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上白石萌音、『恋つづ』で佐藤健と大切にした感覚 「表現者である前に、人として豊かでありたい」

リアルサウンド

20/3/14(土) 7:00

 上白石萌音が佐藤健と繰り広げる胸キュンラブストーリー、火曜ドラマ『恋はつづくよどこまでも』(TBS系)も、3月17日についに最終話を迎える。第6話から4週連続で右肩上がりに視聴率を伸ばし、前回の第9話では平均視聴率14.7%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録する人気ぶりだ。

 これほど多くの視聴者の心を掴んだ大きな要因は、やはり上白石と佐藤の演技力の高さ。特に上白石が演じた主人公・佐倉七瀬は、ともすればあざとく見えてしまうドジっ子キャラ。それを佐藤扮するドSドクターの天堂から、そして視聴者からも愛されるヒロインへと昇華させることができたのはなぜか。そこには、上白石のある挑戦があった。

【写真】『恋つづ』天堂役、佐藤健の撮り下ろしカット

■「思ったことを口にする大切さを七瀬に教わりました」

――今日はよろしくお願いします。

上白石萌音(以下、上白石):こちらこそ、ご足労ありがとうございます。

――ご丁寧にありがとうございます! 少し古風な言い回しは、まるで七瀬のようですね。

上白石:うふふ。そうですね。七瀬も私も昭和な感じがあると、よく言われます。

――ほかにも佐倉七瀬というキャラクターを演じていて、ご自身との共通点を感じましたか?

上白石:七瀬には人のことを放っておけないところがあるじゃないですか。私は七瀬ほど行動派ではないけれど、人の痛みや悲しみには寄り添える人ではありたいと思いますし、改めて七瀬にそれを教えてもらった感じはありますね。やさしくありたいなと。あとは思ったことをすぐ口に出しちゃうところでしょうか。吉川愛ちゃん、堀田真由ちゃん、渡邊圭祐くんの同期組がみんなすごく大好きなので、会うと毎日ハグしちゃいます。「今日もかわいいよー!」って。

――吉川愛さんは「“かわいい”と言われるといつも困っちゃう」っておっしゃっていましたよ(笑)。

上白石:もう最近言いすぎちゃったのか、スルーされ始めて(笑)。「(そっけなく)ありがと」って。それでも懲りずに「かわいい!」って言っちゃうのは、七瀬と似てるかもですね! 『恋つづ』の現場は、本当に楽しくてみんな仲がいいです。誰とエレベーターに閉じ込められても、楽しく救助を待てる自信があります! あ、でも私は「かわいい」とは言えるけど、好きな人に「好き」ってなかなか言えないタイプなので。やっぱり、すごいと思います、七瀬って! 「好き」とか「ありがとう」と思ったら伝えたほうがいいんだなって、これも七瀬に教わったことです。思ってるだけで伝わることもあるけど、やっぱり口に出したほうが伝わるし、相手も嬉しいですよね。そしたら、もっと日本が恋であふれて、素敵になるのになーって思いました!

――もし上白石さんが七瀬の立場だったら、誰担になったと思いますか?

上白石:私ですか? 小石川担です! 小石川先生(山本耕史)カッコよくないですか? 酸いも甘いもすべてを知った大人っていう感じで。セリフもすごく素敵ですし。でも……はい……七瀬を演じている私としては、天堂担ですし……好きですよ! 実は最初のころ、ドSとかヤダなって思っていたんです。でも、ドSってただのラベルで、愛情表現の仕方のひとつなんだなって知ったので。そういうのがわかっちゃうと、いつも優しいよりも、たまに優しいっていうツンデレの強さも知りました。

■「健さんの作ったキュンを視聴者の方に届ける邪魔をしたくない」

ーープロデューサーさんが上白石さんを起用した理由に「イヤミのなさ」だとおっしゃっていました。ドジっ子の愛されキャラを演じる上で、気をつけたことは?

