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EBiDANの真価見せた「FAKE MOTION」初ライブ!“負ける気がしねえ”29人のチームに有明熱狂

ナタリー

21/3/26(金) 23:36

「FAKE MOTION 2021 SS LIVE SHOW」の様子。

EBiDANによる総合エンタテインメントプロジェクト「FAKE MOTION」のライブイベント「FAKE MOTION 2021 SS LIVE SHOW」が、3月25、26日に東京・東京ガーデンシアターにて開催された。

「FAKE MOTION」は2020年4月期放送の日本テレビ系ドラマ「FAKE MOTION -卓球の王将-」よりスタートしたプロジェクト。佐野勇斗(M!LK)や古川毅(SUPER★DRAGON)らがメインキャストを務めたこのドラマでは、卓球の勝敗で覇権を争う“卓球戦国時代”の東京の高校生たちの激闘が描かれた。その後もオンラインでのファンミーティングや朗読劇、アパレルブランドなど多岐にわたるコンテンツが繰り広げられ、今年1月からは板垣瑞生が主演するドラマのシーズン2「FAKE MOTION -たったひとつの願い-」が放送に。シーズン2では東京に乗り込んで来た大阪勢との“天下分け目の大決戦”が描かれ、物語は一層の広がりと展開を見せている。

さまざまな企画が行われてきた「FAKE MOTION」だが、キャストが観客の前でパフォーマンスを行うのは今回のイベントが初めて。記念すべきステージには、ドラマのシーズン1とシーズン2に出演した超特急、DISH//、M!LK、SUPER★DRAGON、さくらしめじ、ONE N' ONLY、原因は自分にある。のメンバーや森崎ウィン、板垣瑞生、宮世琉弥、高松アロハといった29名のキャストが集結。“ライブパート”と“芝居パート”の2部構成で熱くにぎやかなライブステージを披露し、公演は生配信も行われた。この記事では、本日3月26日の第1部公演の模様をレポートする。

ファンが待ち望んだ「FAKE MOTION」の有観客公演は、佐野、板垣、古川、北村匠海(DISH//)、松尾太陽(超特急)、森崎ウィンによる、メインテーマ「FAKE MOTION」の歌唱パフォーマンスで幕を開けた。観客はステージ上段に姿を見せた6人の姿に声を出せずとも色めき立ち、手にしたペンライトを左右に揺らす。力強い眼差しに闘志を宿した6人はダンスを交えながら曲を歌い上げ、キメのブレイクでは佐野が「負ける気がしねえな」、古川が「仲間の悲しみも背負うのがチームだろ」と、それぞれの役の決めセリフを客席に放ってファンの興奮を誘ってみせた。

6人が姿を消すと、ステージはさっそく芝居パートへ。「FAKE MOTION ~エビ高の夜明け~」と題された物語は、恵比寿長門学園(エビ高)の山田(田中雅功 / さくらしめじ)と倉本(高田彪我 / さくらしめじ)をストーリーテラーに進行していった。山田と倉本が告げた物語の舞台は、シーズン2で描かれた“天下分け目の大決戦”から3カ月後の東京。東京は平和を取り戻し、純粋にスポーツを楽しむためのインターハイの再開が決定したという吉報も各校にもたらされる。薩川大学付属渋谷高校(薩川)と都立八王子南工業(八王子)はシーズン1で東京の王者となったエビ高を打倒するべく闘志を燃やすが、肝心のエビ高はエースの高杉律(佐野勇斗)と桂光太郎(古川毅)の衝突が浮き彫りに。2人は卓球戦国時代を完全に終わらせるため、問題を抱える全国各地の学校を飛び回っていたが、「狂った時代を終わらせる」という思いに固執する律と、律がエビ高を離れるのではないかと不安に感じながら、その思いを素直に表せない光太郎のすれ違いから、チーム内に亀裂が走っていた。

冒頭からシリアスな場面が入り交じるストーリー展開だが、板の上に立つキャストたちは生き生きとした芝居で観客を楽しませた。八王子の土方歳鬼(板垣瑞生)がチームメイトの双子の兄弟・市村辰(泉大智 / DISH//)と市村哲(ジャン海渡 / SUPER★DRAGON)に向かって「哲? 辰?」と混乱させるように呼びかけたのに続き、土方がカメラ目線で「……殺しますよ」と決めゼリフを放った際には、八王子の面々が一斉に「誰に向かって言ってんの?(笑)」とイジってみせる。海江田翔(松尾太陽 / 超特急)がマネージャーからレギュラーメンバーへの昇格を言い渡された薩川のシーンでは、海江田の“辞典型ラケットケース”を手渡す役の中村ジローラモ(村田祐基 / 超特急)が、ケースからラケットを抜いておくというアドリブを披露。ジローラモが「Oh, sorry!」と笑いながら隠し持っていたラケットを手渡すと、海江田は「入れておけよ……(笑)」と小さくツッコミを入れていた。

