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『ルパンの娘』瀬戸康史が感じたコメディの醍醐味 「人を泣かせるのは簡単で、笑わせるのは難しい」

リアルサウンド

19/7/25(木) 8:00

 泥棒一家vs警察一家のロミオとジュリエット展開が繰り広げられている木曜劇場『ルパンの娘』(フジテレビ系)。第1話から濃いキャラクターたちの登場に圧倒され、『テルマエ・ロマエ』『翔んで埼玉』などのコメディ作品を手がけてきたスタッフたちの笑いの手にかかっている視聴者も続出している。そんな本作でのロミオ=桜庭和馬役の瀬戸康史にインタビューを行い、コメディドラマ現場での学びについて語ってもらった。(編集部)

【写真】瀬戸康史と深田恭子のキスシーン

■「ディズニーの王子様っぽく」

――キャスト発表の際、“武者震い”とのお言葉がありました。

瀬戸康史(以下、瀬戸):「人を泣かせるのは簡単で、人を笑わせるのは難しい」と、役者を始めた17歳くらいの時に噂で聞いたことがあって。今14年くらいやっているけど、本当にそう思っているんです。その中で本格的なコメディ、しかも武内(英樹)監督ということで、ちょっと怖さもあり、役者として挑戦にもなる作品でもあるので、期待と不安が入り交じったような感覚ですね。

――以前から、武内監督とご一緒したかったそうですね。

瀬戸:『翔んで埼玉』も観ましたが、今ノリに乗ってますし、自分としても挑戦してみたい方でした。どういう演出をされるのか、コメディをどう作っているのかが知りたくて。クランクインしてみたら、“笑かそう”というのは本当にいらないんですよね。それだとコントに近くなってしまうので、逆にイヤらしさが出て視聴者が笑ってくれなくなる。照れくさいシーンもあるけど、真剣に演じていれば笑える。それがおもしろいと信じてやっています。

――撮影を終えた中で、とくに印象的だったシーンを教えてください。

瀬戸:深田(恭子)さん演じる華との出会いのキスシーン。あんなに綺麗なシーンですけど、現場は大爆笑だったんですよ。こっちは本当に真面目にやってるんですけど(笑)。これが武内マジックなのかと思いましたね。

――現場に入って感じた監督のすごさは?

瀬戸:セットのこだわりも本当にすごいので、まずは画が綺麗で見とれて、さらに芝居でグッと中に入るっていうのが武内監督なんだなと。僕が何より安心するのは、本番中に監督が笑ってくれることです。

――和馬を作る上で、具体的なアドバイスはありましたか?

瀬戸:“ディズニーの王子様っぽく”っていうのはヒントになっています。華とのシーンは本当にそんな感じで、表情やちょっとした首の動きも参考にしています。ナチュラルじゃないといけないので、難しさはありますけどね。

――クランクイン直後には「悩んでいる」とおっしゃっていましたが、撮影が進んでみていかがですか?

瀬戸:監督から「掴んできたな」とは言われています。でも、自分の中では「こういうことかな」としっくりくるところと、ちょっとまだよくわからないところがあって、完全体ではありません。監督が求めているものを表現できないっていうのは、すごく悔しいです。

■「コメディのほうが真面目」

――コメディと、その他の違いはどこにありますか?

瀬戸:コメディのほうが真面目です。バカを真面目にやるというか。だから、コメディのほうが神経を使いますね。観ている側だと「楽しい撮影なのかな」と思うけど、やっている側は神経も体力も使う。そこに難しさとおもしろさを感じることができた。今度は、もっとトリッキーな役もやってみたいですね。

――楽しみにしています! 今作を通して気づいた、自身の新たな一面はありますか?

瀬戸:監督に言われたのは「コメディのセンスはある。笑いどころはわかっている」と。感覚的なことなので、自分ではよくわからないんですけど(笑)。でも、すごく嬉しいです。

――コメディに挑んだことで、改めて“巧い”と感じた役者さんはいますか?

瀬戸:みなさんそう思いますが、渡部(篤郎)さんは本当にすごいですね。ふだんポーカーフェイスなのも、僕は作っていると思うんです。イメージを植え付けておいて、そこをぶち壊すっていう。僕はわりといつもフラットなので、ふだんからキリッとしておいたほうがいいのかなって(笑)。

――急なキャラ変更ですか(笑)。ふだんの渡部さんはどんな方?

