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Jay Park、Simon Dominic、Crush……夏の終わりを盛り上げた韓国ヒップホップ6選

リアルサウンド

19/9/29(日) 8:00

 韓国のヒップホップシーンは今年の夏も大盛り上がり。毎年恒例のラップサバイバル番組『SHOW ME THE MONEY』(Mnet)の放送に加え、新旧様々なアーティストたちが活発な活動を繰り広げた。古株Simon Dominicのカムバックはシーンにインパクトを与え、Jay ParkやCrushなどのスタープレイヤーから注目の新星まで次々に新作を投下。今回のキュレーション記事では、8月から9月にかけて話題になった曲の中から特に要注目の6曲をセレクトしてみた。

Simon Dominic 「DAx4」

 2010年を前後してスターの名を欲しいままにしたラップデュオ・Supreme Team。元相方のE SENSが神格化されていく一方、Simon Dominicは長らくスランプに陥っていた。デュオ解散後の2014年、Jay Parkが設立したレーベル<AOMG>に共同CEOとして加入するも、Jay Parkの華麗な活躍ぶりと比較されては叩かれるばかり。昨年とうとうCEOの座から降り、7年ぶりにリリースしたアルバム『DARKROOM』は鬱屈とした作品に仕上がった。そんな彼がこの夏、真の意味でカムバックを遂げたのだ。ラップはもちろん、サウンドも彼らしいパワフルなスタイルを追求。7曲入りのニューEP『火気厳禁 (No Open Flames)』からはなんと5曲ものMVが公開され、久々に活発な姿を見せた。ここではその中から「DAx4」をピックアップ。力強くアグレッシブな彼の持ち味が最大限に発揮され、多くのファンから「ついにSimon Dominicが帰ってきた!」と歓迎された。

사이먼 도미닉 (Simon Dominic) – ‘DAx4’ Official Music Video (ENG/CHN)

Jay Park, KIRIN「오늘밤엔 (今夜は) (Feat. Ugly Duck)」

 その華麗な活躍ぶりで、Simon Dominicをはじめとする多くのアーティストたちの存在感を曇らせてしまうJay Park。そんな彼が80~90年代のニュージャックスウィングを得意とするKIRINとタッグを組んだ。この2人は2016年にも「City Breeze」というシングルで共演したことがあり、その時も80~90年代を見事に再現した強烈なKIRINワールドにJay Parkが引き込まれたことが話題になった。今回のコラボでは4曲入りのEP『Baddest Nice Guys』をリリース。リード曲の「오늘밤엔(今夜は)」は、バッキングボーカルやサックスの演奏などから感じる80~90年代のバイブスが最高だ。歌詞にも当時を彷彿とさせるシンガーや楽曲からの引用が多く登場し、その時代に対する愛情たっぷりのオマージュとなっている。

박재범 (Jay Park), 기린 (KIRIN) – 오늘밤엔 (Feat. Ugly Duck) Official MV

Swervy「ART GANG MONEY (Feat. Reddy)」

 17歳にして大卒の資格を持ち、韓国語/英語/中国語/ロシア語の4カ国語を自由に操る才女、Swervy。親の仕事の都合で様々な国を転々としてきた彼女は、多くのカルチャーを吸収してきただけに型にはまらないスタイルで自分を表現する。彼女は憧れだったレーベル<Hi-Lite Records>に初のフィメールラッパーとして今年2月に加入したばかり。レーベルメイトのReddyをフィーチャーした新曲「ART GANG MONEY」では、Swervyのイメージにぴったりのサイケデリックな雰囲気で勝負。トラックメイキングとMVの監督は彼女の実際の恋人でもあるSUIが務めた。ボーカルに合わせて使われた様々なサウンドおよび映像エフェクトが生み出す相乗効果は、すべての工程を同一人物が手掛けたからこそ出せる合わせ技だろう。

Swervy – ART GANG MONEY (feat. Reddy) [Official Video]

Crush「나빠 (NAPPA)」

 韓国トップクラスのR&Bシンガーソングライター・Crushは、6年もの長きにわたって所属したレーベル<Amoeba Culture>をこの6月に去った。そのままインディペンデントで活動することが予測されていたが、「GANGNAM STYLE」で世界を賑わせたあのPSYが運営する<P NATION>に電撃移籍を発表。実に彼らしいアーバンなサマーチューン「나빠 (NAPPA)」で移籍第1弾シングルを飾った。「悪い」という意味の「나빠(ナッパ)」を題材に、仕事が忙しくて寂しい思いをさせている恋人に対して自分は悪い男だと歌う。曲調によっては感傷的になりそうなテーマも、Crushの手にかかれば軽快なラブソングに。ラテンの香り漂うリズムに乗せた軽やかなボーカルは耳心地も最高だ。Crushのコミカルな演技が光るMVも必見。

Crush (크러쉬) – “나빠 (NAPPA)” MV Reaction

FANXY CHILD「Y」

 そんなCrushが所属する<FANXY CHILD>は、ZICO、DEAN、PENOMECOなど若手人気スターらが集結したゴージャスなクルーだ。この夏は結成4年目にして初のクルー名義シングル「Y」をリリースし、単独コンサートも成功させた。曲名の「Y」は、その文字の形から人生の分岐点を表している。分岐点に出くわした若者たちが、他人の目を意識するが故に受け身な行動を取ることを皮肉っているのだとか。時代の先端を行く若手スターの集まりなだけあり、MVも先鋭的かつダイナミックな仕上がりとなっている。ここ2年ほどはクルーの名前を見かけることがなかったので動向が心配されていたが、この夏開催されたコンサートでは5千人キャパのホールで2DAYS公演を成功させ、活動が少なくとも最も影響力のあるクルーであることを証明して見せた。

FANXY CHILD – ‘Y’ Official Music Video

MUSHVENOM「왜 이리 시끄러운 것이냐(なぜこんなにうるさいのか)」

 韓国の夏を毎年盛り上げるラップサバイバル番組『SHOW ME THE MONEY』は、今年で早くも8度目のシーズンを迎えた。たいていはすでに一線で活躍しているラッパーが勝ち進んでいくが、時にはまったくの新人や知名度の低いラッパーが話題になることもある。この「왜 이리 시끄러운 것이냐(なぜこんなにうるさいのか)」をリリースしたMUSHVENOMもその1人だ。番組の優勝候補である人気ラッパーのpunchnelloとバトルしたMUSHVENOMは、「なぜこんなにうるさいのか」と中高年の男性が嘆いているようなトーンのフロウで会場を沸かせ、punchnelloを負かした。SoundCloudとYouTubeで公開された同トラックはあっという間に10万回以上が再生され、このようにMVも公開される運びとなった。幅広い層から「おじさんフロウ」「クセになる」「新鮮だ」など絶賛の声が集まっている。

머쉬베놈 (MUSHVENOM) – 왜 이리 시끄러운 것이냐 (Prod. SLO) MV

■鳥居咲子
韓国ヒップホップ・キュレーター。ライブ主催、記事執筆、メディア出演、楽曲リリースのコーディネートなど韓国ヒップホップにおいて多方面に活躍中。著書に『ヒップホップコリア』。 運営サイト「BLOOMINT MUSIC」/ Twitter

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