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古武家賢太郎「その向こう側へ」

20/9/9(水)

桜などの板に、優れた色彩感覚と色面構成力で色鉛筆を塗り重ね描かれたちょっとアクシデンタルなシーン。これは、われらの時代のキュビスム絵画だ。19世紀にセザンヌが仕込んでおいたこの手法を20世紀初頭、ピカソとブラックが掘り起こし、大きな動向となった。古武家賢太郎の絵はその後のさまざまな動向、たとえばマンガ、アニメ的な表現も飲み込みながらその末裔の系譜にあるといえる。ロベール・ドローネーがキュビスムの色彩に革命を起こし、また、視点移動の痕跡を異時同図法をキュビスムに託すのは有効だということを20世紀後半にホックニーが示してくれたが、古武家はこれもまた一歩進めている。モティーフとなったのは映画のシーンや自分が撮影した写真、印刷物などさまざまだが、彼には、動画なら常に残像が見えているようだし、静止画も動画に見えているし、二次元が三次元に見えているのではないかと思える。

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