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ティーンスピリット

20/1/8(水)

すでにスター俳優であるエル・ファニングが、歌手を目指す田舎に住む無名の高校生を演じる――見る前は、ミスキャストではないだろうかと思ったが、実に適役、そして名演、名唱だった。いまのところ、エル・ファニング主演作にハズレなし。 歌も、吹き替えではなく自分で歌っており、劇中でだんだんうまくなっていく、その「歌唱の表情の変化」も見事。本当に無名の少女を追いかけたドキュメンタリーを見ている気になる。 宿命のライバルこそ出てこないが、元名歌手だったのにいまは落ちぶれている男がコーチになるなど、ストーリーはスター誕生物語の定番通りに展開する。しかし、それは何の問題もない。 日本のアイドルは作り笑いとは思えないほど巧みに笑顔を見せてくれるが、この映画のヒロインの女子高校生はいつも不機嫌そうで、やる気があるのかないのか、嬉しいのか悔しいのか、喜怒哀楽を顔に出さない。そこがいい。この不機嫌な状況からの脱出が、彼女のモチベーションなのだから。 すべて計算されており、見事な娯楽映画。

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