新たな才能を発掘・育成する!
『ndjc:若手映画作家育成プロジェクト2021』特集
『ndjc2021』監督・応募意思の連絡締め切り:5/31(月) 応募書類の締め切り:6/4(金)
公式サイト/募集要項/SNS
若手映画作家の発掘・育成を目指し
作家性や映像製作技術を磨くプロジェクトが今年も参加作家を大募集!
2006年度のスタートから今年で16年目を迎えた映画作家の人材育成事業『ndjc:若手映画作家育成プロジェクト』が、今年も参加作家を大募集!
ndjc(New Directions in Japanese Cinema)は、文化庁から委託を受けてVIPO(映像産業振興機構)が運営する人材育成事業。プロのスタッフ指導のもと行われるワークショップや、オリジナル脚本での映画製作をとおして、新たな才能を発掘・育成し、日本映画の活性化を目指していく。参加作家には作品発表の場が提供されるなど、人脈作りの場ともなる。
また、『浅田家!』の中野量太監督や『泣く子はいねぇが』の佐藤快磨監督、『あのこは貴族』の岨手由貴子監督などndjc出身監督が近年目覚ましい活躍を見せていることも特筆すべき点だ。今年の秋だけでもndjc出身監督による劇場映画が4本ほど公開を控えており、今後どんな活躍を見せてくれるのかも注目したい。
本特集では、そんな映画業界も注目するプロジェクトをご紹介。さらに、ndjc出身で9月10日に『先生、私の隣に座っていただけませんか?』の公開を控える堀江貴大監督にもインタビューを敢行! ndjcの魅力を存分に紐解いていく。
ndjcのココがすごい!
未来の映画監督、必見!
①充実のワークショップが受けられる!
2006年のスタートから15年間で73名の映画監督を育成し、そのうち今年の公開作も含めると、29名もの監督が長編商業デビューを果たしている本プロジェクト。各団体などから推薦を得た、35歳未満の応募者の中から選ばれた作家は、まずはワークショップに参加することになる。
ワークショップでは、7月に同一の課題・条件のもと5分間の短編を制作。プロデューサー、脚本家、編集技師といったプロの講師陣による指導を受けることができるうえに、仲間や人脈を広げるチャンスでもあり、映画監督を目指す者ならぜひ経験したい貴重な機会となっている。
昨年は、新型コロナウィルスの影響で例年とは異なる大変な状況ではあったが、感染症予防対策を十分に行ったうえで実施。今年も同じく安全対策万全で行う予定だ。
②プロからの講評を受けられる作品発表の場も!
続いて8月~翌年1月にかけて行われるのが、ワークショップ参加作家の中から選ばれた数名が参加できる製作実地研修だ。本研修では、自身のオリジナル脚本を基に、脚本家や映画監督、プロデューサーの指導を経て、制作プロダクション(昨年度は、アルタミラピクチャーズ、シネムーブ、角川大映スタジオという制作プロダクションが参加)や俳優たちと共に、25分以上30分以内の劇映画作品を製作する。
ここで完成された作品は、映画関係者、マスコミ等を対象とした合評上映会をはじめ、プロジェクト検討委員・脚本指導者による講評会の実施、一般向け劇場公開、さらには国内外の映画祭への出品といった発表の場が提供されることも。プロの指導のもと、フレッシュな感性が作り上げた個性豊かな作品は、映画作家としての自信にもなり、最高の名刺代わりにもなる。
③目覚ましい活躍を見せるndjc出身監督たち
近年、日本映画界におけるndjc出身監督の活躍ぶりが目覚ましい。直近公開予定の作品だと、ndjc2015参加の堀江貴大監督が黒木華&柄本佑W主演で贈る新作『先生、私の隣に座っていただけませんか?』が9月10日(金)に、ndjc2009 参加の金井純一監督によるムロツヨシ初主演映画『マイ・ダディ』が9月23日(木・祝)に公開される。
2008年ndjcに参加し、35mmフィルムで製作した短編『琥珀色のキラキラ』が高い評価を得た中野量太監督は、2016年『湯を沸かすほどの熱い愛』で日本アカデミー賞をはじめとした賞レースを席巻。その後、『長いお別れ』(2019年)、『浅田家!』(2020年)と立て続けに作品を発表するなど、めきめきと頭角を現してきた。
そのほかにも、長澤まさみ、高橋一生主演の話題作『嘘を愛する女』(2018年)や西島秀俊×内野聖陽主演で人気を博したドラマの劇場版『きのう何たべた?』(2021年公開予定)の中江和仁監督や、ndjc作品初の長編化『おいしい家族』(2019年)で商業デビューを果たしたふくだももこ監督、人気俳優・中村倫也を主演に迎え、監督発案のオリジナルストーリーを映画化した『水曜日が消えた』(2020年)の吉野耕平監督など次代を担う注目監督が本プロジェクトから多数輩出されている。
PFF(ぴあフィルムフェスティバル)出身監督もndjcに参加している!
