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『エール』唐沢寿明も「あさイチ」で直接祝福 家族より夢と音を選んだ裕一の未来はいかに

リアルサウンド

20/5/8(金) 12:20

 主人公・裕一(窪田正孝)に次々と困難が訪れようとも、個性豊かな登場人物たちがコミカルに彼を支えてきた連続テレビ小説『エール』(NHK総合)。第6週「ふたりの決意」ではうって変わり、裕一の大きな挫折がシリアスに描かれ、一度は手放した音楽や音(二階堂ふみ)との絆が試された。

参考:朝ドラ『エール』で進化した『ラストコップ』の世代差バディ 窪田正孝×唐沢寿明の信頼感

 音からコロンブスレコードとの契約を持ちかけられてもなお、自分の夢と家族の幸せとの間で揺れ動いていた裕一。答えは出ぬまま、茂兵衛(風間杜夫)に借りた傘を返すために権藤家を訪れた。そこで裕一は、留学を許してくれた茂兵衛と八重(三田和代)の企みを知ってしまう。聞こえてきたのは、「あの子は跡取りさえ作ってくれればいい」という冷たい言葉。自分は権藤家の養子として歓迎されているわけでなければ、跡取りとして期待されているわけでもない。雨に打たれて泥だらけになった裕一は、部屋に帰り子供の頃から大好きだったハーモニカを吹いていた。

 同級生からいじめられた時や徒競走で転んだ時、裕一をいつも励ましてくれた音楽。それにしがみつけば、ガキ大将だった鉄男(中村蒼)や遠く離れた場所に暮らしていた音とも縁を結ぶことができた。多くの人にとってはただの娯楽でも、裕一にとっては生きる糧に他ならない。そのことに気づいた裕一は、上京して作曲家としての道を歩むことを決心した。

 家族の幸せではなく自分の夢を選んだ裕一の決断を、周りの人たちは受け入れることができない。弟の浩次(佐久本宝)だけではなく、密かに恵まれた環境にいる裕一を羨ましく思っていた「喜多一」の店員である志津雄(田中偉登)からも、「あんた強欲だよ」と冷たい言葉をかけられてしまった。けれど、裕一の心はもう揺らがない。自分を愛してくれた家族を捨てる覚悟がなければ、これから厳しい世界で夢を叶えることはできないからだ。

 駅に向かう道中、裕一は豊橋に帰る音を見送ったばかりの三郎(唐沢寿明)に出くわす。裕一から東京に行くことを聞かされ、「俺みでえになんな」と背中を押した三郎。兄弟を相次いで亡くし、家を継ぐしか選択肢しかなかった彼にとって、華やかな夢を追う裕一は自慢の息子だったのだ。

 東京に到着し、都会の雰囲気に戸惑いながら三郎から渡された住所を頼りに音の家を訪ねた裕一。音はその姿を見ると一目散にかけ寄り、裕一はその身体をきつく抱きしめた。しかし、2人はゆっくりデートをしている暇もない。裕一はまず、ディレクターの廿日市(古田新太)と専属契約を結び、今度は音と一緒に新婚生活を送る新居探しに出かけた。

 2人は途中、『竹取物語』の“竹”を意味する「バンブー」という名前のカフェに立ち寄る。そこでお店を営む楫取保(野間口徹)と恵(仲里依紗)の夫婦に紹介され、裕一たちはカフェの裏にある家を見せてもらうことにした。部屋は明るく、あたたかい日差しが差し込む。仕事部屋もあり、ピアノも置くことができる広々とした間取りは作曲家と歌手を目指す2人にぴったりだ。住む家を決め、縁側で長年連れ添った夫婦のように寄り添う音と裕一。周りに祝福されなくても、2人は誰よりも幸せそうな顔をしていた。

 番組放送後、朝の情報番組『あさイチ』では、三郎役の唐沢寿明が“朝ドラ受け”を担当。「良がったなぁ、裕一」と福島弁を披露した唐沢は、かつて息子役の窪田正孝とドラマ『THE LAST COP/ラストコップ』(日本テレビ系)でダブル主演を務めていた。その顔合わせで、窪田は「ご飯行くか」と唐沢に声をかけられ2人きりで焼肉に行ったという。若手の窪田を唐沢がリードする形で親交を深めた2人の関係性は、これまでの『エール』で見せたどこか不器用な親子コンビにも活きていた。今週で一旦福島編は幕を閉じ、次回から舞台は東京へ移る。

 第7週「夢の新婚生活」では、やっと想いが結ばれた裕一と音の浮かれた日常が描かれる。一方、レコード会社では曲が採用されず、同期入社の木枯(野田洋次郎)と共に苦戦する裕一。そんな中、裕一は幼なじみの久志(山崎育三郎)と再会する。彼らをはじめとした新たな登場人物たちの活躍が楽しみだ。(苫とり子)

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