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「東京芸術祭2021」ラインナップ発表!「太陽劇団」20年ぶり来日

ぴあ

「東京芸術祭 2021」メインビジュアル

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国内最大規模の舞台芸術の祭典「東京芸術祭2021」が9月1日より11月30日開催される。7月2日に記者発表会が行われ、総合ディレクターを務める宮城聰らが出席した。

9月から3か月、計91日間にわたって開催される今年の芸術祭。27プログラムが東京芸術劇場、東京建物 Brillia HALL(豊島区立芸術文化劇場)など東京・池袋エリアにて上演・配信される。

「歴史のまばたき」が今年のテーマに掲げられているが、総合ディレクターの宮城は「舞台芸術というのは、異なるバックグラウンドの者たちが同じもので感動する、そのための最も有効なツールではないか? バックグラウンドの違いを超えて人間は理解し合えるのではないかという希望が一瞬わき上がる。この希望を忘れてはいけないと舞台芸術は常に訴えている」と語り、昨年来のコロナ禍により「人類史上初めて、地球上全部の劇場の幕が閉じてしまった、その“歴史のまばたき”の後で、もう一度、世界を見直した時、いままで『仕方がないよ』と受け入れていたことを『仕方なくないよ』『変えられるよ』と思えるかもしれない。舞台芸術の使命をもう一度、ポジティブに確認できるかもしれない。そういうトンネルの向こうを見ながら今年の芸術祭をやっていきたい」と力強く語った。

「東京芸術祭 2021」総合ディレクターの宮城聰

芸術祭は、舞台芸術の上演・配信や地域を巻き込んだ催しなどを行なう「東京芸術祭プログラム」と人材育成事業に重きを置いた「東京芸術祭ファーム」の2つの事業を軸に開催。前者の目玉とも言える上演では、世界的演出家アリアーム・ムヌーシュキンが率いる「太陽劇団(テアトル・デュ・ソレイユ)」が20年ぶりに来日し、世阿弥の足跡を辿っての佐渡への訪問や日本の芸能を精力的にリサーチして構想が固められた新作『金夢島 L’ÎLE D’OR KANEMU-JIMA』(仮題) が上演される。

太陽劇団『金夢島 L’ÎLE D’OR KANEMU-JIMA』パリ版ビジュアル

宮城ディレクターは「太陽劇団」について「世界にある様々な豊かな演劇、芸能の身体表現の蓄積を自在に使いながら集団で作品を作り、今日の世界を表現する――60年代に世界中の演劇人が夢見た演劇の理想像を2020年代に至るまで一貫してやり続けている。そういう劇団が現代に生き残っているということは、僕ら同時代に生きる人間にとってうれしいことであり、それこそ“いま、見ておかなければならない劇団”と言われる理由」と称賛の言葉と共に久々の来日への期待を口にした。

また、ワンコインで観劇できる演劇として行われてきた野外劇では、『ロミオとジュリエット』を池袋西口公園野外劇場「GLOBAL RING THEATRE」にて上演する。青木豪が上演台本、演出を務める本作は「女系一家・モンタギュー vs 男系一家・キャピュレット」をコンセプトに、ロミオを筆頭にモンタギュー家の面々を女性が演じ、ジュリエット以下キャピュレット家の配役を男性が演じることになっているという。フルオーディションにより14名のキャストが青木の下で、誰もが知る「ロミジュリ」をどのように表現するのか? 楽しみだ。

野外劇『ロミオとジュリエット』 Photo:安藤理樹
青木豪

このほか、近藤良平の構成・振付による『にゅ~盆踊り』、三浦直之率いる「ロロ」による『Every Body feat. フランケンシュタイン』、振付家・演出家・ダンサーとして幅広い活躍を見せるスズキ拓朗がシェイクスピアを独自に解釈したおどる演劇『十二夜』(仮)など演劇およびダンスの世界で注目を集める実力派が集結。さらに大人とこどもが共に学ぶ「としま親子小学校」など地域参加型のプログラムも開催される。

新型コロナウイルスの収束がなかなか見えない中、感染防止の対策をとった上での開催となる。宮城ディレクターは、7月から9月上旬にかけて東京オリンピック、パラリンピックが開催予定であることを踏まえ「バックグラウンドが違う人々が、ひとつの物差し(=ルール)で競えば、同じお皿に乗ることができるのがスポーツであり、そこに『スポーツが人々をまとめる』という機能がある」と語り「芸術は『人と人は違う』というところにスタート地点がある。人は(それぞれ)違うという、その異なり方を表現し、その上で『こんなに違っていても同時に感動したりするんだね』というかすかな希望を感じさせるのが芸術。スポーツと芸術はその機能が両極にあるからこそ補い合える。だから、僕らは『人は違う』ということをたじろがず言っていく使命があるし、そうすることで、オリパラと芸術祭が、規模の違いはあれども両輪としてバランスをとりうる関係になるのではないか?」と改めて芸術祭の開催の意義を訴えた。

「東京芸術祭2021」は9月1日(水)から11月30日(火)まで開催。

取材・文:黒豆直樹

【東京芸術祭2021 全 27ラインナップ】
  ■東京芸術祭プログラム
・太陽劇団『金夢島 LʼÎLE DʼOR KANEMU-JIMA』(仮題)
・野外劇 『ロミオとジュリエット』
・観劇サポート講座
・近藤良平・コンドルズ 『にゅ~盆踊り』
・みんなのシリーズ第六弾 能でよむ~漱石と八雲~
・みんなのシリーズ第六弾 能でよむ~漱石と八雲~ スペシャルトーク
・From the Farm
 『フレ フレ Ostrich!! Hayupang Die-Bow-Ken !』
・Hand Saw Press『つながる!ガリ版印刷発信基地』
・ロロ『Every Body feat. フランケンシュタイン』
・移動祝祭商店街 歩く庭
・おどる演劇『十二夜』(仮)
・Baobab『ジャングル・コンクリート・ジャングル』
・きたまり/KIKIKIKIKIKI『老花夜想(ノクターン)』
・民俗芸能inとしま2021まつりのおとがきこえる
・としまおやこ小学校
・第34回としま能の会
・ガチャガチャガチャ
・The New Gospel - 新福音書 –
・Me, My Mouth and I

  ■東京芸術祭ファーム
・Farm-Lab Exhibition
・Asian Performing Arts Camp
・ The City & The City: Mapping from Home
・制作インターン
・アートトランスレーターアシスタント
・Young Farmers Forum
・ダイアローグ・プラス
・学生観劇プログラム

  会場:東京芸術劇場、GLOBAL RING THEATRE(池袋西口公園野外劇場)、東京建物Brillia HALL(豊島区立芸術文化劇場)、あうるすぽっと(豊島区立舞台芸術交流センター)ほか 東京・池袋エリア

※やむを得ない事情により、変更の可能性があります。あらかじめご了承ください。

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