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大久保佳代子 (オアシズ)の 人生そろばん

「買う物別にない」を繰り返すと、逆に物が集まるようになる

毎週連載

第114回

21/3/14(日)

コロナ禍以降、我が家からリモートでテレビ出演することが結構ありました。私の部屋をみた人から「大久保さんの部屋、綺麗ですよね」なんて言ってもらうことが。でも寝室なんかは、愛犬パコ美用の30年くらい使っている汚い毛布があったり、敷いてあるラグマットもパコ美が爪でガシガシした跡だらけで、まずまず汚い状況に。さらに、もうひとつの部屋も「書斎」ってことにしていますが、本やCDが乱雑に山積みになっていて物置みたいです。

ただ、リビングは「物が少ないから綺麗に見える」というのはあるかもしれません。コロナ禍で、Amazonなどのネット通販で色んなモノを買ってストレス発散している人がいるようですが、私はほぼしないです。コロナ禍以降、ネットで買ったモノと言えば、リモート出演のために必要だった照明器具とWi-Fi機器、それとあまりにも汚くなっていたので10年ぶりに電子レンジを買い替えたくらい。私、やみくもに何かを買うという事がなくて。「物欲」がもともと薄い上に、年を重ねるとともにさらに下がってきているような。

先日も友達から「コストコ行こう」「IKEAに遊びに行かない?」と誘ってもらったのですが、「え? 何買うの?」「今、欲しいもの別にないし」とまったくノリ気にならなくて。でも、その友達だって「特別な何かが欲しい」と思ってコストコへ行こうとしているわけではないんですよ。「行ってみたら楽しい」「何か欲しい物があるかもしれない」という感じで行くのですが、私の場合は、まず買いたいモノがないなら行く必要がないと思ってしまって。なんかつまらない女ですね。

でも、「行かない」ことのメリットもあるんです。そうやって誘いを断ると、実際にコストコへ行って来た友達が「キッチンペーパー、たくさん買って来たから少しあげる」やら「冷凍パンもあげる」みたいな感じでおすそ分けが。我ながら、この貧乏根性はどうかと思いますが、ありがたい限り。

でも世の中には、「人にモノをあげたがる人」と「モノをもらいがちな人」がいると思うんです。私は間違いなく「モノをもらいがちな人」で。女性芸能人って化粧品をプロデュースしている人が多いのですが、やたらといただきますもん。肌は強いのでどの化粧品もありがたく使わせてもらっています。ここ数年、基礎化粧品は買ってないかも。

洋服、靴、カバンとかにしても、ブランドが良いとかこだわりが一切なくて。若い頃は、人目を気にしてある程度は良いモノを身に付けるようにしていたんです。洋服は1万円以上、靴は2万円以上、カバンは2~3万円くらいと決めて購入。そのレベルなら世間体はそんなに悪くないだろうという感覚で。なんか舐めてる女です。

でも、50歳手間にしてそれもなくなりつつあり、「他人からどう思われても、私は私だし」という諦めというか開き直るように。おばさん特有の図々しさもあるのでしょうが、私が何を着ていようと周りもさほど興味ないだろうし、着たいモノを着たほうが気持ち良いし。ここ最近は、愛犬パコ美のイラストが描かれたパーカーをヘビロテしてます。

「ブランドなんて興味ない。だって自分自身がブランドなんだから」と言うイタいおばさんまっしぐらな状況です。



構成・文:松田義人(deco)

プロフィール

大久保佳代子おおくぼ・かよこ

1971年、愛知県生まれ。相方・光浦靖子とともに、1992年にオアシズを結成。OLと並行してお笑い芸人として活動をし、2010年以降はお笑い一本に。数多くのレギュラー、連載を持つ。
http://www.p-jinriki.com/talent/oasiz/

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