ED、TV主題歌、挿入歌など。映画、ゲームなどのBGMや主題歌なども手がける。

11月度ゲスト講師:守尾崇(第3回のみ)
小学生の頃YMOを聞き、音作りに目覚めシンセサイザーを購入。その後ゲーム音楽制作やヤマハシンセの開発、音色制作などを経て、1994年trf BILLIONAIRツアーにキーボーディスト&マニピュレーターとして参加。1996年には自身のユニットD groundでメジャーデビュー。その後はBATTLE BOYS、ケツメイシ、カリスマドットコムなどへの楽曲提供や、浜崎あゆみ、mihimaru GT、モーニング娘などの楽曲アレンジ、またSPYAIR、D-LITEなどのライブマニピュレーターも務め、様々な方面で活躍している。www.morio.tokyo

11月度ゲスト講師:BATTLE BOYS ※弓木大和、咲太朗(第3回のみ)
数々の人気グループを輩出してきたスターダストプロモーションの研究生プロジェクト・BATTLE BOYS。
メンバーは固定されず”サポーター”と呼ばれるファンの応援でメンバーが選出される。
今作で4回目となる全国選抜メンバーは、WEB投票の末、不動の1位に輝く弓木大和(OSAKA)他、紀田直哉(OSAKA)、小原滉平(OSAKA)、咲太朗(FUKUOKA)、笹原遼雅(SENDAI)の5名に決定!CDシングル「Next Zone」を9月25日に発売した。

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