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サザンオールスターズ、夜明けを祈った年越しライブで再会約束「その日は必ずやって来る。死ぬなよ!」

ナタリー

21/1/1(金) 13:28

桑田佳祐(Vo, G)(撮影:西槇太一)

サザンオールスターズが12月31日から1月1日にかけ、無観客年越しライブ「サザンオールスターズ ほぼほぼ年越しライブ 2020『Keep Smilin'~皆さん、お疲れ様でした!! 嵐を呼ぶマンピー!!~』supported by SOMPOグループ」を開催した。

世界中が新型コロナウイルスの脅威にさらされた2020年、サザンはデビュー記念日である6月25日に神奈川・横浜アリーナで初の無観客配信ライブ「サザンオールスターズ 特別ライブ 2020 『Keep Smilin'~皆さん、ありがとうございます!!~』」を開催。コロナ禍で通常の公演の実施が困難な状況の中、いち早く大規模な会場を使って行われたこの配信ライブは推定視聴者数が50万人を超えるほど大きな話題を集めた。そして今回、サザンは半年前と同じ横浜アリーナから配信という形で年越しライブをファンに届けることに。サザンが年越しライブを実施するのは2014年に行われた「サザンオールスターズ 年越しライブ2014『ひつじだよ!全員集合!』」以来6年ぶりのこと。日々状況が変化する新型コロナウイルスの影響も踏まえて直前に収録されたライブの模様を配信する形が取られたため、当日はメンバーもファンと気持ちを1つに、サザンのライブを見届けた。

配信が始まると、画面に映し出されたのはこたつでくつろぐ桑田佳祐(Vo, G)、関口和之(B)、松田弘(Dr)、原由子(Key)の姿。大晦日をのんびりと過ごす4人はUber Eatsで年越しそばを注文しつつ「サザンのライブを観ながら年越しするなんて初めてだよね」と談笑している。するとそこにやって来たのは、デリバリーサービス「ケーガーニーツ」の配達員に扮した野沢秀行(Per)。彼が桑田に届けたのは、バンドを年越しライブの舞台へと誘う“マンピーのカツラ”だった。

カメラは会場の横浜アリーナへと切り替わり、桑田のうなるスライドギターと共にライブは「ふたりだけのパーティ」で幕を開けた。ブラスサウンドが華やかに歌声を彩るこの曲で冒頭からコメント欄を熱狂させたサザンは、盤石のアンサンブルで「My Foreplay Music」を続ける。続く「東京VICTORY」ではステージ後方の球体ビジョンに大きな地球が出現。回る地球の下、スタッフチームも大きな手拍子で演奏を彩る。無数のライトが設置された客席のセンターエリアには「2020」という数字が浮かび上がり、まっすぐにポジティブなメッセージを歌い上げる桑田は、最後のパートを「皆さんよいお年を迎えましょう!」と歌い替えた。

3曲を終えてのMCで、桑田は「この1年本当におつかれさまでした」と視聴者にねぎらいの言葉を投げかけた。そして「不安で心休まることのない1年だったと思います。医療従事者、エッセンシャルワーカーの皆様に感謝を申し上げます」と続けると、この日のステージについて「全国のファンの皆さんの魂と共に、半年ぶりにこの横浜アリーナに帰ってまいりました。来年こそは幸せな年でありますように、祈りを込めて。サザンオールスターズ、新たなる素晴らしい夜明けに向けて、楽しく過ごして参りたいと思います!」と誓う。

続くセクションではファンキーに年の瀬の情景を歌い上げる「いとしのフィート」、流麗なメロディとファルセットを織り交ぜた繊細なボーカルに会場がスイートなムードで満たされた「あっという間の夢のTONIGHT」など、1970~80年代に発表された懐かしの楽曲が連投され、コメント欄が「懐かしい!」「最高!」という声でいっぱいに。コアなファンも唸る選曲となった「夜風のオン・ザ・ビーチ」では夜の帳を思わせる逆光の照明にメンバーのシルエットがシャープに浮かび上がり、バンドは濃密なセッションで楽曲の世界観をディープに表現していた。

「Ya Ya(あの時代[とき]を忘れない)」は原の奏でる流麗なピアノの音色が際立つドラマティックで荘厳なアレンジが施され、会場全体に瞬くライトでステージが星空に浮かんでいるかのような照明演出の中、桑田と原は美しいハーモニーを響かせた。メンバー紹介では8月に右肩の手術を受け、この日が復帰一発目のライブとなった松田がパワフルなドラミングで完全復活を印象付ける場面も。そしてその後も、スペイン語で情熱的に歌う「愛は花のように(Ole!)」、サイケデリックな世界観が爆発する「世界の屋根を撃つ雨のリズム」と、バンドは振り幅の広すぎる選曲で視聴者の感情を絶えず揺さぶり続ける。「栄光の男」ではステージ上方の球体ビジョンに満月が浮かび上がり、桑田は哀愁のにじむ歌声と演奏で曲の主人公の感情の機微を表現していた。

