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杉野遥亮、煙草をふかすワル役でイメージを一新 『スキャンダル専門弁護士 QUEEN』偽物と本物

リアルサウンド

19/2/15(金) 6:00

 偽物の関係が本物の関係になることもある。『スキャンダル専門弁護士 QUEEN』(フジテレビ系)第6話は、危機管理チームが大物小説家の依頼でパワハラ騒動を沈静化させることに奔走する模様が描かれた。

参考:中川大志、『QUEEN』三枚目ポジションで放つ愛嬌 10年のキャリアがもたらした確かな演技

 秘書からパワハラで訴えられた浮田千代子(真野響子)は、唯一残ったイケメン秘書の若月礼二(杉野遥亮)に夢中。若い才能だと熱を上げていた。しかし若月の真の姿は、浮田を騙すために三流出版社から送られた元ホスト。不当な契約を浮田に結ばせるためのハニートラップであった。そのことが記者の東堂(泉里香)により世間に明かされ、さらに炎上事件へと発展する。

 しかし浮田は若月が騙していることを知っていた。そして浮田自身がガンで余命3カ月と宣告されていたことを隠していたのだった。突然の浮田の死の後、氷見(竹内結子)は若月を呼び出し、小説を書けと勧める。そのことこそが、浮田の本当の願いだったと言う。若月が全てをさらけ出し、殻を破ってからデビューしてほしい。浮田はそう考えていたのだった。そして若月は小説家としてデビュー。賞を取り一世を風靡する作家となった。

 若月を演じたのは新進気鋭の若手俳優、杉野遥亮。昨年の秋クールのドラマ『大恋愛~僕を忘れる君と』や映画『春待つ僕ら』(2018)などで活躍し、2019年も続々と公開作品が決まっている。整った顔立ちだけではなく、優しそうな甘い雰囲気はハニートラップを演じるにはぴったりのルックスであった。普段は爽やかな高校生役を演じることが多い杉野だが、本作では、クラブに馴染んでいる様子やタバコをふかしたりする姿がハマっていたのも印象的だった。

 さらに今回は“言葉”の才能がある小説家志望の役となり、普段の杉野と通じる部分もあった。実は杉野のTwitterは「文章が面白い」と評判が高い。更新頻度もマメであり、長めの文章でオチのあるツイートをしたり、ウィットに富んだ近況報告でファンを楽しませている。そういった”言葉”の才能を活かせる杉野だけに、若月の持つ小説への飽くなき野心と、天才の持つ品性溢れるオーラを纏えたのだろう。若月の役は、ギャップが大きくキャラクターを掴むのに苦労する役だと感じる。元ホストというやんちゃな肩書きに負けない、天才作家の気品を備えなければならないが、品行方正すぎて「騙していた」という事実が霞んでもいけない。杉野は、そのどちらの顔も上手くバランスをとって演じきったのだ。声を荒げたりせず、静かに怒りを秘める若月の佇まいは作家の気質を感じさせる好演だっただろう。

 第6話に差し掛かり、危機管理チームにもキャラクターの個性がはっきりと出てきた。いじられ役の藤枝(中川大志)や、頼りになる真野(斉藤由貴)、お金にうるさい鈴木(バカリズム)などわかりやすいイメージがつく。そして今までは混同されがちであった氷見と与田(水川あさみ)も、それぞれにしかない特徴が見え始めた。次週では氷見と関係があるであろう吾妻(山本耕史)の動向にも進展が予想される。(文=Nana Numoto)

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