Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play

PRIZMAX、7人で語るニューシングルと『~Level 9』への思い 「今の僕たちをしっかり見ていてほしい」

リアルサウンド

19/12/18(水) 18:00

 役者として注目を集める森崎ウィン(以下、森崎)を擁し、この夏は国内外のフェスに出演するなど、国際派ダンス&ボーカルグループとして活躍するPRIZMAX。12月18日リリースのニューシングル『愛をクダサイ/Beginning』は、年内での脱退がアナウンスされているメンバー・福本有希(以下、福本)のラストシングルとなる。PRIZMAXの持つ多面的な魅力を凝縮したような2曲や12月29日に行われるライブ『PRIZMAX Live Level 9 ~CIRCUS WINTER EDITION~』についてはもちろん、福本からホリック(PRIZMAXファン)へ向けてのメッセージなども語ってもらった。(古知屋ジュン)

2つで1つの要素を持っている 

ーー有希さんが卒業されるこのタイミングに出る「愛をクダサイ」が、前向きな別れを描いたような歌詞ですごくグッときたんですが、有希さん自身はこの曲をどんな風に受け止めたんですか?

福本:この曲を聴いてから脱退を決断したわけでもなく、決断したあとにこういう曲ができあがってきたわけでもなく、本当にタイミングが見事に重なったんですよ。なので、これも一つの運命なのかな……という風に考えていて。公式発表した通り、僕の中では29歳から30歳になるこの時期を大きな区切りとして考えていて、第二の人生についてかなり強い思いを持って周りとも何度も話し合って、事前報告させてもらうことになったんです。それと同時にこういう曲ができあがってきて。もちろんホリックの方々は僕へのはなむけ的なイメージを持つかもしれませんが、そういう意図でできあがってきた曲というわけではないので、この曲を誰が聴いて何を思うかは自由だと思います。ただ、僕自身は初めて聴いたときに素晴らしい楽曲をいただけたなと思いました。あまり運命を信じるタイプではないんですけれども、こういうふうにいろいろなことが重なるタイミングがあるんだなと今回すごく痛感しています。

島田翼(以下、島田):もちろんこのチームからすごく大事な人が1人いなくなるというのは僕らにとって大きなできごとではあるんですが、有希がいうように、明確に何かを連想させる意図で作っているというわけではないんですよ。なので、シンプルにいうと余白の美しさを楽しめる曲だと思っています。聴く人によっていろいろな楽しみ方や解釈ができたり、そういった余白があっての美しさを感じてもらえる曲に仕上がっているので、聴きながら自分の体験を思い返してもらったり、歌詞から連想されるようなことがこれからの人生の中で起こるとしたら、そのタイミングに聴き直してもらったり。そういう楽しみ方をしてほしいなと思っていますね。

ーーなるほど。(清水)大樹さんはラップのパートを書かれていますけれども、どういう言葉を選んでここに入れたいと思ったんですか?

清水:ラップパートは4小節ずつになるんですが、これが僕の中ではすごく短くて、その中で使いたい言葉を厳選するのが大変でした。もともと歌詞全体のストーリーとして、心のない1人の人間がいて、その人がいろいろな人間と携わっていく中で感情を持ち始める……という裏設定があったんです。それは7月のワンマンライブ『PRIZMAX Live Level 8 ~CIRCUS~』のテーマにもリンクしている部分があるんですけれども、そんなタイミングで有希の脱退が決まって。書きながら改めて僕たちの歴史を振り返ってみたら、ファンのホリックに対する感謝の気持ちが溢れてきたりして……いろいろな思いが混ざり合ったリリックが完成したと思います。

ーーラップパートも含めてじんわり心に染みるような楽曲ですよね。振りはもう完成しているんですか?

小川史記(以下、小川):ちょうどいま振り入れ中なんです(取材は11月下旬)。歌詞の言葉選びのニュアンスが表現されたような振りで、繊細な動きの中にもがむしゃらな全力感が詰まっていると思います。あと全員でのパフォーマンスのシンクロ感がありつつ、各々の個性もすごく溢れているものになっていると思うので、ぜひ楽しみに待っていてほしいです。

ーーボーカルチーム3人の歌声がまた、すごくエモーショナルで。

ケビン:アルバムの『FRNKSTN』のときには、僕たちの声の区別がつきにくい部分もあったと思うんですが、「愛をクダサイ」はバラードということで、僕や森くんのパート、ウィンくんと3人の声が重なるパートもわかりやすいんじゃないかと思います。テンポ的にもメロディの良さ、歌詞の良さが伝わりやすい楽曲なのかなと。

森 英寿(以下、森):アルバムは全部英語詞だったので、まず発音の部分でかなり苦労したんですよ。今回は日本語詞で一瞬安心したんですけれども、これはこれで歌い方で歌詞をしっかり伝えなければいけないので、気持ちを乗せた歌い回しというのが難しかったです。

森崎:僕の第一印象は、昔のPrizmaXを思い出させるような楽曲だなと。前回のアルバムからはすごくコンセプチュアルなスタイルでやっているんですけれども、その中でもこの楽曲は僕が個人的に心躍るようなテイストで、改めてこういう曲が好きなんだなと気づかされたというか。昔のPrizmaXの良さもあるこの楽曲を、今のボーカル3人で表現する面白さもあると思います。ボーカリストとして、それぞれが本当に歌が好きなんだというのが純粋に伝わるような楽曲をいただけたことに感謝していますね。あと7人としては最後のリリースになるんですが、この曲を7人でリリースできたことに、7人になった意味があるなと思っています。

ーーJeff Miyaharaさんのプロデュースでアッパーな「Beginning」は、ライブでパフォーマンスしている様子が目に浮かぶようで。歌割が細かいですが、ボーカルチームはどうレコーディングに取り組んだんでしょうか?

