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志尊淳『走れ!T高バスケット部』インタビュー【前編】

ぴあ

18/11/3(土) 12:00

半田さんが指導してくださったから、僕らの色が出た

『帝一の國』(17)では主人公・赤羽帝一(菅田将暉)の右腕・榊原光明を猫のようなかわいらしさで演じ、『ドルメンX』(18)ではアイドルになって地球を侵略しようする 宇宙人の隊長を快演!  さらに、NHKの連続テレビ小説『半分、青い。』では、ヒロイン・楡野鈴愛(永野芽郁)と一緒に漫画家を目指すゲイの青年〝ボクテ〞を魅力的に体現し、あっという間に日本中の誰もが知る存在になった志尊淳。

そんな彼の最新主演作『走れ!T校バスケット部』は、連戦連敗の弱小バスケ部の成長と奇跡を実話に基づいて描いた、シリーズ累計120万部超の同名ベストセラーを映画化する青春ムービー。本作で超弱小の〝T校バスケット部〞を全国大会に導く主人公・田所陽一を演じた志尊のインタビューは、当然のように、バスケ元日本代表・半田圭史のもとで行われた、約3カ月間のバスケの猛特訓の話題から始まった。

「半田さんは、バスケをやっている人たちにとって大スターですけど、今回はバスケの技術的なことだけではなく、短期間でレベルを上げるにはどうしたらいいのか、それぞれの武器やいいところを伸ばしながら、全員がどういう動き方をしたらいいのかまで考えてくださって。演出側の意見もくみ取らなければいけない立場でいながら、役者に常に寄り添ってくれている感じがしたし、本当にT校の顧問の先生みたいな存在でした。半田さんが指導してくれたから、僕らの色が出たんじゃないのかなと思っています」

バスケットの練習自体がキャラクター作りになった

その約3カ月の練習が、「陽一というキャラクターを作る助けにもなった」と続ける。
「その人その人でバスケのプレイスタイルも変わりますし、その人の性格によって立ち位置やバスケの取り組み方も変わると思うんですよね。その中で、僕が陽一を演じる際に一番重きを置いたのは彼の内面の部分です。陽一はチームの中で誰よりもバスケがうまくなければいけないからできる限りの練習はしたけど、その上でどれだけ周りのことが見えて、どれだけ周りのことを気遣えるのか。そこを意識しながら、自分を前に出さないプレイスタイルも含め、バスケでチームのみんなを支える陽一のキャラクターを作っていくことを心がけていたんです」

陽一と重なる点と違う点「イジメられたときは戦う」

 志尊が今回演じた陽一は、中学時代はキャプテンで、バスケの強豪・白瑞高校で1年生ながらエースとして活躍するスタープレイヤーだったにも関わらず、チームメイトからのイジメに耐えきれなくて学校を自主退学。二度とバスケをしないと心に決めて勉強に専念するが、T校で個性的な新しい仲間たちと出会い、バスケの楽しさを思い出して再び情熱を燃やすようになる。そんな自分の分身を振り返り、志尊は「陽一の優しいところが好きでした」という。
「でも、今回は群像劇だったので、それぞれのキャラクターを深く描いてもらえない。その中で、陽一の優しさをどうやって表現したらいいのか?を考えたときに、カメラがいつも広めの画を撮っていることに気づいて。それで、チームメイトに触れたり、目線を送ることで、みんなに対する気遣いや愛情を伝えるようにしたんです」

陽一はバスケがうまくて、家族にも友達にも優しい好青年。志尊も子供の頃からスポーツ万能で、柔らかで穏やかな雰囲気を醸している。自身と似ているところも多いような気がするが……。
「〝そうですね〞とは恥ずかしくて言えないですね(笑)。ただ、これは僕の一方的な思いかもしれないけれど、家族の絆は陽一と同じようにすごく感じています。逆に僕が陽一と違うのは、イジメられたら戦うところ。もちろんそれぞれの性格があるし、何も言えなくなる状況も分かります。僕も小学生のときにイヤだな〜と思うことが何度かありましたけど、そのときは戦って、ケンカもしてました。それが当時の僕のやり方でしたけど、そしたら〝コイツは面倒くさいから、イジメるのを止めよう〞ってなったんです」

柔らかな表情と、そこから飛び出すこの力強い発言とのギャップこそが志尊淳の魅力のひとつなのかもしれない。そこは確かにイジメの悪夢から逃れられなかった陽一とは決定的に違うし、逆に本作では、彼の悪夢を払拭してくれる、T校バスケ部の仲間たちとの友情も見どころになっている。

後編はチームメイトを演じる、佐野勇斗、戸塚純貴、佐藤寛太、鈴木 勝大、西銘駿、阿見201らとの交流について聞く。後日公開するのでお楽しみに!

取材・文:イソガイマサト 撮影:稲澤朝博 スタイリング:手塚陽介 ヘアメイク:仲田須加

プロフィール

志尊淳

1995年、東京都生まれ。11年、俳優デ ビュー。主な映画出演・主演作に、『帝 一の國』(17)、『覆面系ノイズ』(17)、『ド ルメンX』(17)、ドラマ出演・主演作 に『きみはペット』(CX/17)、『女子的 生活』(NHK/18)、『半分、青い。』(NHK /18)など。スペシャルドラマ『それ でも恋する』(TBS)が10月6日(土) に放送となる。

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