『アダムス・ファミリー』といえば、91年と93年に映画化された実写版が思い出される。ラウル・ジュリアや、アンジェリカ・ヒューストン、それにクリスティーナ・リッチらが扮したアダムス一家は、実にアニメ的だったが、あれから約30年後に、まさかCGアニメ版ができるとは。原点である漫画からTVシリーズやアニメ・シリーズ、実写映画版、そしてCGアニメと、人気シリーズの生命は不滅なんだなあ。ただ、本作から観始めても全然違和感はなく、丘の上の不気味な屋敷に住むアダムス一家の物語は、オリジナルストーリーで丁寧に説明されているので心配御無用。 ストーリーは実は真っ当で、アダムス一家と「普通」を愛する人間社会との大騒動は現代にも通じる普遍的な設定であり、ホラーコメディとしても第一級品。ギャグの切れ味も斬新で、この形でぜひシリーズ化してほしい。