森:「愛をクダサイ」とはテンポも含めてかなり違った感じの曲ですけど、個人的にはいろんな曲を聴くので、こういうのもかっこいいなと思ってワクワクして。

ケビン:個人的に、この曲は『FRNKSTN』の進化型というイメージで捉えていますね。ダンスも激しいですし、Bメロになるとアルバム曲の「BAD LOVE」のようなセクシーさもあるので、あの7曲の世界を組み合わせて進化した“怪獣”みたいな印象です。

ーーそういうふうに聞くと、アルバムの物語が続いている感じで面白くなってきますね。ウィンさんは歌ってみてどうでしたか?

森崎:『FRNKSTN』は勢いのあるサウンド面を含めて、僕たちにとってすべてが新しい挑戦だったんですよね。その中でボーカリストとしての新しい自分が見えた部分もあったのが、個人的にはすごく大きな収穫だったんです。だからこの「Beginning」をいただいたときにも、『FRNKSTN』の制作に取り組んだからこそ曲の解釈がちょっと変わったり、レコーディングで求められることが把握できていた部分もあったと思います。率直に「高音パート、高ぇ!」と思ったりもしましたけど(笑)、アルバムのときにも頑張れたことを思い出しながら取り組みました。

ーー血が踊るようなサウンドで、ダンス面もすごく楽しみです。

清水:まだ振り入れ中なんですけど、すごく難しいんですよ。一見わかりにくいと思うんですが、踊るとなるとかなり難易度が高い振付だと思います。振付とか構成ということだけじゃなく、シンプルにオンビートのリズムをとるのが難しい曲なので、けっこう苦戦しています。

島田:「愛をクダサイ」もこの曲も、ずっとお世話になっている安心と信頼の50(FIFTY)さんにお願いしていますね。僕たちのことを一番わかってくれていて、僕らの空気感や伝えたいことを具現化してくれる方なので。『~Level 9』の演出や構成、ステージングも全部50さんにお願いしているんです。

ーーかなり対照的な2曲をダブルAサイドにまとめたんですね。

森崎:過去のPrizmaXの色を踏襲したような「愛をクダサイ」と、『FRNKSTN』の流れを汲んだ「Beginning」を組み合わせた形になりましたけど、エンターテイナーとしていろんな面を見せていくということに、僕らがグループでやっている意味があると思っているので。

島田:裏コンセプトがあって、この2曲は身体でいうと動脈と静脈を表しているんですよ。対になっているわけではないけれども、2つで1つの要素を持っているという意味合いで。というのも、今回のシングルは『~Level 9』にリンクする形でリリースになっているんです。前回の『~Level 8』の裏テーマは“五感で楽しむ大人のサーカス”だったんですが、あのライブでフォーカスできなかった部分をフォローする続編のような感じですね。どういうことかというと、『~Level 9』は五感ではなくて第六感(注:五感を超えた、理屈では説明しがたい心の動きを指す)の部分、たとえば見ていて心臓がドキドキするとか、何かわからないけれどもすごくグッとくるとか、そういう瞬間瞬間を切り取って伝えていきたいなという思いがあるんですよ。それを象徴するような意味で、ライブ自体のテーマが“心臓”になっているんです。

Arrow
Arrow
島田翼
ArrowArrow
Slider

僕たちはワンマンこそが最強 

ーーそんな裏設定が! この流れで『~Level 9』について聞きたいんですが、その前に夏のワンマン『~Level 8』についても少し振り返っていただけたら。ストーリー仕立てになっている部分ですとか、すごく想像力を掻き立てられるようなライブでしたが。

清水:『~Level 8』では、コンセプトとしてこの7人で力を合わせたものをパッケージとして見せようというのが強かったんですが、年末の『~Level 9』は個々がしっかり立つように作り上げていこうと思っています。

島田:『~Level 8』ではもちろん新しい3人に振りを覚えてもらったり、それを7人で見せるための準備だとか別軸の動きがありましたけど、ライブ自体には今まで同様、最高のモチベーションで向き合えたと思っています。今回もただ目の前にいるお客さんに、僕たちなりのエンターテイメントを見せるというシンプルな考え方で臨むので。それはこれから先もずっと変わらないと思います。

ーー新メンバーのお3方は、『~Level 8』が初ワンマンだったわけですけれども、いかがでしたか?

