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松田龍平、29歳の芥川龍之介演じて「100年前の上海にタイムスリップしたみたい」

ナタリー

19/11/27(水) 14:32

「ストレンジャー~上海の芥川龍之介~」試写会にて、芥川龍之介風ポーズを取る松田龍平。

スペシャルドラマ「ストレンジャー~上海の芥川龍之介~」の試写会が本日11月27日に東京・NHK放送センターで行われ、主人公・芥川龍之介役の松田龍平、脚本の渡辺あや、演出の加藤拓、制作統括の勝田夏子が登壇した。

およそ100年前に大阪毎日新聞の特派員として中国・上海を訪れた芥川の姿を、彼の紀行文をまとめた「上海游記」をもとに描いた本作。「十三人の刺客」で日本アカデミー賞最優秀撮影賞を受賞した北信康を撮影監督に迎え、ほぼ全編にわたり上海で8Kカメラによる撮影が行われた。

「100年前の上海にタイムスリップしたような素敵な経験でした」と撮影を振り返る松田。200人近い中国のスタッフも参加していた現場を「言葉も通じない中、日本のスタッフと協力しながら、いい作品を作りたいという気持ちだけで言葉の壁を悠々と越えていました。中国のスタッフの方々はパワーがすごくて、現場でずっと叫んでいるような感じで。日本のスタッフも楽しんで影響を受けながら撮影していて、最後の方は声がかれちゃってる人もいました(笑)」と回想し、「僕も、中国の役者さんがほとんどだったので影響を受けながらできて。とにかく素晴らしい環境でした」と満足げに語った。

渡辺は「史実や芥川が書いたものを読んでも、彼がこの旅行によって成長したとか、そういうことはなく……」と静かに話しながら、芥川にこの旅が与えた影響を表現するのに苦労したと明かす。「混乱のさなかにあった上海に行ってみて、日本では議論を吹っかけられても乗らなかった芥川が、語らずにいられなくなった。1人の人間としても1人の作家としても、それまでになかった命の燃やし方を、彼はあの時期に体験したんじゃないか。そう自分なりにイメージしながら書きました」と、脚本を通して描きたかったことを伝えた。

また加藤は「今までのイメージと違う、好奇心に満ちた素の芥川を描いています」と本作をアピール。勝田は松田の起用理由について「芥川を演じられる方は正直限られている。今回の芥川は29歳という若さでありながら文豪としての風格があり、初めて海外に行った1人の青年の目線と同時に、そこで見たものを知的にフラットに観察する視点も持っています。いい意味での物事との距離感が、松田さんの特性とマッチしていると思いました」と説明した。

芥川を演じ切った松田だが、記者から「なじみのある芥川作品は?」という質問が上がると「困ったなあ……」とつぶやく。「あまりなじみがなかったというか。なのでWikipediaをたくさん(見て)……知ろうと思って。本当にそれぐらいです」と正直に打ち明け、「芥川の人生の中でもほんの短い旅の話なので。短くて、それでいて濃厚な上海の旅を演じることができたのは、僕にとって大きい収穫でした。と、ポジティブに考えています(笑)」とまとめた。

「ストレンジャー~上海の芥川龍之介~」はNHKワールド JAPANで12月28日、29日に前後編に分けて先行放送されたのち、30日にNHK総合、NHK BS4K、NHK BS8Kで同時放送される。

スペシャルドラマ「ストレンジャー~上海の芥川龍之介~」

NHKワールド JAPAN 2019年12月28日(土)、29日(日)8:10~、14:10~、19:10~、26:10~
※40分×2本、前後編

NHK総合・NHK BS4K・NHK BS8K 2019年12月30日(月)21:00~
※73分

(c)NHK

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