上白石:本当に塩梅が難しかったところです。やろうと思えば、いくらでもできるんですが、そうすると「いや、こんな子いないでしょ」って観てくださっている方がシラケてしまったら台無しなので、漫画的なコミカルさを残しながら、成長の伸びしろを感じさせるにはどうしたらいいかをものすごく意識しました。特に序盤は失敗ばかりで、医療の現場なので笑えないものも多くて。これは、どう消化していけばいいのかと悩んでいたんですけど、みなさんにも意見を仰ぎつつ、そこは胸をお借りしてやろうとは思っていたんですが、やっぱり掴むまでは難しかったですね。

――具体的にここを意識したという点を聞かせてもらえませんか?

上白石:まずは声ですね。第1話のころとか「好きです!」「何でもやります!」みたいな、言葉よりも魂が先走っちゃってる感じでセリフを発していました。ちょっと忙しないトーンで、その音だけでも「大丈夫?」って周りが不安に思うような感じに。でも、徐々に愛を知って、ちゃんと自分の中にいろんなものが収まってきて、落ち着いた音程とか、息遣いなどで表現していきました。これも声優業をやらせていただいた経験が活かされていて。アテレコのときって「もう5歳上げていきましょう」とか「色を明るくしてください」とか、声色を探る時間があるんですよね。それはドラマでも同じことだなって思ったんです。どこまで伝わっていたかはわからないですが、声はすごく大事にしています。

――なるほど! 確かに、天堂先生や患者さんとの会話も落ち着きましたもんね。

上白石:ありがとうございます。それと七瀬は、やっぱりウブなので“慣れてない”っていうのがキーワードなのかなって。どのお芝居でもそうなんですが、何回もテイクを重ねるわけで、やっぱり最初の反応がリアルなんですよね。特に胸キュンシーンとかは、とにかく反射なんですよ。肩がピッてなったり、目の奥がパッと開いたり。そういうものを毎回鮮度を保つのが大事でしたね。だから、カットがかかったら毎回記憶を1回全部消すようにしてました。「何も覚えてませーん」みたいな! 胸キュンって基本突然くるものなので。“来る”ってわかってるような空気が出ちゃったら、それを見ている人の感覚とズレちゃうじゃないですか。健さんからのキュンが私をはさんで視聴者の方に届くわけなので。とにかく私は、その邪魔になりたくないと思って取り組みましたね。

――逆に、ホテルで寝落ちのシーンは?

上白石:もちろん、起きてました(笑)。でもそこはむしろピクッてなったらダメだって、反射が出ないようにしていました。意識を飛ばすのが、大変でした。

――ストレートにキュンが届くのは、そんな試みがあったからなんですね。視聴者の方の反応は届いていますか?

上白石:大学とか高校のときからの友達から、放送終了後に毎回LINEが届きます。でも、みんな取り乱してて(笑)。「あああああー!」とか「ぎゃーーー!」みたいなのばっかりですね。のっけからキスの嵐だった第7話の反響が特にすごくて。そういうリアルタイムな熱をダイレクトにもらえるのは、やっぱり連ドラならではだなって思いました。

■「あらゆるものがキュンにつながる、天堂先生はオペの天才です!」

――いろんなキスシーンがありましたが、印象的な場面はありましたか?

上白石:やっぱり第4話の「これは治療だ」のキスですかね。七瀬にとってファーストキスだったので。実は、このシーン、雨で2回くらい撮れなかったんですよ。1日目は雨だから調整しようってなって、2日目に現場に行って待ってみたけど「ダメだ」ってなって。だから、みんなに「焦らされてるね」って言われながら3度目の正直で(笑)。七瀬的にもメモリアルですし、あそこからストーリーが一気に加速していったので、あの夜は印象深いですね。

――佐藤さんのアドリブも多くあったとお聞きしましたが。

上白石:毎回「今日はどんな感じなんだろう」って思いながら現場に行ってました。健さんの出方を見て、じゃあ私はこうしようって。健さんの作ったキュンを、視聴者のみなさんがそのまま受け取れるように、どういうふうに反応したらいいのかって考えながらでしたね。でも、基本受け身だったんですが、だんだん七瀬も積極的になっていって。そこで改めて健さんの凄さを痛感しました。美しいキスシーンは、考え抜かれて生まれるんだなって。

――回を重ねるごとにコンビネーションがよくなっているように見えたのですが、現場ではどんなお話を?

