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ぴあ

いま、最高の一本に出会える

小西康陽 5243 シネノート

4月から5月

毎月連載

第11回

19/5/19(日)

 このひと月、何だ彼だと忙しかった。なんだかんだと、あるいは、なんだかだと、という表現を「何だ彼だと」と記す作家の本を、ここしばらくずっと再読していて、はやくも影響されている。美術関連の雑誌に連載していた、美術関連の文章のはずなのに、いつも話は脱線して、身辺の話から、戦時中の記憶、さらにはごくプライヴェイトな恋愛の話まで、あっさりと書いていて、当時の読者も美術の話から遠ざかるほど面白がっていたらしい。
 この連載も映画の話からどんどん脱線していくことができたなら、読む方も書く方も楽しいだろうとは思うのだが、けっきょくそこまでの器量はない、ということなんだよな。
 さて、このひと月、何だ彼だと忙しかったのは、単行本が発売されて、そのプロモーションや取材に時間を取られていたからだ。むかし、バンドを組んでレコード会社とアーティスト契約していた頃は、アルバムを完成させてから約2ヶ月ほどプロモーションのための時間を設けていて、つまり発売されてから後は、ラジオやTVの番組出演など以外はそれほど動かずに済んだのだけれども、書籍というのはどうやら発売した後で宣伝をするものらしい。

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