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ジャ・ジャンクーが「海が青くなるまで泳ぐ」リモートQ&Aでタイトル変更の経緯語る

ナタリー

20/10/31(土) 15:23

「海が青くなるまで泳ぐ」リモートQ&Aに登場したジャ・ジャンクー。

第21回東京フィルメックスで中国映画「海が青くなるまで泳ぐ」が本日10月31日に東京・有楽町朝日ホールで上映され、リモートQ&Aに監督のジャ・ジャンクーが登場した。

本作は、文学者たちへのインタビューを通して近代中国70年の変遷をたどるドキュメンタリー。映画「活きる」の原作者として知られるユェ・ホァなど世代の異なる4人の作家たちが自身の体験や中国の社会、文化に対するそれぞれの見解を語っている。

ジャ・ジャンクーは「ここ2年ぐらいは北京ではなく山西省の汾陽という場所で過ごすことが多いんです」と話し、「生活になじんでくると、村に文学の伝統があるということを意識するようになりました。農民の生活を描いた数々の文学の中で、村がどのように語られているのか興味を持ったんです。そして文学フェスティバルを企画することにしました」と回想。「中国はどんどん都市化が進んでいくとともに、村の記憶は薄れつつあります。しかし中国はもともと農業国家です。農業をもとにした文学がどのように発達してきたか、映画に収めたいと思いました」と本作へ込めた思いを明かした。

当初は「ある村の文学」というタイトルを付けていたと振り返るジャ・ジャンクー。「ユェ・ホァさんに話を聞いたときに、『教科書に、海は青いと書いてあるのに、子供の頃泳いでいる海は黄色かった。海の色が青くなるところまで泳いで行きたいと思った』とおっしゃっていたんです。その話を聞いて感動しました」とタイトルを変更した経緯を説明した。

1980年代以降に生まれた作家が登場しない本作。「農村からは若い世代の作家は生まれないと思うか?」と質問が飛ぶと、ジャ・ジャンクーは「若い人たちが農村に理解がないというわけではありません。しかし、いろいろなところで都市化が進み、人々の興味も都市に集まっているんです」と言及し、「若い人の中で田舎に興味を持ち、それを題材として書いている人は少ないです」と伝えた。

第21回東京フィルメックスは11月7日まで有楽町朝日ホールほかで開催。

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