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ムロツヨシ、ユーモアたっぷりの芝居で魅了 『病室で念仏を唱えないでください』濱田の目的とは

リアルサウンド

20/2/15(土) 6:00

 前回、警察の前で人を殴り謹慎となってしまった松本(伊藤英明)は、病院から離れ、自身の医療に関する価値観や生きることについて改めて向き合う。そんな中、松本が不在のあおば台病院では、児嶋(松本穂香)が率先してオペをしたり、藍田(堀内健)が松本の穴を埋めるべく救急をサポートするなど、松本なき時間を必死でカバーしていた。『病室で念仏を唱えないでください』(TBS系)第5話では、不在ながらもその存在感を存分に発揮する松本の姿が描かれる。

 謹慎になってしまった松本と入れ替わりで、心臓血管外科から児嶋が救急に転科してくる。さらに松本の代わりだと言いながら整形外科の藍田も救急に入り浸る。三宅(中谷美紀)や吉田(谷恭輔)は、そんな救急の様子に口では松本を悪く言いながらも、実は寂しそう。一方、松本は、病院を離れ自身の謹慎の理由について考える。そんな折に彼は、僧侶としての師匠の友人が老衰で危篤だと知り、石川家を訪れることになった。石川家では穏やかでゆったりとした時間の中、延命を希望しないという家族に囲まれる患者を見送ることになる。松本は普段とは違う環境での死との向き合い方に戸惑うのであった。

【写真】『大恋愛』のムロツヨシ

 さらにある夜、松本は憲次(泉谷しげる)に誘われ飲みに出かけるのだが、そこで憲次からもう過去のことで罪の意識は持たなくていいと諭された。涙しながら、話しを聞いた松本だが、直後にビルの工事現場での事故に遭遇し、すぐに救助に向かう。謹慎を言い渡されていた彼は、急遽オペをしなければならなくなり、理事長の澁沢(余貴美子)から特別に謹慎を解いてもらうのであった。その裏には、松本を復帰させるために頭を下げた玉井(萩原聖人)の存在がある。松本は多くの医師、スタッフ、患者に慕われながら支えられているのだ。

 第5話では、松本の医師としての葛藤や決意の裏で、怪しい動きをする濱田(ムロツヨシ)の存在が印象的だ。患者の前では、優しい笑みを浮かべ、あみぐるみをプレゼントするなど気の利いたケアをする。その一方で、「早く永田町に食い込まなければいけない」など怪しい言葉を残し、澁沢とは救命救急センターを潰すなど不穏な話をしている。さらに2人は、心臓血管外科専門医認定修練施設の認定を取ることも目論んでいた。濱田には何か「目的」がある様子。それがどうあおば台病院と、さらに松本に関与していくのか、気になるところだ。

 さらに裏表があり、かなり性悪な濱田を演じるムロは、2面性があり強烈な個性を持った役を飄々とこなす。サービス精神旺盛なムロは、『大恋愛~僕を忘れる君と』(TBS系)で、恋人役の戸田恵梨香から口元のほくろを押されると表情を変えるジョークを本作でもさりげなく見せたり、第1話で『アナと雪の女王』の名曲のパロディを呟くなどユーモアたっぷりの芝居で視聴者を魅了した。その一方で、児嶋に対する辛辣な態度や、松本への嫌がらせの数々はヒールとして申し分ない嫌味な役である。どこかキャッチーで魅力のある悪役として、本作を盛り上げているキャラクターの一人だろう。

 第5話のラストのシーンでは、児嶋が心臓血管外科のスクラブから救急のスクラブに着替えており、第6話の予告でも救急のスクラブに衣装が変わっている。児嶋が救急に加わった証であり、思わず胸が熱くなる瞬間だ。さらに同じくラストで明かされた憲次の肺がん。松本はどう行動するのだろうか。

(Nana Numoto)

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