小川:僕ら3人としては、「まだ7人のPRIZMAXを受け入れる気持ちになっていないホリックのみなさんも多いんじゃないか?」と不安を抱えながら臨んだライブでした。でもあの日の会場の空気がすごく温かくて、それまでの不安や肩の荷が自分の中で消化されたので、僕の中では素敵なライブになったことは間違いないです。あの経験を踏まえつつ、たとえば僕なら舞台をやらせていただく機会もあったので、表現力の部分でもさらに成長したものを見せていかないといけないなと思っています。

ケビン:ウィンくんと僕がピアノ1本で歌ったり、それに合わせて翼くんがコンテンポラリーなダンスを踊ったりしたのがすごく思い出深くて。あの日は僕が今までやってきた音楽と、PRIZMAXでの活動を融合できた瞬間でもありました。ダンスを通してまた新しい音楽の楽しさも味わえたので、次のワンマンに向けてまたその“融合”をもっと濃く、パフォーマンスで見せていけたらいいなと思っています。

森:僕は個人的な話なんですけれども、前回のライブを映像で見直して、カメラで抜かれている自分に「まだ全然プロじゃないな」と思ってしまう部分がたくさんあったんです。

ーーそんなことないです!

森:自分ではあまり納得いっていない部分があって。なので自分を客観的に見て学んだことを、『~Level 9』で生かせたらなと思っています。

ーー有希さんは『~Level 9』がホリックとの最後の“デート”になりますが、お誘いの言葉をいただけたら。

福本:14歳から約15年間、芸能界で活動してきて、普段味わうことができない体験や出会いがあったり、すごく濃い人生だったなと思います。その人生の半分くらいを費やした活動の中で自分で決めた答えが引退だったので……正直、ホリックの方々からすると聞きたくない言葉だったと思うんですけれども。29日は最後の最後まで、自分がエンターテイナーだという意識を忘れずに、しっかりとみんなを幸せにしたいなと思います。発表してからまだホリックには直接会っていないので、不安に思っている方や「どうして辞めるんだろう?」と思っている方もいると思います。そんな方々を納得させるようなパフォーマンス……というとおかしいんですけれども、絶対に『~Level 8』を超える最高のライブを7人で見せたくて。たとえば『エビライ(EBiDAN THE LIVE)』やリリイベでPRIZMAXを観たことのある方もいると思いますが、僕たちはワンマンこそが最強なので。このライブで少しでもPRIZMAXのストーリーに触れていただいて、その方たちが何か考えたり、人生を変えるきっかけになれたらいいなと強く思っています。

ーー有希さんはこのメンバーの中では一番グループに入られたのが早いんですよね。これまで海外も含めてかなりの本数でライブをやってこられたと思いますが、一番思い出に残っているイベントやライブというと?

福本:2013年に初めて六本木のmorph-tokyoでやったワンマンライブですね。PrizmaX時代の、タイトルに“Level”と付けるより前のライブですけれども。あの年にやっとデビューして、ワンマンができて。180人くらいのキャパだったんですけれども、あの嬉しさは忘れられないですね。

清水:何もかも手作りな感じのライブでね。

島田:そのときは全部自分たちで台本を書いて、コントとかもやったんですよ。

福本:公園でコントの練習とかしてましたからね。ウィンがそのときバイトしてたところから小道具を借りてきてくれたりして。翼以外はまだみんな20代前半でしたね。

森崎:あったあった! 懐かしい。

福本:なんだかんだで一番の思い出というのはその初めてのワンマンですね。大きな会場でのフェスとかにも出させていただきましたけど、お客さんの人数じゃないなって。

ーー残念ですし名残惜しい気持ちもありますが、最後に久々のワンマンに向けてリーダーからも一言いただけるとありがたいです。

清水:今はだんだん近づいてきた『~Level 9』を大成功させよう! ということを最優先に、みんなで頑張っています。有希と一緒にいられる残りわずかの時間を、7人で全力で駆け抜けていこうという気持ちで。なのでホリックの方々には、今の7人の僕たちをしっかり見ていてほしいなと思います。

Arrow
Arrow
島田翼
ArrowArrow
Slider

(取材・文=古知屋ジュン/写真=三橋優美子)

■リリース情報
『愛をクダサイ / Beginning』
2019年12月18日(水)
【通常盤】
定価:¥1,100(税込)
仕様:CD ONLY / プレイパス対応
【WIZY限定盤】
定価:¥1,100(税込) 送料別
仕様:CD ONLY / プレイパス対応
付属特典:12月29日(日) 豊洲PITワンマンライブ 会場限定特典

収録曲
01.愛をクダサイ
02.Beginning
※通常盤、WIZY限定盤共通

■ライブ情報
『PRIZMAX Live Level 9 〜CIRCUS WINTER EDITION〜』
2019年12月29日(日)【東京】豊洲PIT
【第1部】開場 14:00 / 開演 15:00
【第2部】開場 17:30 / 開演 18:30

オフィシャルサイト

新着エッセイ

新着クリエイター人生

水先案内

アプリで読む