瀬戸:すごく優しいです。深田さんと3人でバラエティのロケに行った時には、「俺と恭子ちゃんは喋らないから、瀬戸くんよろしく」と言っていたのに、いざ本番になったら、渡部さん凄い喋るし、面白いし、ズルいわ~って(笑)。

――現場の雰囲気も明るそうですね。

瀬戸:明るいですね。深田さんとは「このお店がおいしい」とかも話しますし、僕が前室で寝ていて、深田さんがイタズラするみたいなのもシリーズ化してきています。

――あれは、本当に爆睡している?

瀬戸:そうなんですよ、だから全然気づいていなくて。次、どんな感じで来るんだろうって楽しみでもあります(笑)。

――和馬はいろいろな人に振り回されるキャラクターですが、ご自身との共通点は?

瀬戸:最近、結構イジられタイプなんだなと気づきまして(笑)。自分では、イジりタイプだと思っていたんですけど……。

――たしかにSNSの写真でも、深田さんに摘ままれたりしていますもんね。

瀬戸:そうそう(笑)。そういった意味では“受け”なので、リンクしているのかな。その時その時で相手がどう攻めてくるかわからないので、臨機応変に対応するのが役者として楽しいですね。ちなみに和馬は鈍感ですが、そこはあまり似てないです。警察なので、鈍感でいいのかっていうのはあるけど、こういう世界観なので良しとしようと(笑)。

■「本当にメンタルが上がって、元気(笑)」

――役作りのために10kg増量されたそうですね。

瀬戸:警察としての説得力も欲しかったですし、アクションもあると聞いていたので、鍛え始めたらハマりました。毎日トレーニングしないとすぐに筋肉が落ちちゃうので不安なんですよ。でも、これまで筋肉が付かない体質だと思っていたので、“人は変われるんだ”とわかりました(笑)。

――特に、どんな点に苦労した?

瀬戸:食べることですね。『海月姫』(フジテレビ系)の時には痩せることしか考えていなくて、まったく食べなかったんです。それで体重が一気に50kgくらいになったんですけど、今回は筋肉を増やす上で脂肪が必要になってくるので、ひたすら食べて、お腹を空かせちゃいけない。一日におにぎり8個くらい間食していて、すごく贅沢ですけど、本当にしんどいです(笑)。“作品に取り組んでるな”という感じがして楽しくもありますけどね。

――体型以外に、何か変化はありますか?

瀬戸:本当にメンタルが上がって、元気(笑)。変なストレスが溜まらない感じがしますね。トレーニングは自分だけでもやりますが、マシンやダンベルも使います。家にも一式買いました(笑)。最初はしんどかったけど、どんどん筋肉が付いて逆三になってきて「え~~っ」と思って(笑)。家でもやっちゃいますよね。今は体脂肪率8%くらいです。

――そうですよね(笑)。アクションはいかがでしょう?

瀬戸:楽しいですね。10年くらい前に『仮面ライダーキバ』をやっていましたが、変身後はスーツアクターの方がやるので、生身のアクションでは“敵にヤラれる”ことが多かったんです。今回は組技があったり、ドロップキックみたいなものがあったり“戦い”という感じ。迫力がありますし、練習が楽しすぎて早くやりたいです。

――新たな挑戦が詰まった作品となりますが、キャリアを重ねた中での挑戦は、若い頃とは違った感覚ですか?

瀬戸:若い頃は、ただガムシャラでした。でも今は、いろんなことを経験して、良い意味で計算できるというのはあるかもしれないですね。挑戦は、乗り越えていく楽しさもありますし、自分自身に“重し”や“試練”を与えたほうが、終わったあとの達成感がある。苦しいけれど、そうやって悩んでいる時間も、きっと将来につながると思っています。

――ちなみに瀬戸さんは、和馬と華のような恋に落ちたら?

瀬戸:突っ走るんじゃないですかね。臆病なタイプではあるんですけど、人生一度きりですし、年を取るに連れて、周りに流されるのではなく、自分の思いで行動したり、いろんなことを決めたりすることは大事だなと思うようになってきました。

――歳を重ねるとリスクを避ける人も多いので、意外な感じもします。

瀬戸:なるほど……たぶん長く続けてきて、少しは自信が持てるようになってきたのかも。そういう生き方ができたら、かっこいいなと思いますね。

(nakamura omame)

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