NiziU RIMA、高いポテンシャルに甘んじず可能性を追い求める姿 特別な存在感でグループの旗手に
20/9/17(木) 15:00
『Nizi Project』から誕生したグローバルガールズグループ・NiziUのメンバー9人によるデビューまでの軌跡を、彼女たち自身のインタビューを基に明らかにしていく特別番組『NiziU 9 Nizi Stories』がHuluにて配信中。今回は、同番組第7回でスポットが当てられたNiziUメンバー・RIMAの魅力を紐解く。
JYP練習生として約7カ月を過ごしていたRIMAが『Nizi Project』初登場から視聴者の注目を集めたのは、その肩書きや華やかな出で立ちだけが理由ではないだろう。地域予選においてJ.Y. Parkと日本語、韓国語、そして英語を交えながら対話し、「Irony」(Wonder Girls)のトラックにのせオリジナルラップを披露した彼女からは“衝撃的”と言えるほど際限のない才能が感じられた。
しかしJ.Y. Parkから「普通それだけ才能に恵まれている人は楽に感じられるはずですが、RIMAさんは何かを証明しなければならない人のように見えます」と語られていた通り、当時の彼女の話し姿はその溢れ出る才能とは裏腹に、大きな緊張感をたたえていたことも印象的であった。
その理由について本人は「自分を証明しようと頑張っていたのかなって。私は、自分の力で夢を叶えたかったので」と振り返り、「自分の表現の仕方が分からなかったから、すごく悩んでいました」と続けた。
RIMAが抱えていた悩みはその後、東京合宿でミッションをこなす過程において乗り越えられるべき課題として明確化していく。地域予選に続き、ボーカル審査でも「DALLA DALLA」(ITZY)のパフォーマンスをオリジナルラップを交えて披露した彼女に対し、J.Y. Parkはこのような言葉を投げかけていた。
「直さなければいけないところがあります。ラップや歌の時、既存の歌手の演技を真似しているところです」
「典型的な表現はしないでください」
“自分の声・表情・個性で自分自身を表現できること”といった、『Nizi Project』において要ともなるポイントを指摘され「ダンス審査もボーカル審査も思い通りにはいかなかった」と大きな悔いを残したまま韓国合宿への参加を決めたRIMA。しかし彼女の強みは、続く韓国合宿・個人レベルテストにおける「Honey」(J.Y. Park)で発揮されることとなる。
同楽曲の歌唱者であるJ.Y. Park本人を目の前にしたパフォーマンスに「どうしよう」と不安を感じながら、宿舎のルームメイトであるMAYA、RIKUと思いの内を共有するなど他の練習生たちと深められた交流や、「原曲のままやっても面白くないので、自分のラップを入れようと思いました」「(東京合宿の時よりも)楽しいラップにしよう、自分らしいラップを書こう」といった持ち前の創造性が、RIMA自身をプレッシャーから解放していったのだ。
その魅力は心から楽しみながら堂々と歌い踊るステージ上の彼女に表され、J.Y. Parkからは「リラックスしていて、ありのままのRIMAさんに見えます」「足りなかった部分より“RIMAさんはこういうジャンルもできるんだ”という可能性のほうが大きく感じられました」と評された。
もともと備えていた高いポテンシャルに甘んじることなく、自己のさらなる可能性を求めるRIMAの姿はその後も、メンバーから「それまでクールなイメージだったから、ビックリした」と言われるチームミッション「Very Very Very」(I.O.I)でみせたキュートな表情や、その練習段階の「RIMAには本当に助けられました(MIIHI)」「二人の練習のとき、私は人見知りだけどすごく声をかけてくれて優しかった(AYAKA)」とチームメイトから声が上がった仲間想いな側面にも映し出されていた。
オーディション終盤には、ラップだけでなく歌唱力の上達も称されていたRIMA。ミッションを通じて彼女が拡張していった表現の可能性は、プレデビュー曲「Make you happy」歌い出しとラップパートにおいて“キュートでSWAG”な彼女ならではの魅力で多くの人々の心を掴む特別な存在感へと結び付いている。
「NiziUとして色々なジャンルの曲に挑戦して、世界のみんなに好きになってもらえる音楽を(目指したい)」
デビュー後の野望をこのように語る彼女はNiziUの持つ表現の可能性をも勇敢に拓く、グループの旗手となっていくだろう。
■菅原 史稀
編集者、ライター。1990年生まれ。webメディア等で執筆。映画、ポップカルチャーを文化人類学的観点から考察する。Twitter
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