若手監督の登竜門として知られる自主映画の祭典PFFは実はndjcとの接点が多く、多数の出身監督がndjcに参加している。
ndjc2015に参加し、『壊れ始めてる、ヘイヘイヘイ』を製作した佐藤快磨監督もPFF出身監督のひとりだ。監督の出身地でもある秋田県のナマハゲに着想を得て書き下ろしたオリジナル脚本による『泣く子はいねぇが』は、是枝裕和監督率いる映像制作者集団“分福”が全力でバックアップし、昨年晴れて長編劇場映画デビュー! 本作はカンヌ、ヴェネチア、べルリンに次ぐ権威ある映画祭、サン・セバスティアン国際映画祭のオフィシャルコンペティション部門にて、最優秀撮影賞受賞という快挙を達成した。
また、ニヒリストの女子高生あみこを鮮烈に描いた『あみこ』で、PFFアワード2017・観客賞を受賞した山中瑶子監督は、PFFからの推薦を受け、ndjc2019に参加。その他にも、前述した中江和仁監督や、今年の3月26日(金)に公開した『きまじめ楽隊のぼんやり戦争』の池田暁監督、昨年はndjcに参加した3名の監督のうち植木咲楽監督と志萱大輔監督の2名がPFF事務局の推薦を受けて参加している。
ndjc2021で貴重な経験を積もう!
映画監督を目指す者にとって、貴重な経験を積めるうえに、人脈作りにも役立つndjcは、映画業界も大注目のプロジェクトだ。参加するためには、映画関係団体等からの推薦を得ることや年齢制限など、応募要件がいくつかあるので、応募要件をよく確認し、夢の第一歩を踏み出そう!
【ndjc2021 応募要件】
①日本国籍又は日本の永住資格を有すること。
②2021年3月31日時点で35才未満(1986年4月1日以降生まれ)の年齢条件を満たすこと。
③過去に商業用長編映画(※1)の監督経験がある者、今後その予定がある者は除く。
(※1)東京都内で、1日3回、2週間を超えて、商業映画館にて上映された40分以上の劇映画作品。判断に迷う場合は、事前に事務局までお問い合わせください。
④過去に、当プロジェクトにおいて製作実地研修を行ったことのある者は除く。ただし過去のワークショップまでの参加者については再応募可。
⑤以下のいずれかに該当すること。
(1)製作した映像作品等で評価を得た実績のある者(映画祭等での入選等)
(2)商業映像等、映像製作分野での優秀な実務実績のある者(※2)(助監督、CMディレクター等も可)
(※2)判断に迷う場合は、事前に事務局までお問い合わせください。
⑥育成対象は、作家個人とする(グループでの応募は不可)。
⑦応募は、団体等の推薦によるものとする。
(推薦ができる団体等については、募集案内PDF P5「Ⅱ.作家の推薦をおこなう団体の皆さまへ」を参照)
⑧応募時に以下を提出すること。(詳しくは、募集案内PDF P6「Ⅲ.応募書類の提出方法」を参照)
(1)製作実地研修で製作したい作品の脚本・企画意図・プロット。
●ストーリーのあるオリジナルの実写映画に限定し、上映時間はクレジット等全てを含め、25分以上30分以内とする。本事業の趣旨に鑑み、年齢等による鑑賞制限がかからず、広く発表できるものを前提とする。
※特定の思想、宗教を勧奨、或いは誹謗中傷するものは不可。
※既存の著作物の使用・引用は、自身が過去に制作したものを含めて不可。
●脚本は、参加作家自身が執筆する。ただし作家が創作の主体である場合は、共同脚本も認める。
●製作実地研修における指導の過程で、改訂が求められることを承諾すること。
(2)入選等の実績を証明するものや、これまでに製作した映像作品(実績等がある場合)
⑨学生または会社・団体等に所属する者は、ワークショップ及び製作実地研修の参加について、学校または会社・団体等の承認を得ていること。
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