「家族」と呼ぶほどチームと強い絆を持つ八王子の“マザー”こと近藤勇美(森崎ウィン)が突然「家族を捨てる」と言い出したことで生まれた不和、レギュラー昇格を言い渡された直後に何者かの手によって右腕を負傷し、部長の島津晃(小笠原海 / 超特急)から「失望したぞ海江田。薩川のレギュラーはまだ早かったようだ」と言い渡された海江田の絶望と、エビ高以外の学校にも暗雲がかかりだすが、物語の中盤、この“暗雲”の原因は「浪人軍団」と呼ばれる存在にあることが天下布武学園、謙信ソルト電子工学院、信玄明王高校の“大阪勢”から明かされた。浪人軍団は暴力による支配を臨む全国各地の輩が“卓球戦国時代”を継続させるべく徒党を組んだもので、新たな脅威の存在を確認した東京の3高は、浪人軍団のアジトを見つけるべく、捜索隊を結成する。

アジト探しに奔走する登場人物の姿からは、それぞれが大切なチームやチームメイトのために己を犠牲にしようとしている本心が浮き彫りとなっていく。マザーが八王子の卓球部を捨てる決意をしたのは、1人で大切な家族を脅威から守るためだった。また、光太郎と海江田は自らをオトリ役に、浪人軍団の居場所を突き止めるための行動を起こす。しかし、この行動が仇となり、海江田は浪人軍団に捕らえられてしまった。

なお物語の中では、エビ高の部長・松陰久志(北村匠海 / DISH//)のビハインドストーリーも描かれた。松陰の登場する回想シーンでは、彼の“最後の試合”となった薩川戦の前夜に、松陰が律と会い「狂った時代を終わらせるのはリッツ(律)とコウ様(光太郎)しかいない」と後を託していたこと、そして試合後の病室で親友である島津に面会し、「バカなんだ。意地張って、つまんないことでケンカして」と、エビ高の未来を担う2人の仲を心配していたことが明かされた。ステージ上段に置かれたベンチに座る北村は、静かながらも存在感のある佇まいで、儚くも優しいエビ高の精神的支柱を演じていた。

浪人軍団からの果たし状を受け、1人で試合に臨もうとする律を力づくで止めようとする光太郎、1人でアジトに乗り込もうとするマザーを止めようとする土方、2組それぞれがピンポン玉に思いを込めて激突するバトルシーンで、物語はクライマックスへ。佐野と古川、森崎と板垣はパワフルな打ち合いを演じ、スマッシュの動きに合わせて本当の思いを吐露しあう、白熱するセリフの応酬を展開した。一方、島津は部員を出し抜いて1人で海江田救出に動くが、島津の動きを察していた薩川部員のジローラモ、西郷吉之助(草川拓弥 / 超特急)、小松武明(船津稜雅 / 超特急)も2人に合流。思い合う心を確かめ合い、再び団結した3校は、大阪勢と合流して浪人軍団と対峙し、律の「狂った時代は俺たちが終わらせる。行くぞ!」という声を合図に浪人軍団を壊滅させた。

東京に再び平和が戻ったあとには、各公演ごとに違ったシーンが展開。八王子勢はマザー以外の4人がキュートなエプロン姿でマザーに負けじと料理に勤しむ様子を演じ、薩川勢はじゃんけんに負けて新たなマネージャーとなった島津が“常勝無敗のお洗濯”を見せるべく、残る4人に「脱げ、脱げ!」と迫る場面をコミカルに表現する。エビ高ではトビーこと伊藤俊介(吉澤要人 / 原因は自分にある。)が「僕だって“ギフテッド”欲しいよ……」と必殺技を特訓するも、光太郎に「“原因はトビーにある。”だな」と呆れられてしまうという一幕が描かれた。そして物語は、そんな彼らの様子を松陰が1人見守り、静かに笑みを浮かべる場面で幕を閉じた。

公演後半のライブパートでは、各校のイメージソングがこの日ならではのスペシャルな編成や演出で次々に披露された。草川直弥以外のONE N’ ONLYメンバー5名で構成された、謙信ソルト電子工学院による「SMASH」では、上村謙信が開口一番「FAKE MOTIONライブショー、スタート!」と会場を盛り上げる。ワンエンの楽曲のように強烈なビートが特徴的なEDMナンバーに乗せ、彼らは3ボーカル&2MCの編成を生かしたエネルギッシュなパフォーマンスを披露。サビのダンスにはジャンピングスマッシュを模した動きも取り入れ、トップバッターを華やかに勤め上げた。

