Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play

ぴあ

いま、最高の一本に出会える

「ヴィジュアルシーンの中にも居場所がなかった」Plastic Treeが振り返る20年の軌跡

リアルサウンド

14/3/4(火) 12:40

20140304-plastic--main-thumb.jpgヴィジュアルシーンに留まらない活躍をするPlastic Tree。

 2013年に結成20周年を迎えたロックバンド・Plastic Tree(以下、プラスティックトゥリー)。ニューアルバム『echo』を2014年3月5日にリリースする彼らは、ゴシックな世界観やUKギターロックをベースに、シューゲイザーやグランジなど様々な音楽的バックグラウンドを見え隠れさせながら、シーンの中で常に独自の存在感を放ち続ける。出発点であったビジュアルシーンに留まらず、今や国内外で幅広いリスナーに支持される理由とは何なのか。20年のキャリアを紐解きながら、バンドの創設メンバーである有村竜太朗(Vo&Gt)と長谷川正(Ba)に語ってもらった。

このバンドは出来たときから、人間に例えると人格が完成されていた

——2013年で結成20周年を迎えたということで、まずどうしてプラスティックトゥリーというバンドが活動休止もなく20年間走り続けられたのかというところを伺っていこうかと思います。振り返ってみて、一番の要因というのはどんなところにあるとお考えですか?

有村竜太朗(以下、有村):うちのバンドの場合はまず『バンドやりたい』っていうのがあって。そこから好きな音楽とか映画とか、そういうノリが合ったっていうところから始めているんです。同級生で、とか、幼なじみで、っていうんじゃないので。もともとみんなバンドやってて、そこで生まれた『楽器うまいよね』とか『いい曲書くね』とか『面白い歌歌うね』というところでバンドが生まれて。そのときの関係がずっと続いてるんですよね、全部の意味で。例えば違うところは違うし、ハモるとこはハモるし、っていう。結局ベーシックな部分っていうのはあんまり変わんない気がします。

——バンドによってはメンバーの最大公約数的なところで作品を作ってるバンドもあるし、メンバー各々の個性がばらばらなのを生かしているバンドもあって。プラスティックトゥリーは音楽面でもメンバーそれぞれの色が凄く強いと感じるんですが。

長谷川正(以下、長谷川):もちろん最大公約数的な音楽性っていうのもあって。それが所謂UKロックとか、ギターロックとかプロフィールに書かれてたもので、それが最初のころのプラスティックトゥリーの音楽性の全てだったのかもしれないです。今はジャンルでいえばもっといろんなことが出来るようになったんですけど、メンバーで集まって『これカッコいいよね』っていう、至ってシンプルな面もバンドとして持ってるんですよね。

——デビューの時からずっとコンスタントにリリースをされていて、ともすればルーティーンになってしまうこともあるのではないかと思うんですけど。でもプラスティックトゥリーの場合は、常に最新型のバンドの姿が作品に表れていますよね。

長谷川:おそらくプラスティックトゥリーってバンドが出来たときから、このバンドは人間に例えると人格が完成されちゃってて。メンバーが抜けたり、海外で公演したり、武道館のステージに立てたりとか、節目節目にいろんな出来事はあるにしても、バンドの人格を覆すような経験ってなくって。だからそう思うと、さっき言ったようにバンドが20年休まず続けられたっていうのも、やっぱりバンドが凄くシンプルな理由で、やりたいから生まれたっていうのもあります。

——なるほど。

長谷川:このバンドやりたいから、っていう、ただそれだけで20年間やってきて、『どんな音楽ができるんだろう?』っていうのを作品を作る度に見つけたりするのも自分たちの楽しみのひとつで。『今度はこういうことやってみたらどうかなあ』とか、作品を作る度に新しいことも提示できるし、バンドを作ったときから変わらない、音楽でこういう世界観を作りたい、ってことも、常に平行して出来てるような気がするんですよね。

——それは別の見方をすると、常に未完成であるという想いがあるんですか?

有村:ああ、それはあるかもしれないですね。どのバンドもそうだと思うんですけど、このメンツが集まってるから生まれるっていう部分がいつもあって、飽きないっていうか。作業としては確かに長くやってるとルーティーン的なところも生まれてくるんですけど、そういう感じになったら新しいものやってみようってなるので。メンバーそれぞれ他のところで吸収したり、時には互いに吸収し合ったりしてます。

ヴィジュアルシーンの中にも居場所がなかった

——プラスティックトゥリーはもともとはヴィジュアルシーンを中心に活動していたバンドですが、最近はジャンルを行き来した活動というものが、すごく上手く回ってきているんじゃないのかなあと感じます。それって凄く自由なことだと思うんですけど、同時に特定のシーンに守られないということでもあって。そういう意味で、ジャンル的な居場所があったほうが楽だなあと思うこともありますか?

