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Maison book girl結成6周年で楽しく無観客ライブ、7年目に向けてエレベーターはさらに上へ

ナタリー

20/11/6(金) 21:46

「夢の中へ」を歌うMaison book girl。

Maison book girlにとって3回目の無観客配信ライブ「NOW OFF AIR! presents Maison book girl 6irthday LIVE」が、結成6周年の記念日である昨日11月5日に開催された。

8月に開催された無観客配信ライブ「孤独な箱で」では、チェキで撮った写真を逆再生した映像などを挿入し、配信でしかできない演出でパフォーマンスを届けたブクガ。今回のライブは6周年を迎える彼女たちを祝福すべく、Amazon Prime Videoにて配信されている彼女たちのドキュメンタリー「Pick Ups! -Maison book girl-」やバラエティコンテンツ「Maison book girl NOW OFF AIR!」を手がける、濱田禮徳監督をはじめ同番組の制作スタッフが集結した。開演10分前からはメンバー4人のスペシャルコメントが配信され、和田輪はこれから始まるライブの内容について「めちゃめちゃ長編のMVみたいな」と表現。井上唯は結成6周年を迎えたことについて「6年も一緒にいるの? 絆じゃん」と言って笑った。

ライブ開始後に画面に映ったのは、6本のロウソクを灯してテーブルに置かれたバースデーケーキと、ペストマスクと白い布をまとった2人の人物。ペストマスクの人物がハサミを握ってケーキを切り分け、その様子をブクガの4人は周りで黙って見つめていた。ペストマスクを被った2人がその場を離れると、4人はかすかに水が張られた床に立ち、揺れる水面の上でゆっくりと、最初期の曲「my cut」のバラードバージョンである「MORE PAST」を歌い始めた。

2曲目の「screen」が始まると、4人がパフォーマンスをする薄暗い部屋の中に雪のようなものが降り始める。続く「snow irony」では雪が雨に変わり、メンバーのステップで床の水が蹴り上げられることもあって、徐々に4人の衣装や髪がずぶ濡れに。雨の勢いは増し続けて「狭い物語」で土砂降りになり、音圧のあるトラックをかき消さんばかりの強い雨音が部屋に響いた。彼女たちは雷雨の中で、濡れた床にうずくまりながらエモーショナルに絶唱。矢川葵が落ちサビを歌い上げると、場面は東京・東京キネマ倶楽部に切り替わった。

ゴシック調なモノトーンの新衣装を着た彼女たちは、2階席の手すりに鎖で手を縛られた状態で椅子に座り、気だるげな表情で「最後のような彼女の曲」を歌唱。必死でもがいて鎖を外し、ケーキと紅茶の置かれたテーブルに席を移す。

その後「レインコートと首の無い鳥」が会場に流れ、席を立ったメンバーはいつの間にかキネマ倶楽部のステージに。不穏な雰囲気をまとった黒いペストマスクの人物に2階から見下されながら、4人はステージで華麗に舞った。そのまま「karma」「veranda」と続くが、「townscape」の終盤で画面が時折メンバー視点の映像に切り替わり、ライブカメラに戻るたびに1人ずつステージからメンバーが消失。最終的に誰もいないステージに歌声だけが響き、誰の視点なのかわからない主観映像が流れた。

画面が真っ白な部屋に切り替わり、真っ白な衣装を着て髪も肌も粉で白くなった4人が「闇色の朝」を歌い始める。そしてこの曲のミュージックビデオと同様に、最初のサビを歌い終えたところで画面がフリーズ。スタートに戻って2周目が始まるが、またも同じところで曲が止まってしまい、場面は4人が東京キネマ倶楽部で「闇色の朝」を歌う映像に切り替わった。彼女たちは今度こそ「闇色の朝」を最後まで歌いきり、次の曲「長い夜が明けて」に突入。曲の終盤のブレイクで画面が暗転し、そのまま曲は終了してポエトリーリーディング「告白」が始まった。