続く信玄明王高校のミドルバラード「花鳥風月 -Beauty of Nature-」では、志村玲於(SUPER★DRAGON)、杢代和人(原因は自分にある。)の信玄明王メンバーに、浅草雷門高校の木曽義雄を演じる池田彪馬(SUPER★DRAGON)が加勢する特別編成が披露された。スタンドマイクの前に立った3人は、艷やかな歌声と手振りで流麗な世界観を表現。決めのパートでムービーカメラに抜かれた池田は、カメラ目線のウィンクで観客を魅了した。3曲目の天下布武学園「エンドゲーム」でも、天下布武メンバーの草川直弥(ONE N’ ONLY)、大倉空人(原因は自分にある。)、宮世琉弥に、エビ高の“山倉コンビ”こと田中と高田が合流。5人は横1列に並び、ハンドマイクで歌い踊るパフォーマンスを見せる。M!LKを卒業した宮世がひさびさにファンの前で歌声を披露する姿、そして普段は踊らないさくらしめじの2人が軽やかにステップを踏む姿と、「FAKE MOTION」ならではのレアなシーン満載の1曲に、EBiDANファンは大いに盛り上がった。

布袋寅泰プロデュースによるロックバラード「覚醒」を板垣、佐野、古川、吉澤が歌い上げたのち、北村の「いくぜ!」という咆哮とともにスタートしたのはエビ高メンバーによる「疾風迅雷」。スモークが勢いよく噴出する演出の中、北村は「今日は最後まで楽しんでいきましょう、よろしく!」と客席に呼びかけて会場の熱気をさらに引き上げる。橘柊生(DISH//)と吉澤によるパワフルなラップリレーや「オイ! オイ!」と声を上げる佐野の煽りでステージ上の勢いは加速。エビ高らしいさわやかな活気に満ちたパフォーマンスに、会場にはチームカラーである青色のペンライトの光がまぶしく揺れた。エビ高に続いて姿を見せた八王子勢は「Say My Name」をバンドスタイルで披露。DISH//のギタリストでもある矢部昌暉、同じくDISH//のドラマーの泉、そしてベースを構えた板垣はそれぞれに激しいプレイでファンを魅了する。フロントマンを務めたメインボーカルの森崎とMCのジャンはステージの端まで歩みを進め、ヘッドバンギングまで見せるハイテンションな歌唱で聴衆を圧倒した。

各校のパフォーマンスリレーのアンカーは、超特急メンバーで構成される薩川。荘厳なシンフォニーで幕を開ける「BEAT of ENERGY」を披露した彼らは、メインダンサー&バックボーカルの編成を前面に打ち出した鮮やかなフォーメーションダンスで楽曲を表現した。エース・西郷吉之助役の草川拓弥が1番のサビでセンターに立ってシャープなダンスを見せると、1人マイクを握る松尾は地声とファルセットを鮮やかに使い分けるボーカルを会場に響かせる。5人は薩川勢ならではの貫禄あふれるパフォーマンスで、しっかりとトリを務め上げた。

フィナーレでは、29名全員がステージ上にラインナップ。古川は「ひさびさの有観客ライブ、僕らも皆さんもお互いに探り探りだったとは思いますが、命を大事に。これからも『FAKE MOTION』のエンタメを届けていこうと思います」と感想を語り、草川拓弥は「大変な時期ですが、こうして足を運んでくださる方がたくさんいてうれしいです」、村田は「皆さんと面と向かってコミュニケーションを取れることはかけがえのないことだと痛感していたので、夢のような時間を過ごせて幸せです」と喜びの心境を明かした。そして森崎は「やっぱりライブってお客さんと作るものなんだなと実感しました。これを力に、僕ら明日からも精進してまいります。FAKE MOTION、EBiDAN、そしてスターダストプロモーションをよろしくお願いします!」とキャストを代表して会場のファンに語りかける。

船津の「最後の1曲です!」という声を合図に届けられたラストナンバーは、この日2度目の「FAKE MOTION」。DISH//によるバンド演奏に乗せ、オリジナルのダンスを踊るワンエンメンバー、ダンスバトルを始める船津と村田、ヘッドバンギングで周囲を巻き込む北村と矢部……と、ステージの各所でEBiDANメンバーの笑顔が交錯した。

歌にダンスに演技にと、“若手俳優集団”としてスタートしたEBiDANの真価を見せるような2時間のライブパフォーマンスは、和やかなムードの中で終幕した。なおHuluストアとBARON STREAMでは、3月30日(火)まで「FAKE MOTION 2021 SS LIVE SHOW」の見逃し配信を実施している。

※高田彪我、高松アロハの高ははしごだかが正式表記。

撮影:田中聖太郎、立脇卓、渡邊玲奈(田中聖太郎写真事務所)

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