中島貞夫 ちゃんばらの美学
20年ぶりの新作『多十郎殉愛記』のことー後篇ー
全10回
第2回
19/4/8(月)
中島貞夫監督
この映画では、ちゃんばらのアクションをどう見せるかを考えていた。まず反転攻勢をどう上手く使うか。多十郎が逃げていくと敵が追いかけて来る。それで相手側が予期しないときに多十郎が反転して突っ込んでいく。時代劇で一番アカンのは、今そこで敵に向かっていったら斬られちゃうのに(笑)っていうのが、しばしばあるんだよね。だから反転攻勢するときに、太い木を盾にするとか、相手の意表をどう突くかを考えたね。そういう多十郎の動きは、あんまりリハーサルを重ねすぎるとつまらなくなる。本番のときに高良ちゃんに「リハーサルのときより、二歩手前で反転して突っ込んでいけ」とか言ったりしてね(笑)。そうすると、動きを覚えちゃってる敵の連中が、驚いて違う動きをするようになる。
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