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日向坂46 小坂菜緒&渡邉美穂、『DASADA』で見せる成長した表現力 対極な存在感を放つ二期生コンビに注目

リアルサウンド

20/1/30(木) 7:00

 日向坂46として初の主演ドラマとなる『DASADA』(日本テレビ系)が、1月16日よりスタートした。同ドラマは小坂菜緒演じる佐田ゆりあが、渡邉美穂演じる篠原沙織とともにファッションブランドを立ち上げる青春物語で、二人は重要な役どころを演じている。同じ二期生である小坂と渡邉は、パフォーマンスにおいて対極な存在感を放ちながらも、ともにグループを引っ張っている。今回はそんな二人に注目したい。

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 デビューから4作連続で表題曲のセンターを務める小坂菜緒は、感情豊かに表現するパフォーマンスでグループを牽引する日向坂のエース。演技の分野でも活躍をみせており、映画『恐怖人形』で主演としてシリアスな役に挑んだ。一方『DASADA』では、“究極の天然”を演じており、わずかな女優キャリアでありながら別人格になりきる姿に驚かされる。小坂が演じる佐田ゆりあは、とにかくポジティブで自分を最高に可愛いと思っているキャラクター。小坂は自身と真逆の性格であることから、佐田と似ているという丹生明里の行動を観察し、「丹生ちゃんならこうする」とイメージしながら撮影に挑んだという(BOMB2020年2月号)。そして同ドラマでは佐田ゆりあという人物を自分のものにしている。その柔軟性と感性の鋭さは小坂の魅力の一つだ。

 また、このような役柄をしっかり振り切って演じているところがいい。コミカルな演技は、ちょっと間違えるとさむくなってしまいがちだが、『DASADA』においての小坂はしっかり視聴者を楽しませているように思う。そういったところに、役者としてのセンスと度胸を感じる。3rdシングル曲「こんなに好きになっちゃっていいの?」では小坂の表現力がより情熱的になっているように感じたが、もしかしたら『DASADA』での経験がパフォーマンスにさっそく還元されたのかもしれない。

 渡邉美穂は、日向坂の元気印とも言える存在。メンバー唯一のソロ写真集を発売したり(『陽だまり』)、一期生を中心にキャスティングされたドラマ『Re:Mind』で二期生として唯一出演するなど何事も二期生の先陣に立っており、期待と信頼を得ている。また、活発な可愛さやストレートに感情をぶつけてくる力強いパフォーマンスからは、小坂とは異なる魅力の持ち主だといえるだろう。

 小坂同様に演技では様々な一面を見せている渡邉。舞台『マギアレコード 魔法少女まどか マギカ外伝』では深月フェリシア役として元気で勝ち気で自由気ままな魔法少女を演じていたが、『DASADA』の篠原沙織は、コミュニケーション能力が低く物事をストレートに言ってしまう気難しい役に挑んでいる。篠原は一見渡邉のイメージにはない役柄のように思えるが、自分に厳しいストイックな一面は共通しているように思う。日向坂46の楽曲で2列目ポジションが固定位置になっている現状に悔しさを滲ませていた姿(『セルフ Documentary of 日向坂46』/TBS CS)は篠原の性格とも重なる。また、渡邉は、佐田に感化されていく篠原の心情の変化を繊細に表現。渡邉の演技力はどんどん懐が深くなっている印象だ。

 二期生の個性がまだ引き出されていなかった加入当初、次世代の2大エースのように注目されていた小坂と渡邉。2018年8月号のBUBKAでは、“「静」と「動」のゴールデンルーキー”と紹介されており、そこには互いの印象についても語られている。渡邉は「周りを見ていろいろ発見してくれてるんです。私よりも精神年齢は上だなって思います」とし、小坂は「よく変なことをします。行動がおかしいんです」と、ボケ(渡邉)とツッコミ(小坂)の関係だと話す。また小坂が「基本、落ち着きがないですね。ずっと体を動かしてなきゃ渡邉美穂じゃない。私はじっと待っていられるタイプ」と二人の違いを語っていたのも印象的だった。また、小坂と渡邉は、オーディションの番号が15番・16番と隣り合わせで、最終審査の控え室も隣の部屋だった。そこで人見知りで全く人と話せなかった小坂に、渡邉がはしゃいで声をかけたというエピソードもあり、小坂が唯一頼りにしていたのが渡邉だったよという。「人見知りな小坂」と「グイグイくる渡邉」。その二人の関係性は、佐田と篠原とは真逆で面白い。

 「ハッピーオーラ」(けやき坂46)ではセンター加藤史帆の両脇に並ぶなど、けやき坂46時代は良きライバルとして切磋琢磨していた2人だが、日向坂46になってから他の二期生も台頭したきたことで関係性は変化。小坂はセンターとしてのプレッシャーと戦い、渡邉は2列目に悔しさを覚え、それぞれが苦しみを味わい成長した。

 『DASADA』では、一回り成長した小坂×渡邉コンビを見ることができる。小坂と渡邉を重要な役としてキャスティングしたのも、さらに表現力に磨きがかかった二人への期待があったからなのではないだろうか。実際に『DASADA』では、2人の演技力とバランスの良さが際立っている。時を経てタッグを組んだ小坂×渡邉コンビの特別感は、まさに“最強のふたり”といえるのではないだろうか。(本 手)

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