有村:あー、考えたことなかった。居場所ていうものが、うちのバンドはもともとないんです。すごくリアルに言うと、ヴィジュアルシーンの中にも居場所がなかったっていうか(笑)。“一緒にされたくない”みたいな意識もーーまあ若かったしあって。でも自分は化粧とかして変なことやってるバンドが好きで、どうしてもライブハウスとか出るとそういうバンドと対バンになるんで、それはそれで刺激にはなっていたとは思うんですけど。その中でも音楽性で言えば、そのときの主流からはかなり外れていたので、あんまり似たようなバンドがいい意味でも悪い意味でもいなくて。なのである程度認知されるようになってから、バンドとしてシーンに入ったっていうイメージがあるんですよね。なのでもともとシーンに居場所があったかって問われると……ないわけじゃないんですけど、あったほうではなかったなっていうイメージがあるんです(笑)。

——近年はロックフェスなんかにも出演されたりして、今までプラスティックトゥリーの音楽に触れたことのないお客さんの前で演奏する機会もさらに増えてるんじゃないかなと思うんですけど、感触はどうですか?

有村:多分フェスって音楽が凄く好きで来てる人たちが多いと思うんですけど、そういうところでライブが出来るっていうのはとても新鮮に感じました。少しずつですけど、『あ、プラ出るんだ』って見にきてくれる人たちの手応えみたいなものも、最近は感じれるようになってきたんです。初めはやっぱりちょっと『え、こんなとこいていいんすか?』みたいな(笑)。『こんな目の周り真っ黒だけどいいんすか?』みたいな感じだったんですけど、こっちが思ってるより全然このバンドを楽しんでくれてるっていうか。やっぱりぱっとみた感じ、うちのバンドはどうしてもヴィジュアル系ですから。偏ったイメージっていうのも絶対あると思うんです。それはそれで全然、長くやってきた中で良しとも思ってたんですけど。フェスでも街のお祭りでも(笑)新しい人にライブを見てもらえるっていうのは嬉しいし、続けていけたらいいなあと思いますね。

ルーツが見える音楽が凄く好き

——最近よく話題になる話なんですけど、今の若手のバンドは日本のバンドに影響を受けてスタートするバンドが多い、っていう。プラスティックトゥリー世代のヴィジュアルバンドもそういうバンドが多かったんじゃないかと思うんですけど、プラスティックトゥリーの場合は洋楽が強いルーツになっていて。

有村:洋楽指向の特に強いのが、(ナカヤマ)アキラ(Gt)とか(長谷川)正で。それが当時いた他のバンドよりも色濃く出てたのかなと。でも日本のバンドも凄く好きだし。いいバンドが多い、すごくいい国だなあと思います(笑)。もちろん海外のバンドも大好きなんですけど。音楽好きなんじゃないですかね(笑)。

——なるほど。でも、今のプラスティックトゥリーって、日本で邦楽をメインで聴いてるような若いリスナーたちにとって、洋楽への入り口になるようなバンドになってるんじゃないかなあと思うんです。

長谷川:ああ、でもそれは凄く嬉しいですね。

有村:うん、それは凄く嬉しいです。

——プラスティックトゥリーの音楽に触れたリスナーたちが、『じゃあマイブラ聴いてみよう』『キュアー聴いてみよう』っていうふうになるんじゃないですかね。

長谷川:ライブ行ったらSEでマイブラが流れてて、“これ誰だろう”ってね。

有村:自分もそうやって好きなミュージシャンが敬愛してた音楽を聴いてみて、それで扉が開いたようなところもあったので、それの一端になってれば、そんなに嬉しいことはないなあと思いますよね。洋楽邦楽というよりも、ルーツが見える音楽が凄く好きなので、個人的には受け継がれていくような……進化もしていくんだけど、元のよさみたいなものが絶対に変わらないというか。でもどんどん広がっていくっていう、それが音楽の良さだと思ってるので。だからそういうのは凄くいいことだなあと思います。

——そうやってファンが広がっていきそうですね。

有村:そうですね。みなさんお待ちしてます!って感じですかね(笑)。(後編【「人はどんな形であれ、音楽を求めていく」Plastic Treeの創作スタンスが変わらぬ理由】に続く)

(取材・文=岡野里衣子)

■リリース情報
New Mini Album『echo』
発売:3月5日
価格:初回限定盤(CD+DVD)¥3,300(税抜き)
通常盤(CDのみ)¥2,600(税抜き)
※初回限定盤のみ紙ジャケット仕様

《収録曲》
1.木霊
2.曲論
3.嬉々
4.輪舞
5.瞳孔
6.雨音
7.影絵

《DVD収録内容》
「影絵」Music Video
「echo」オフショット映像

■ツアー情報
『Plastic Tree 結成20周年”樹念”ツアー2014「echo」』
3月16日(日)千葉・本八幡Route Fourteen
3月18日(火)東京・SHIBUYA-AX
3月21日(金)静岡・sound shower ark
3月23日(日)米子・AZTic laughs
3月27日(木)埼玉・HEAVEN’S ROCKさいたま新都心VJ-3
3月29日(土)金沢・EIGHT HALL
3月30日(日)長野・JUNKBOX
4月05日(土)長崎・Be-7
4月06日(日)福岡・DRUM LOGOS
4月12日(土)京都・FAN J
4月13日(日)高松・DIME
4月16日(水)仙台・Rensa
4月17日(木)盛岡・CLUB Change Wave
4月19日(土)小樽・GOLD STONE
4月20日(日)釧路・Club GREEN釧路
4月26日(土)大阪・IMPホール
4月27日(日)名古屋・Zepp Nagoya
4月29日(火・祝)奈良・ネバーランド
5月02日(金)TOKYO DOME CITY HALL
5月03日(土)TOKYO DOME CITY HALL

アプリで読む