上白石:「花粉が辛い」とか、そういう他愛もない話ばかりです。すごく柔らかい方なので。全然魔王じゃないですよ! 健さんも私も自分から盛り上がろうぜっていうタイプではないので、温度感はとても心地良いですね。たぶんそういう風に空気を作ってくださってるんだと思うんですけど。テストでも、お互いに演じてみて、健さんがポッとアドバイスをくれたりとか。話し合いを重ねて……というよりも、その場で生まれるものを大事にしている感じでした。第8話で、家事をしていた七瀬を天堂先生が呼び寄せて、髪を解くシーンがあったと思うんですが、あれも「もっとキュンキュンさせられるね」って言って、あのシーンが生まれたんです。台本にないセリフや動きを考えるのは、私たちは「オペ」って呼んでるんですけど、本当に天堂先生はオペの天才です(笑)。どんどん発想が出てきて、健さんにかかればあらゆるものがキュンに結びつくんだって、勉強になります、本当に。

――これまで胸キュンシーンがたくさんありましたが、一番演じていてドキドキしたのは?

上白石:キスよりも、私はハグのほうがキュンキュンしましたね。第8話のバックハグとか。あったかーいって思っていました。背中に貼ったカイロが密着したからかもですが(笑)。

■「作品のスパイスになる、山椒のような女優さんに」

――佐藤さんをはじめ、他の共演者さんにインタビューをしたところ、みなさん上白石さんの気遣いや明るさに救われているとお話していました。

上白石:本当ですか、これはこれはありがたい限りです。私は、気を抜くと、すみっこのほうで、膝を抱えているようなタイプなんですよ。真ん中に立つ器じゃないなって思っているので。でも、今こうして誰よりも長く現場にいさせてもらっているので、ちょっと眠くてもニコニコして現場にいたいなって思っていたんです。どよんっていう空気って無意識に広がっちゃうと思うので。でも、もうそう意識をしなくても、みなさんすごく良い方ばかりで、無理してるわけじゃなくて、ニコニコして過ごすことができました!

――これからどのような女優さんになっていきたいとお考えですか?

上白石:『舞妓はレディ』という映画が、私の中のターニングポイントになっていて。あの作品がなかったら今の私はいなかったと思います。一緒にキャンペーンを回っているとき、静岡でうなぎを食べながら周防正行監督が「萌音ちゃんは山椒のような女優さんになりなさい」って言ってくださって。15歳の私にはちょっと難しくて「そ、その心は?」と聞いたら、「山椒は小粒でピリリと辛い」っていうように、私は体も大きくないし、派手でもないけど、なんかいるなっていうちょっとした存在感を放つ人。なくてもいいけど、あるともっといいよねっていうスパイスのような女優さんになれたらいいねと。大きく見せようとか、自分にない派手さを出したいとか、作品によっては必要ですけど、この体でできることがあるんじゃないかなって。その言葉は、ずっと心に置いてます。

――そのために、意識されていることはありますか?

上白石:表現者である前に、やっぱり人として豊かでありたいなと。ちゃんと感動できて、ちゃんと悲しめて。心身ともに健やかな女性であること。あとは、演じるのは普通の人が多いので、「普通ってなんだろう」っていうのは、常に考えています。学校の友達と遊ぶ時間は、一般的な感覚を忘れたり、鈍ったりしないためにもすごく大切だなって。美術館に行って、昔の人はこういう目線だったんだなとか、人間って基本は何も変わらないんじゃないかなんて考えるようにもしています。

ーーありがとうございます。上白石さんのこれからも楽しみです。そして、まずは最終回も、たくさんの方が待ち望んでいらっしゃると思うので、メッセージをお願いします。

上白石:はい、やっぱりこのドラマを作ってくださっているのは、観てくださっているみなさんだと思っています。毎週、観終わった後に届く声や反響が、現場にいい風を吹かせてくださるし、その声に後押しされて現場でもいろんなものが生まれてきました。本当に、みなさんと共に作ったドラマだと思いますので、その最終回は存分にキュンキュンしていただき、ドラマが終わった後も心の中に七瀬と天堂先生が生き続けてくれたらいいなと思います。最終話、よろしくお願いいたします!

(佐藤結衣)

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