ピアノ演奏によるインストの新曲「GHOST」が流れる中、花を持って踊るメンバーのセピア色の映像を挟んで、キネマ倶楽部でのライブが再開。カラフルな新衣装で「悲しみの子供たち」のパフォーマンス中の配信画面にサイケデリックなアニメが合成され、混沌とした曲の世界観が視覚化された。そしてその後に披露されたのは、これまでに2015年の初ワンマンなど何度かだけセットリストに入ったことがある、井上陽水「夢の中へ」のカバー。彼女たちはスマホのカメラに向かって、自撮りをするように自らをアピールしながらキュートに歌い踊り、それまでのライブとの激しい温度差で視聴者の心を揺さぶった。曲が終わりカメラに笑顔で手を振る4人だが、続く「ボーイミーツガール」のイントロが流れると、一瞬にして普段のブクガのモードに。そして「言選り」を歌い終えて、4人は視聴者に向けてMCを始めた。

井上は「6年は長いような短いようななんですけど、6年間ずっと好きな人も、昨日ブクガを知って今日観た人も、7年目ということで末永く愛していただけるとうれしいです」と挨拶し、矢川は「今まで6年も何かを続けてこれたことがなくて、こんなにもやりたいと思ってることをずっと続けてこれたのが幸せだなと思ってて。それを支えてくれたのはここにいるスタッフさんや観てくれてる皆さんのおかげだと思ってます」と感謝。和田は「今日すごく楽しかったんですけど、完全に無観客のライブで楽しくなれるってけっこうすごいことだと思うんですよ。今まで6年間やってきて、皆さんが客席でシーンとしてても楽しいって伝えてもらってたし、私たちも、ここにいる人たちとなら楽しんでもらえるライブが作れるって、信頼できるようになったってことなんだなって思いました」と語った。コショージメグミは「ワンマンを重ねるごとに『もうできることはないんじゃないか』って思うくらい全部出してきたんですけど、手伝ってくださる方が何倍にも膨れ上がってるから、それによって『まだできることあるじゃん』って思えるんですよ。今日で6年だけど、これから先も、自分たちの力ではできないかもしれにけど、みんなに助けてもらったりしていいものが作れたらいいなと思いました」と感極まりつつ話したが、最後に「6年目もよろしくお願いします」と挨拶し、矢川と和田から一斉に「7年目ね」とツッコまれていた。

そして最後に彼女たちは、MCでの和やかな雰囲気を残したまま「ノーワンダーランド」を披露した。終盤にフロアに降りた4人はカメラを円形に囲んで「君の声が近くで聞こえて涙を流す」と笑顔で歌唱。緊張感に満ちた普段のブクガのライブとはひと味違うさわやかな余韻を残しながら、6周年を祝うライブを締めくくった。歌い終わると4人はフロアを飛び出してエレベーターに乗り、カメラに向かって手を振りながら扉を閉めた。キネマ倶楽部のある6階から下に降りるのかと思いきや、エレベーターの階数表示ランプは上を指し、彼女たちは屋上へと登っていく。ブクガがさらなる高みに上る予感を視聴者に抱かせながら、1時間半におよぶ配信ライブは終了した。

なお、このライブは11月19日(木)23:59までアーカイブを配信中。Amazon.co.jpで販売されているステッカー、もしくはステッカー&パンフレットセットを購入した人のみ視聴することができる。

Maison book girl「NOW OFF AIR! presents Maison book girl 6irthday LIVE」2020年11月5日 セットリスト

01. SIX
02. MORE PAST
03. screen
04. snow irony
05. 狭い物語
06. 最後のような彼女の曲
07. レインコートと首の無い鳥
08. karma
09. veranda
10. townscape
11. 闇色の朝
12. 長い夜が明けて
13. 告白
14. GHOST
15. 悲しみの子供たち
16. 夢の中へ
17. ボーイミーツガール
18. 言選り
19. 鯨工場
20. ノーワンダーランド
end roll. Fiction(inst)

撮影:藤川一樹 / 平野明

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