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『集団左遷!!』第2章では福山雅治が銀行の闇に立ち向かう 三上博史のねらいはどこに?

リアルサウンド

19/6/3(月) 6:00

 日曜劇場『集団左遷!!』(TBS系)第7話が6月2日に放送された。

参考:福山雅治が走るのは河川敷から首都高の高架下へ 『集団左遷!!』第1章完結で見せた銀行員のプライド

 銀行本部に舞台を移してはじまった『集団左遷!!』第2章。片岡洋(福山雅治)の新しい肩書は融資部部長だ。着任して1か月、横山(三上博史)の監視下でも「置かれた場所で咲くしかない」と職務に精勤する片岡だったが、突発事が持ち上がる。3千億を超える大口取引先のマルハシホールディングスCEOが逮捕されたのだ。経済ドラマの空気がぐっと強まった第7話では、お家騒動とCEOの背任という実社会でもタイムリーなテーマが扱われた。

 廃店が予定された支店での片岡たちの奮闘を描いた蒲田編から一転して、片岡が立ち向かうのは銀行内部の闇だ。利害が錯綜する本部内は、単純な対立構図ではない分、何が正しくて何が間違いかを判断するのは容易ではない。しかし片岡はブレない。「お客様のため」という片岡の姿勢は場所が変わっても変わることはなく、自問自答しながら一つずつ答えを出していく。そんないつもどおりの片岡の姿に少しだけほっとするような気持ちになった。

 舞台も本部だけあって登場人物のラインナップはそうそうたる顔ぶれである。頭取・藤田(市村正親)の機略もあって専務に昇格した横山は、会長の郷田(津嘉山正種)や副頭取の南口(橋爪淳)らと、とある“計画”を進める。年輪が刻まれた名優たちの表情と演技は見ごたえがあり、良い意味でフレッシュだった蒲田編とは違う魅力が感じられた。

 ちなみに横山の命を受けて、蒲田支店の取りつぶしに血眼をあげた宿利(酒向芳)は総務部の人材開発室付に。いわゆる追い出し部屋に追いやられてすっかり生気が抜けた宿利には「ご愁傷様」と言う以外ないが、片岡とは一緒に岩盤浴へ行くほどの親友だった“梅ちゃん”こと梅原(尾美としのり)も横山の派閥に加わることになって胸が痛む。友情を切り裂き、部下を使い捨てにする横山の所行には「血も涙もない」という言葉が似合うが、10年来の顧客だった丸橋雄一郎(本田博太郎)をあっさりと切り捨てた場面では、あらためて横山という人物のおそろしさを実感した。

 第7話でマルハシの内紛を暴くきっかけになったのは、日本橋支店に届いた1通の告発メールだった。蒲田支店廃店後、日本橋支店の副支店長に配属された真山(香川照之)がそのメールを片岡に知らせたことから事態は急展開する。告発メールの送り主である元経理部長の上原(モロ師岡)、そして副社長の丸橋太郎(筒井道隆)と相次いで接触した片岡は、真相を追っていちかばちかの賭けに出る。

 片岡と真山が事態解決に奔走する構図を見て、懐かしい気持ちになった視聴者も多かっただろう。第6話でも関連会社に出向した花沢(高橋和也)が融資話を持って蒲田支店を訪れたが、第8話以降でも、かつての蒲田支店メンバーがキーパーソンとして再登場する可能性は十分にあると思われる。

 マルハシの問題をめぐって浮き彫りになったのは日本橋支店にからむ因縁だった。かつて横山と藤田が支店長を務めた日本橋支店は対立する銀行本部の縮図であり、三友の火薬庫といえる存在。はたして火種をはらんだ銀行本部内の対立は日本橋支店に飛び火するのか。常務の隅田(別所哲也)や篠田(須田邦裕)たち融資部の同僚、横山の腹心・鮫島(小手伸也)の動きも気になるところ。さらなる合理化を推し進める方針もあって、三友銀行の状況はまったく予断を許さない。

 そして、第2章でも最大の敵として片岡の前に立ちはだかるのは横山だ。これまでも銀行のためという大義名分を貫いてきた横山だが、本当のところは何を考えているかわからなかった。第7話では横山の抱える闇の深さが随所で垣間見えたが、隠された本心が回を追って明らかになっていくことを期待したい。

■石河コウヘイ
エンタメライター、「じっちゃんの名にかけて」。東京辺境で音楽やドラマについての文章を書いています。

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