【問題】
「今日こそは、気になるあの人と距離を縮めるぞ!」と心に誓っているアナタ。さて、その人とお祭りに行く約束をしたアナタが考えた戦略法は?
A:浴衣を着て、フェロモンをアピール
B:人ごみの中、さりげなく手をつなぐ
C:帰りに思い切って告白
D:なんとなく自分についての印象を聞く
E:人気ないところでキスをする
日本の恋愛映画で、ロマンティックなシーンとしてよく登場する夏祭り。浴衣を着た男女のいつもと違う姿に“ドキッ”というシチュエーションは定番ですが、この心理テストでは、恋に限らず、気に入ってもらうためのアナタの戦略法を“花火”に例えて解説します。
Aを選んだアナタは
小割物花火(打ち上げ花火)さん
雄の孔雀のように魅力を最大限にアピールするアナタ。手を替え品を替え、自分の特技や長所をさりげなくアピールする、長期に渡り飽きさせない手法をお持ちの方です。
まさにさまざまな色合いの花火で夜空を照らす小割物花火のよう。自分が飽きたら一気にサービス精神が消えるので、そのギャップに驚かれることもしばしば(笑)。
そんなアナタには刺激的なストーリーとビビッドな映像が五感を刺激する蜷川実花監督の最新作『Diner ダイナー』がオススメ。自分なりの小さな刺激を見つけて、いつも新鮮な気持ちに。
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Bを選んだアナタは
ナイアガラ花火さん
印象づけを大事にするアナタ。相手の話を聞くことに重点を置くので、人の心をつかむのも上手い方。すべてをさらけ出さず、ミステリアスさも大切にしているので、気になる存在として相手に印象を残させます。
うっとり見入ってしまうナイアガラ花火のような後味を持つ人。気に入ってもらえたと気づくと、ときにワガママかも。
そんなアナタには『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』のスタッフによる、ポラロイドが恐怖を招くホラー『ポラロイド』がオススメ。怖い映画で感情を揺さぶり、気になる人に饒舌になってみては?
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Cを選んだアナタは
牡丹花火(打ち上げ花火)さん
思いを隠していられない素直なアナタ。だから仲良くなりたいなら、自ら「友達になりたい」「人柄が好き」など口にすることでかわいがられるキャラ。
感情に素直な方が、裏表がないと思われるので、人ともすぐ距離を縮められる人。まるで、ドンと大きな音で存在感抜群の牡丹花火みたい。感情的なのも魅力のひとつ。
そんなアナタには、バレリーナを目指し、体も少女そのものになりたいトランスジェンダーのララの、声にならない葛藤が胸を打つ『Girl/ガール』がオススメ。伝えられない心情も読み取って。
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Dを選んだアナタは
線香花火さん
つい相手の気持ちを探ってしまうアナタはシャイな人。周りの空気にも敏感なので、人に合わせるのも上手な方だけど、なかなか本音を口にしないので、周囲にとっても逆に気になる人。
つい構ってあげたくなる存在のアナタは、実は愛されキャラ。じっくり見ていたい、話を聞いてあげたくなる線香花火のような人柄で人の心をつかみます。
そんなアナタには、中東で貧困に苦しみながら自分の足と頭で生きようとする少年の姿が胸に突き刺さる『存在のない子供たち』がオススメ。自分の道を切り開く力に背中を押されるはず。
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Eを選んだアナタは
スターマイン(打ち上げ花火)さん
大胆な行動と発想力で人の心をつかむアナタ。そのスピードと存在感はピカイチで、一か八か、追い詰められたときの行動力も尊敬の域。
“当たって砕けろ”という考えと、“なるようになる”という自分から道を切り開く考えは、多くの人に憧れられる光を放っています。まるでキラキラしたスターマイン。嫉妬も買いやすいけれど我が道を!
そんなアナタには、俳優ポール・ダノ監督作、14歳の少年の視点から家族崩壊を静かにじっくり綴った『ワイルドライフ』がオススメ。ゆっくりと心を語る人に耳を傾けてクールダウン。
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色彩心理で見る『きみと、波にのれたら』
アニメーション映画が若者の心をつかんだ
『君の名は。』以来、大学生のデートのひとつに“アニメ映画を観る”が加えられたのはご存知のことでしょう。
『エヴァンゲリオン』だってもちろんデートムービーだと思いますよ、傑作だし。それ以上に今まで、アニメ映画を観ていなかった若者たちに、ロボットが出てくるわけでもなく、宇宙のお話でもなく、現実により近いラブファンタジーとして親しみやすさを与えたのが『君の名は。』でありました。
かわいらしい絵のタッチもヒットの理由なんでしょうが、何よりアニメならではの非現実を体験できることを知った若者たちが、今、増えております。
この映画『きみと、波にのれたら』は、独自の世界観で熱狂的ファンを持つ湯浅政明監督が人気俳優陣をボイスキャストに迎え、物語のキーアイテムとなる歌をGENERATIONSが担当。そして若者たちの切ない恋という、まさに今まで以上にエンタテインメント性が強くなった作品なのであります。
湯浅作品の魅力は自由で躍動的な映像とリズミカルなストーリー。そのテンポは唯一無二であり、私たち観客は、一体どこに連れて行かれるの?とワクワクを楽しむのです。そして今作では、湯浅監督の色彩センスが爆発!
アニメーションは色彩心理に最適
実写以上にアニメーションは、2Dなこともあり、視覚的情報がダイレクトに入りやすいのだけど、夏やクリスマス、そして海がメインの舞台になるので、キラキラと輝く波しぶき、夜空に輝く花火、クリスマスイルミネーション、など、カラフルな世界がスクリーンに映し出されるのだからこれまたロマンチックなことこのうえない!
しかもヒロインである大学生のひな子は、とりわけお洒落でモテを意識したファッションをするわけでもなく、サーファーらしい、カジュアルなラインを好み、着回しも最小限。
だから彼女の印象も覚えやすく、テーマカラーも見えてきます。水着はイエロー、陸での服はオレンジが多いひな子。色彩心理で、黄色は“元気”“ユーモア”、オレンジ色は“社交性”“依存”“自立”。実はこの映画のキーワードそのもの。明るかったひな子が、何かに依存してしまい、自立することが目標にもなっている映画なんです。
湯浅組は、この色彩心理を知っていてひな子のテーマカラーにしたか否か? 何にしても、海の色、水色に癒され、黄色やオレンジなどのビタミンカラーで、元気を手に入れる。そんな心理効果も抜群だった『きみと、波にのれたら』。
涙腺崩壊という言葉を使いたくなる浄化作用まであった作品でありました、ヤラレタ。
(C)2019「きみと、波にのれたら」製作委員会
プロフィール
伊藤さとり(いとう・さとり)
邦画&洋画の記者会見や舞台挨拶を週5回は担当する映画MCであり、年間500本以上は映画を見る映画コメンテーター。TSUTAYA店内放送「WAVE-C3」で新作DVD紹介のDJ、ケーブルテレビ無料放送チャンネル×ぴあ映画生活×Youtube:動画番組(俳優と対談)「新・伊藤さとりと映画な仲間たち」、雑誌「シネマスクエア」コラムや、デイリースポーツでスターの魅力コラム連載、スターチャンネルで映画紹介他、TV、ラジオ、雑誌、WEBなどで映画紹介のレギュラーを持つ。心理カウンセリングも学んだことから映画で恋愛心理分析や心理テストも作成。