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窪田正孝の繊細な演技が光る! 『ラジエーションハウス』第2話で見せた本田翼への思いやり

リアルサウンド

19/4/16(火) 8:00

 杏(本田翼)の過去が明らかになった『ラジエーションハウス』(フジテレビ系)の第2話。医師免許を持ちながらも放射線技師として働く唯織(窪田正孝)は、膝の痛みで来院した少年・健太郎(石田星空)のレントゲン写真から骨肉腫を発見する。発見の決め手となったレントゲン写真を撮影したのは技師長の小野寺(遠藤憲一)であった。

【写真】唯織の初恋相手・杏

 そんな小野寺の家庭は別居中で離婚寸前。この日は離婚届を持った息子が病院を訪れ、小野寺に離婚を迫ろうとする。しかし、小野寺はまたも離婚届にサインはせず、結婚生活を続けようとするのであった。

 少年の骨肉腫を見つけた唯織にお礼をしようとした杏だったが、素直になれず唯織の勝手な行動を注意してしまう。そんな時に大森院長(和久井映見)が唯織に杏の兄が亡くなったという過去を明かすのであった。杏は兄を亡くしたショックで過去のことを話したがらないという。唯織はその件を聞いて、何も知らなかった自分を責めるのであった。

 第2話では技師長としてラジエーションハウスを取りまとめる小野寺が自身の息子と重ねて、少年と母親を救おうとする姿が描かれた。シングルマザーで仕事をこなしながらも懸命に息子を育てる母親と、一人息子の健太郎を見た小野寺は、自身の家庭を思い出しどこか放っておけない。普段はドライで、タバコやギャンブルに現を抜かした小野寺だが、今回の件では部長の鏑木(浅野和之)に叱責されながらも予約をねじ込み健太郎の検査をする。

 小野寺を演じる遠藤は、家庭での顔、医師と対峙する時の顔、後輩技師を育て守っていく顔と様々な表情を見せる。名バイプレイヤーと呼ばれる芝居の技術力は確かなもので、愛情のこもった視線と、真剣にレントゲンを撮る強い眼差しは観るものを魅了した。

 小野寺は、唯織のように病院内の調和を守れない技師に対してもしっかりサポートし、責任は自分が負うと男らしく豪語できる気前の良さがある。そんな気質を堂々と演じる遠藤からは、ラジエーションハウスの技師を演じる若手俳優たちを一挙にまとめて率いているような強さを感じた。第2話では優しい笑顔も垣間見え「強面なところと愛らしい笑顔の二面性」という遠藤の魅力がふんだんに発揮された回となった。

 さらに、今回は親子愛や結婚にフォーカスした内容でありながら、一方で放射線技師と医師の連携の重要性も説かれた。過去に蓋をしてしまった杏が、小野寺の技術力の高いレントゲン写真や唯織の検査に対する姿勢を見て、改めて技師の仕事へのリスペクトを感じる。本来であれば1話で描かれていた幼少期の杏の思想が、第2話で大人になった杏によって語られ、杏にとっては原点回帰となった。そんな杏の過去を大森から聞いた唯織は、自分を思い出させようとして辛い過去を思い出させようとしてしまったことを後悔する。不器用な唯織だが、本当は誰よりも繊細で気持ちに敏感であることがわかるシーンだ。杏を思いやり、自分の行動を省みるのであった。

(Nana Numoto)

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