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TWICE、BTS(防弾少年団)、WANIMAの存在感が物語るもの オリコン上半期音楽ランキング分析

リアルサウンド

18/6/30(土) 10:00

参考:オリコン2018年上半期音楽ランキング(ORICON NEWS)

 オリコンが、2018年上半期の音楽ランキングを発表した。シングル部門とアルバム部門のランキングがそれぞれ1位から50位まで公開されている。

(関連:米津玄師は間違いなく2018年上半期を代表する存在に ビルボードジャパンチャート分析

 シングル・アルバム両部門いずれも、トップを獲得したのはAKB48。オリコンによれば、シングル部門では実に8年連続、アルバム部門でも2014年以来4年ぶりのトップ獲得となった。

 シングル部門では、述べ6組がAKB、坂道グループで圧倒的な強さだ。ほか、ジャニーズ事務所から新人のKing & Princeとベテランの嵐がそれぞれ5位、6位に、そしていまや破竹の勢いのTWICEも8位、9位にランクイン。アルバム部門では4位のBTS(防弾少年団)や6位のWANIMAが健闘している。

 しかし、気になるのは、米津玄師や星野源といった、Billboard JAPANの2018年上半期チャートで上位を占めたアーティストの不在だ。上半期のBillboard JAPAN HOT100で1位を獲得した米津玄師「Lemon」は、オリコンでは12位。3位の星野源「ドラえもん」も17位と順位の差が激しい。

 ストリーミングやSNSでの言及などを含めた複合指標を用いるBillboard JAPANと、CDの売上枚数を基準とするオリコンを単純に比較することはできないが、前者はYouTubeやストリーミングといったカジュアルな聴取習慣も含めたヒットやバズを反映する一方で、後者は音楽の聴取と購買行動が強く結びついたファンベースの存在を示唆する。

 その点で、乃木坂46『シンクロニシティ』(Billboard4位、オリコン2位)や欅坂46『ガラスを割れ!』(Billboard2位、オリコン4位)は両チャートで高い順位をキープ。強いファンベースを持ち、同時にカジュアルなリスナーも惹きつけた結果と考えられる。TWICEも『Candy Pop』が両チャートのトップ10に(Billboard5位、オリコン8位)、『Wake Me Up』がオリコン9位にランクインしており、乃木坂や欅坂にもひけをとらない。また、アルバム部門では、やはりWANIMA(Billboard5位、オリコン6位)とBTS(防弾少年団)(Billboard7位、オリコン4位)が両チャートに名を連ねている。

 着目したいのは、TWICEとBTS(防弾少年団)、そしてWANIMAだ。AKB、坂道グループなどに分け入って存在感を放つ彼らの存在は、日本のK-POPリスナーへの浸透と、ギターロックバンドへの根強い支持を如実に物語っている。

 翻って、オリコンチャートでの米津玄師や星野源といったアーティストの相対的な不在は、単一指標のチャートから見える世界と、多様な視聴環境を反映する複合指標のチャートから見える世界の剥離の徴候と言える。

 オリコンも今秋をめどに、CDの売上枚数による単一指標のランキングだけではない、複合指標に基づくランキングの新設を発表している。そうなれば、オリコンでは健闘しつつもBillboardでの存在感に欠くジャニーズ事務所のユニットなどは、チャート上で苦戦を強いられるだろう。

 AKB、坂道グループやLDHはすでにYouTubeでのミュージックビデオの公開やストリーミング解禁に積極的に対応しているが、オリコンの改革はその流れを加速させていくはずだ。聴取環境の多様化に対して後手にまわっていた感のある日本の音楽産業への、決定打となるだろうか。(imdkm)

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