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森山開次『竜宮 りゅうぐう』が再演! 新国立劇場 こどものためのバレエ劇場 2021今週末開幕

ぴあ

撮影:鹿摩隆司

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2009年から続く新国立劇場の人気シリーズ「新国立劇場 こどものためのバレエ劇場」が7月24日(土)より開幕。今年は、昨年上演され好評を博した『竜宮 りゅうぐう~亀の姫と季(とき)の庭~』が再演される。演出・振付・美術・衣裳とトータルで手掛けたのは、ダンサー・振付家の森山開次だ。森山と言えば、しなやかながら直線的で空間を切り裂くようなダンス、能など和のモチーフを題材とした独自の作品世界で注目を集め、2005年に発表したソロダンス『KATANA』ではニューヨークタイムズ紙に「驚異のダンサーによる驚くべきダンス」と評されるなど世界でも高い評価を得てきた逸材。また、こどもからおとなまで楽しめるカラフルな作品も得意とするほか、様々なジャンルとのコラボレーションでも才能を発揮し、演出面での活躍も注目される存在だ。

その森山が初めて手掛けたバレエ作品が本作。モチーフとなっているのは日本の御伽草子『浦島太郎』で、一般的に知られる『浦島太郎』の物語とは違い、御伽草子では太郎に助けられた亀が実は竜宮城のプリンセスという設定だ。亀の姫と浦島太郎が惹かれ合う愛のストーリーを軸に、おもてなし担当のお茶目なフグ、タンゴを踊るイカの三兄弟など、竜宮城にいる愉快な海の生き物たちが登場。太郎が竜宮城から帰ってからの結末も、太郎が翁になった後に更なる展開が待ち受けている。さらに、海の中、日本の美しい四季を表現したプロジェクションマッピングの映像も見どころのひとつで、想像力を掻き立てられる空間が出現。

初演時、森山は「この作品にはテーマとして〝時″が流れています。竜宮城には不思議な〝季(とき)の庭″があり、一度に春夏秋冬の美しい四季を堪能することができます。太郎が竜宮城にいる間に700年もの年月が経過していました。ふるさとで玉手箱を開けた太郎はお翁さんになってしまいます。玉手箱には、時が封印されていた、そうこれは〝時の物語″なのです」と解説。さらに「時とは何か。そして、竜宮城とは何か。なぜ、太郎は故郷に帰ったのか。現代を生きる私たちも〝今″という時をどのように生きるべきか、あらためて見つめることができるかもしれません」とも。

日本で語り継がれる物語を題材に生み出された新作バレエ。遊び心溢れる美術や映像が掛け合わさり、心弾む空間が広がるステージで、とびきりポップな竜宮城の世界を堪能してほしい。上演は7月24日(土)から27日(火)まで、東京・新国立劇場オペラパレスにて。

文:伊藤由紀子 撮影:鹿摩隆司

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