シンボリックなギターイントロと共に「LOVE AFFAIR~秘密のデート~」がプレイされるとライブも佳境。ステージの奥には横浜の名所の夜景が次々と映し出され、ステージを歩きながら歌声を響かせる桑田はいくつものミラーボールの光に照らされた客席へ向けて何度も手を振った。続く「ボディ・スペシャルII(BODY SPECIAL)」では序盤のジャジーなアレンジからパワフルなロックへ鮮やかに展開する仕掛けがファンの熱狂を誘い、桑田の歌に合わせてタイムラインには「Oh, yeah!」「Oh, no!」というコメントが並ぶ、距離を超えた大きな一体感が作り上げられた。

仮面の女性ダンサーがワイヤーアクションで横浜アリーナを妖艶に舞った「エロティカ・セブン EROTICA SEVEN」がドロップされるとステージの上は一層熱を帯び、桑田も歌いながらハイキックを繰り出すエネルギッシュなパフォーマンスを見せる。「BOHBO No.5」で情熱的なシャウトを決めた桑田はカメラを指差し「スタンド、アリーナ、画面越し、その日は必ずやって来るぞ!」と叫んだ。そして本編ラストの「マンピーのG★SPOT」でいよいよ年越しのカウントダウンへ。日本各地のお祭りの装束をまとったダンサーが舞台上や客席に大挙して大騒ぎを繰り広げる中、額に「嵐」の文字が刻まれたカツラを装着した桑田はクレーンに乗って大量の紙吹雪を横浜アリーナに撒き散らした。最高潮の盛り上がりの中、景気よく晴れやかに2021年を迎えたサザンオールスターズ。曲を終えると桑田は「画面越しの皆さん! 横アリに来てくれたそれぞれの魂たちよ、ありがとうございます! エンタメ業界は負けないからな!」と画面に向かって力強く訴えかけた。

アンコール、2021年の1曲目として届けられたのは「希望の轍」。アリーナエリアにも設置されたいくつものスポットライトが輝く道筋を作り上げ、明日への思いを歌に込める桑田の姿をまぶしく照らした。「夕方 HOLD ON ME」を歌い終え、桑田は「今年こそはこの場所で、皆さんに直にお会いしたい! 改めて、今年もよろしくお願いします」と思いを語る。そして「2021年は日本中に笑顔があふれたらいいなと、そんな願いを込めて。日本中に幸せが舞い降りますように、歌わせていただきます」という言葉と共に披露されたラストナンバー「勝手にシンドバッド」で桑田は2番のAメロを「暮れも正月もなく 人の命守る 医療従事者の皆さん そして家族のみんなを守ろう 収束が見えてこない みんな苦しいけど コロナ禍を乗り越えて いつか素敵な未来を迎えよう」と歌い替え、「素晴らしい1年を。死ぬなよ!」という力強いメッセージと共に新型コロナウイルス感染症の収束を願いながら年越しライブを締めくくる。サザンがステージをあとにすると、配信画面には、疫病退散と2021年の再会を願って北海道・札幌市、岩手県・陸前高田市、神奈川県・茅ヶ崎市、愛知県・名古屋市、滋賀県・大津市、宮崎県・宮崎市の6カ所で打ち上げられた花火「みんなで上げよう!! 全国Keep Smilin'花火」の映像がファンに贈られた。

各配信プラットフォームでは、1月7日(木)23:59まで本公演の見逃し配信を行っている。視聴チケット販売期間は1月7日(木)21:30まで。チケット購入などの詳細は、ライブの特設サイトで確認しよう。

サザンオールスターズ「サザンオールスターズ ほぼほぼ年越しライブ 2020『Keep Smilin'~皆さん、お疲れ様でした!! 嵐を呼ぶマンピー!!~』supported by SOMPOグループ」2020年12月31日 セットリスト

01. ふたりだけのパーティ
02. My Foreplay Music
03. 東京VICTORY
04. いとしのフィート
05. 恋するマンスリー・デイ
06. あっという間の夢のTONIGHT
07. 君だけに夢をもう一度
08. 夜風のオン・ザ・ビーチ
09. LONELY WOMAN
10. Ya Ya(あの時代を忘れない)
11. 愛は花のように(Ole!)
12. 走れ!!トーキョー・タウン
13. 世界の屋根を撃つ雨のリズム
14. 栄光の男
15. はっぴいえんど
16. LOVE AFFAIR~秘密のデート~
17. ボディ・スペシャルII(BODY SPECIAL)
18. エロティカ・セブン EROTICA SEVEN
19. BOHBO No.5
20. マンピーのG★SPOT
<アンコール>
21. 希望の轍
22. 夕方 HOLD ON ME
23. 勝手にシンドバッド

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