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EXILE ATSUSHIとBoyz Ⅱ Men、『Mステ』共演の意味とは? ドラマティックな背景を読む

リアルサウンド

18/12/21(金) 18:00

 EXILE ATSUSHIが、本日12月21日よる8時から放送される『MUSIC STATION SUPER LIVE 2018』(テレビ朝日系)に出演し、Boyz Ⅱ Menとコラボレーションして彼らの代表曲のひとつ「I’ll Make Love To You」を披露する。

参考:EXILE SHOKICHIが語る、写真集『BYAKUYA』への自信「身体で表現するアートというイメージ」

 EXILE ATSUSHIは、2016年8月からアメリカへと留学し、一時活動を休止していた。ボーカリストとしてのレベルアップを目指す留学だったが、背景には精神的な危機もあったという。今年4月に放送されたソロライブのドキュメンタリー『EXILE ATSUSHI PREMIUM LIVE』(TBS系)では、「自分で言うのも変ですけど擦り切れるような状況で、逃げたい、消えたい。一回日本から離れたい。今行かないと、どこか何かが壊れるか、自分が音楽のこと嫌いになるか、病気になっちゃうか、何かが起こってたはず」と、当時の心境を明かしていた。

 しかし、現地でブルーノ・マーズを始めとしたアメリカのR&Bシンガーの音楽に触れることで、自身のルーツにある音楽性を改めて見つめ直し、ATSUSHIは見事に復活を果たす。2018年4月には、ATSUSHIが立ち直るきっかけのひとつになったブルーノ・マーズの代表曲「Just The Way You Are」の日本語詞カバーをリリースし、夏からはEXILEとしても活動を再開。現在はドームツアー『EXILE LIVE TOUR 2018-2019 “STAR OF WISH”』でその美声を全国のファンに届けている。

 帰国後のATSUSHIの歌声は、海外R&Bからの影響がさらに色濃くなってダイナミズムを増しただけではなく、様々な人生経験を重ねてきたシンガーだからこその深み、ブルースと呼べるような哀調さえ宿るようになった。つい先日、東京・羽田空港に新たにオープンしたライブレストラン「Live & Restaurant LDH kitchen THE TOKYO HANEDA」を取材した際、そのオープニングイベントのシークレットゲストとしてEXILE ATSUSHIが登場し、生のパフォーマンスを目にする機会を得たのだが、EXILEでのそれとはまた異なる魅力に溢れた歌唱には随分と驚いたものだ。

 まず最初にATSUSHIが歌い上げたのは、マーヴィン・ゲイの代表曲「What’s going on」(1971年)。聴衆へと訴えかけるような哀切が漂うメロディの中に、〈愛だけが憎しみに打ち勝つことができる〉といった強いメッセージ性を込めた原曲の持つ深みを、ダイレクトに伝える真摯なカバーである。生バンドの迫力ある演奏も相まって、ATSUSHIの歌声はさらに説得力を増し、血の通った音楽として鳴り響いていた。そこには、彼を救ってくれた音楽への深い敬愛が、確かに感じられた。

 今回、共演するBoyz Ⅱ Menもまた、EXILE ATSUSHIに大きな影響を与えてきたグループだ。「I’ll Make Love To You」(1994年)は、当時すでに世界的に人気を博していたBoyz Ⅱ Menの評価を決定づけた楽曲で、世界中にR&Bのムーブメントを巻き起こすきっかけのひとつにもなった。プロデューサーを務めたベイビーフェイスは、EXILEの前身グループであるJ Soul Brothersの名付け親、ボビー・ブラウンの楽曲も手がけており、その意味でBoyz Ⅱ MenはEXILEにとっての先輩でもある。ATSUSHIがEXILEとしてデビューした後に結成したコーラスグループ・COLOR(現:DEEP)は、いわば日本版のBoyz Ⅱ Menをイメージして作られたのだろう。そう考えると、今回の共演は然るべき時を経て、ようやく実現したATSUSHI自身の夢でもあるに違いない。そして、Boyz Ⅱ Menの「I’ll Make Love To You」のような、繊細で温もりのあるバラードでこそ、今のATSUSHIの実力は発揮されるはずだ。

 一人のシンガーが栄光を極めた末に挫折し、自身のルーツに触れて復活を果たし、晴れの舞台で憧れの存在と共演を果たすーー今夜のコラボレーションは、いわばそのドキュメンタリーのハイライトである。さらにパワーアップしたシンガー・ATSUSHIの歌声と、世界的R&Bグループの生み出すハーモニーは、果たしてどんな響きとなるのか。(松田“tissue”広宣)

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