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“ダンス・シアター”『Le Tambour de soie 綾の鼓』(あやのつづみ)上演―この鼓が鳴れば思いを叶えてあげましょう―

ぴあ

『Le Tambour de soie 綾の鼓』KAAT神奈川芸術劇場公演チラシ

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国際的に活躍する振付家・舞踊家の伊藤郁女と、ピーター・ブルックと共に創作活動を行ってきた伝説の俳優・笈田ヨシがフランスで創作したダンス・シアター『Le Tambour de soie 綾の鼓』(あやのつづみ)が、SPAC冬の特別公演として、12月18日(土)・19日(日)に静岡芸術劇場(グランシップ内)にて、12月24日(金)~26日(日)にKAAT神奈川芸術劇場にて上演される。本作は昨年フランスで開催された「アヴィニョン芸術週間(UNE SEMAINE D'ART EN AVIGNON)」で世界初演され、大きな話題となった作品だ。

テキスト(物語)を手掛けたのは、数々の映画脚本ほか30年にわたってピーター・ブルックの舞台台本を担当し、今年2月に逝去した脚本家ジャン=クロード・カリエール。その物語は、劇場の舞台を掃除している老人が舞台でリハーサルをしているダンサーに恋するが、思いが成就しない悲劇が描かれる。これは、作者不明とされる能の曲目『綾鼓』と、三島由紀夫が同作を現代に翻案した『近代能楽集』の一作『綾の鼓』からインスピレーションを受けて生み出されたという。

伊藤は「私たちは、ジャン=クロード・カリエールと一緒に三島由紀夫の物語からインスピレーションを受けて新しい作品を創作しました。三島由紀夫はヨシさんの親友でしたし、ジャン=クロードにとってもこの作品が最後となりました」とコメント。また「この作品で私たちが興味を持っているのは、若いままでいたいため、老人の愛を受け入れることができない女性と、恋をすることで若くなっていく老人との間に起きる物語です(抜粋)」とも。

一方、笈田は「三島由紀夫さんは日本演劇の古典を大事にされていました。1950年代には数々の能楽の作品を元にして、近代能楽集をお書きになり、それは今でもヨーロッパのあちこちで上演されています。それからもう 70 年が過ぎました。僕は先生にちなんで近代能楽集ならぬモダン能を21世紀のお客様にお見せしたいと思いました(抜粋)」と明かしている。

伊藤と笈田の身体を通して表現される、かなわぬ恋の物語をぜひ体感してほしい。なお演奏・出演は、矢吹誠からSPACの俳優・吉見亮に変更。矢吹による音楽を一部再構成のうえ上演される。

文:伊藤由紀子

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